帰宅難民回避までの5時間
ピタゴラスイッチ並のファインプレーが起こったので書き留めるよ!!!!!!
先日1泊2日で、椎名林檎さんのライブのために広島に行って参りました!
それはそれはもう最高だったのですが、それはまた後日に。
そして私は貧乏学生謳歌中なので、熊本からの往復共に、もちのろんで高速バス使用。
しかしながら熊本から広島の直通はなし。
福岡への経由が必須だったのです。
元々、ツアー当選が判明したのが3ヶ月以上前だったので、
「直通でサクッと行ってサクッと帰りたいから、ここはトクトク🎶みたいなお得パックの新幹線にしようか〜、いや、やはりそれでもコスト削減のためには高速バスかぁ〜?」と緩々と思考を巡らせて日々を過ごしていた。
そうこうしているうちに、賢い人々は高速バス早期割引の権利をちゃっかり手に入れており、新幹線の早期割は3月いっぱいで終了してしまうとのこと。コスト面を考え、新幹線使用は早くも諦める。高速バスサイトに訪れた時には時すでに遅し。当たり前じゃろがい。
直前割のようなものがあったから助かったものの、事前訪問していた時に目にしていた価格から500円ほど値上がりしており、さらにお目当ての時間帯に広島に到着する便は完売ときた。
コスト削減に学生人生を懸けている私だったが、ここは仕方がない。
さっさと予約しないと、学生の味方である高速バスといえどもっと値上がりしてしまう、そんな焦りがあったかはよく思い出せないが、兎に角早々と往復の高速バスの予約を取った。
こんな時意識が一方に寄るというのは怖いもので、林檎さんのライブのために!!!!と勿論行きの時間帯には到着時刻の分単位まで気を配った。
一方で、夜遅くになっちゃうけど福岡から熊本へは高速バスあるし!何回乗ってると思ってんだ!福岡出身、熊本在住を舐めるなよ!ぐらいで、復路はささっと予約。
これが落とし穴だった。
さて、時間はライブが終わった翌日、本日18時まで遡る。
友人と別れを告げ、颯爽と博多着の高速バスに乗り込んだ。
予約完了メールもしっかり確認。停留所の番号まで完璧だった。夜ご飯として美味しそうなプチ贅沢中華お弁当も購入できたし、同居人に渡すちょっとしたお土産も買えたし、我が広島人生に一片の悔いなし!(大袈裟)といったところ。
18:05。
メールの記載通りの時刻に、バスは出発。名残惜しく広島駅の景色を一通り眺め終わったあと、昨日の同志たちとの写真を見る。林檎さん、近かったなぁ、肘小僧の皺まで見えちゃったなあ、、、大好き、、、健康第一で居てくださって欲しい1位は林檎さんですわよ、的な1人会話を脳内で繰り広げていた。
まぁ、一応何時に到着するかもう一度確認しておこう。これが一人旅プロの二重確認ワザ!(浮かれポンチ馬鹿である)と思い、再び予約完了メールを視認。
ん?
「22:57 博多バスターミナル着」?
嫌な予感がした。
すぐに熊本〜福岡間の高速バス、ひのくに号の時刻表ページに飛ぶ。
下にどれだけスクロールしても、出てくるのは
「博多バスターミナル 22:48発」まで。
おっと?おっとおっと?ハズバンド?()
結構な冷や汗。
てか本当に車内寒いから風邪引いたんかとおもたわ。
いやいやいや、ここで動じず対応できるぐらいの経験を積んできただろ私。
ここはしょうがない。値段には目を瞑り、新幹線での帰宅を試みようではないか。
「新幹線 博多→熊本 23:01発最終」
おおおおおおおおん???????
行きの博多〜広島間高速バスでの遅れを考えると、
発着時間帯が違うといえど高速道路は高速道路。
上りくだりの違いがあるとはいえ通るのは同じ道。遅れは否めない。100歩譲って時間きっかりだろう。
博多バスターミナルから新幹線乗り場までは 一度3階から1階まで降り、隣接された別建物に移り、そのまま建物の対角線上まで歩くことになる。
早歩きでも7分、顔面気にせず周りに迷惑をかけない程度に全力ダッシュしてもせいぜい5分。
え、うっそん無理だ。え、宿泊?このまま博多にもう一泊?
予算オーバー。私の思考回路も、旅疲れと林檎さんへの圧倒的愛と興奮でキャパオーバー。
考えた、かなり考えた。誰かの家に泊まる?24時間営業の温泉だけで時間潰して朝帰る??
