名古屋の雑記①(植物と風呂)
昨日、早朝に伊勢から名古屋へ移動した。
連日の旅の疲れが出たのか、日中はぼんやりして過ごした。
できれば植物のあるところで休みたかったので、「久屋大通庭園フラリエ」という庭園+お花屋さん+カフェの公共施設に行った。
ここのロケーションがかなり良くて、広いグリーンルームに無料で入れてコーヒー(有料)が飲める。
お金持ちな人が私設している植物園みたいだ。
一帯をとりまく植物は売り物で、気に入ったものがあれば購入できる。
フラリエのお花はかなりリーズナブルで、満開を少し過ぎた百合が200円で売っていた。家が近かったら買って帰るところだ。
草たちはエモいしカフェも安いので、中高生〜二十代のカップルが多かった。
人間も百花繚乱だ。
フラリエで二時間ほどダラダラしたのち、風呂に入るため温泉探し。
あまりの暑さに朦朧となり、降りたい駅を4回通り過ぎて、一時間ほど上り線と下り線の往復を繰り返した。
次のチャレンジで目的地に降りられなかったら諦めてホテルに行こうと思ったところで下車。
ふらふらになりながら、サウナチャンスを掴んで入室。
サウナと水風呂を繰り返すうち覚醒にいたる。
スパのいちばん奥に「美人の湯」という露天風呂があって、風呂の縁に頭を絶妙な角度で置くと段差をベッドに寝そべることができる。
風呂の温度も37度と人肌程度なので、お湯のお布団をかけているみたいだ。
……ということに気づいたので、湯船に浸かっているのかいないのか分からない状態でゴロゴロした。
温泉の中でゴロゴロするのは初めて。
地元の住民は「美人の湯」の作法を心得ているのか、わたしが湯冷しに屋外ベッドでゴロゴロしている間に、同じような格好で寝そべりながらふわふわ浮いていた。
ゴロゴロしている最中、スタッフのおばちゃんがやってきた。
てっきり「風呂で寝ないでください」とか「ご気分でも悪いんですか?」などと声をかけられるかと思ったら、側にしゃがんで何かを見ている。
目が合うと「この子生理かしらね!?」と近くで寝ていた女の子を指差してこっそり尋ねられた。
わたしが近い位置にいたので、友達に思われたらしい。
指差す先に血が落ちていたので、
「ほんとだ、血だ」
と言いながらタライに湯を汲んで渡したりした。
おばちゃんは手際よく持っていた手拭いで生理の血を拭いていった。
「生理かしらね!? 具合が悪いのかしらね!?」
と眠る女の子の股間を覗き込むので思わず笑ってしまったら、わたしの笑い声で女の子が起きた。
少し具合が悪そうだったその子を「大丈夫?」とおばちゃんが聞いていて、女の子も頷きながら屋内へ戻っていった。
「ファ〜〜(感嘆)、人間ていいな!」とつぶやいて再びゴロゴロ。
なんだかんだ二時間くらい寝そべっていた気がする。
その最中、2歳くらいの女の子が5歳くらいのお姉ちゃんと一緒に風呂に入りに来たので手を振ったりした。
(小さいお子様に手を振ると真剣な顔で応じてくださる)
そのスパはいたるところに工夫が施されていて、「美人の湯」の近くの炭酸泉は大きなテレビがあり「ちびまる子ちゃん」の居間みたいな、コタツの部分が温泉になって地元のおばあちゃんたちが延々とお茶の間のテレビを見ている中に入って「踊るさんま御殿」などが見れたりした。
居間におばあちゃんが大量にいると考えるとかなりシュールな光景だ。
みんな炭酸の泡まみれになりながらさんまさんを見ていた。
こういうひたすらだらだらできる温泉が東京にもあればいいのにな〜と思う。
わたしが通っている都心の銭湯は、施設が狭いのと治安が悪いのとで利用者がギスギスしている。
窃盗も常に起こっているらしく、常連の人たちは若い人や外国人を目の敵にしている。
名古屋も大都会だし、治安の悪いところもありそうだが、都市部から数駅離れただけで癒されるスポットが出現するところが、東京と違うなと思った。
(福岡もそう)
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