いや、しかし疲労が、、、、、
───もういいや、泊まっちゃおう。
適当に宿を漁り、直近に泊まったばかりのカプセルホテルがそこそこお手頃だったため、『キャンセルポリシー・当日のキャンセル、連絡なしの不泊は宿泊料金の100%』という末尾に書かれた注意書きに、もう後には引けない覚悟を決めネット予約した。
いつもだったら現地での手間を減らすためクレジットカード決済するところを、入力事項が少ない現地決済を選択した。
長時間同じ体勢のままでいることに加え、旅の疲労が頂点に達していたためである。財布からクレカを取り出すのも、その時の私にとっては岩を運ぶような重労働だった。
(文明の利器、、、ありがとうスティーブ・ジョブズ、、、)
さてここで私は博多へのもう一泊が決まってしまった訳だ。
結構血眼で調べていたのでヘトヘトになってしまい、明日岩盤浴で癒そうかしら、なんてコスパ度外視の計画を立てていた。
当然の如く、本日中に熊本に帰るよりもコストが嵩むことになった。
そんなこんなで「まもなく、博多バスターミナルに到着いたします」との車内アナウンス。
ありがとうございました〜と運転手さんに別れを告げる。
さてと、ホテルに向かいますか。
ふと右手の時計を見る。
【22:47】
..........えっ????10分の巻き????こんな言葉エンタメ業界でしか使わないと思ってたのに、まさかの交通業界においての巻き??
ここで私のヘトヘトだった頭、フル回転。火事場の馬鹿力万歳。
ありがとう、マイ脳。ありがとう、ペトロールズ遠征で培った適応能力。
「さぁて明日のふぃぐさんはァ?」と3つ結びの財布忘れても愉快系主婦がハツラツと私の中で声を上げる。
「「「おうちに帰れるかも!!!」」」
しかしその順風満帆な明日の予告は早々に打ち砕かれることになる。
ああ、当日キャンセルってお金全額請求されるやん....さっき覚悟決めたばっかりやん、おわた.....
だが!!!私は!!何を隠そう、一つのことに熱中したら最後までやり遂げたいタチ!!悪く言えば諦めが悪い!ちょっと長所風に言うと粘り強い!!納豆が嫌いなくせに!そこら辺の納豆より粘り強い自信があるのである!!!ねばーるくんもびっくりよ!!!ドヤァ!!
と、いうことで、ここでわたくし、母仕込みの図々しさを遺憾なく発揮。
まずは予約済みホテルの連絡先を、使い慣れたGoogleマップから探し出し、電話をかけた。
深夜帯に突入するためか、少し力ない無機質な声をした女性の方が出られる。
本日予約していた〇〇と申します。
「あ、はい、お世話になっております。」
あの、予約ってキャンセルの場合、全額請求ですよね....
とまで言い終えて、
(し、しまったーーー!知らないふりしてキャンセルって言えばよかったーー!!)と実にせこい後悔。
「差し支えなければ、キャンセルのご理由をお伺いしても宜しいでしょうか?」
えっと、、、すいません、急に本日帰れそうになったので。
あっでも、もしキャンセル料が発生するのであれば、申し訳ないので向かわせてい....
(なんちゅう端折った理由や、なんも伝わらんわこれ。しかもちょっと保険かけてる自分、お金無さすぎて必死か)
「分かりました。現地決済を選択されてましたよね?」
は、はい、、?
(あれ???)
「でしたら今回のみ、特別に」
はい、、、、、、
(これは、、、もしかしてのもしかして、、、)
「無料でこちらでキャンセル───」
パヤーーーーーーー!!!目の前に広がるエーゲ海、はしゃぐ水着のお姉さんたち、そのお姉様方にWelcome!と言われてニッコニコのわたし。そう、正真正銘激ハッピーフルコンボである。
あ、え、本当ですか?!?!?!すいません、本当にありがとうございます。
無機質な声のお姉さん、マジありがとう。
無機質とか言ってごめん。君は必ず将来ビッグになるぜ。どのホテルウーマンよりもかっこいいぜ。
そう私の中のビッグボスが白い歯輝かせながら言ってるよ。
そして私に「なんでも電話で聞いてみらんと分からんよ」と毎度仕込んでくれたマイマミー、超グッジョブ。本当なんでも言ってみるもんだわ。さらに疲労を理由にして現地決済にした勘の良さ。流石にブラボーすぎ。ファインプレー1個目。
これ絶対クレカだったら、返金大変だから何かしら料金取られてたよ本当。偉すぎ、表彰もんだよ。
といっても思い立つまで1分。電話をかけてから1分。計2分経過。現在時刻22:49。
新幹線の最終便発車まで残り12分。
さて、やはりここまできたらコスト削減をさらに目指そう。
券売機で買うことは一切頭になく(手続きも多分面倒だし、値段高いし、最終便だから混んでる可能性もある)、指が勝手に新幹線ネット予約ページを表示させていた。
ログインしないと予約ができない。
えっとメールアドレスとパスワードは.....
ここで、ファインプレー2つ目。高速バスか新幹線か散々迷っていたライブ準備時に、新幹線の予約ページまで飛んで、しっかり価格比較をしていたのであった。
つまり私は、メールアドレスがどれなのか、パスワードは何なのか、明確に、かつ瞬時に思い出すことができた。
私の脳内コンサートホールはすでにスタンディングオベーションである。
ここで、23:01発の予約をタッチ。
この時点で現在時刻 22:52。
すると、赤い大きな文字で『ご予約は22:59までにお願いします。』との表示が出た。
ごごごじゅうきゅうふん?!?そりゃ23:01発だからそうか、そうだよな。いやでもクレカの入力とかさ!!あったよね確か?!番号入力するのって結構時間かかるよ??そんな猶予与えてくれないものなの?えっ、いける?
いや───やってやる!!!
ヤケクソである。クレカを!クレカを取り出さなk、、、、あっ!!!
「「クレカ情報登録済」」
嘘でしょ、てんしゃいだよ、私。誰かよしよししてくれ。いやいいや自分でする。まじ偉すぎ。そうか、以前新幹線に連携してるタイプのカードで購入してたんだった。まじてんしゃい。
選択すると、あとは予約するのボタンのみ。
ポチぃ!!
「予約完了しました。」との表示と、予約番号が記載されていた。
現在時刻22:55。
最高。しかし時は刻一刻と迫っている。あとは発券機まで、うっ、、、、遠い!地味に遠い!この博多バスターミナルから新幹線口までの遠さ!!!!最高にイケてるホテルウーマンとの電話の時に歩数を稼いだおかげで、1階の博多駅ビル入口付近までは来ていたものの、見事に真反対じゃん!!!
バスと新幹線を乗り継ぐ人間はみんな余裕があるだろうから、ちょっとぐらい離しても「運動になるね」なんて言って笑ってくれるだろうよあっはっは、とでも言って設計されたのか!?!?なんて鬼畜な!!!こんな終電まで6分の猶予しかない金欠限界大学生だってバスから新幹線乗り継ぐんだよ???ええ??
いや、何も設計の方は悪くない。なんせ悪いのは自身の確認不足。ここまでは頭のファインプレーで何とか乗り切ってきた私。
あとはこの、テニスとダンスで鍛えたはずの逞しい脚力を!!!生かすんだふぃぐ!!!(立つんだジョーの熱量で再生)
平日23時前にも関わらず、相変わらずのごった返しようだ博多駅。残業後軽く夕飯を外で食べ、クタクタらしきサラリーマンたち。春休み延長中なのか、飲んで千鳥足のギャルの集まり。名残惜しそうな顔で見つめ合いながら改札付近で会話をしているカップル。
しかし、今の私から見ればそれらは皆、ただの棒状の有機物。いくら可愛かろうがイケメンだろうが、おっさんだろうが有機物。勿論他の人から見ても、私は有機物。
いける、棒の間を抜けろーーーー!!!!
途中で発券機が目に入る。ネット予約限定の文字。
これだ。先に発券を済ませることができた。なんて幸福感。
特急券と座席指定券と領収書。こんなに感熱紙って愛おしかったっけ。
しかし焦燥感がそれを上回る。
バックパッカーかのようなパンパンに膨らんだリュックと小ぶりのバッグを肩にかけ、右手に新幹線チケット2枚、左手にスマホを持ち、競歩で新幹線口まで駆け抜けていった。
いつもだったら右側の新幹線口に行くところを、動揺しているのか、左のマイナーな方の改札を目指してしまう、が、そこで進路を変更するわけにはいかない。どうせ改札の先はホームだ。ホームまでの距離はある程度は平等なはず。
ところがどっこい、改札口を抜けた目の前には自分が目指すホーム番号から1番遠い番号がでかでかと居座っていた。
現在時刻22:58。
うっわーーウッソ逆か、、、、、いや!!いける!!!絶対行ける!!!100mほどよ!!!
幼少期から、走るのを競うことがかなり嫌だった私だが、本日ばかりは少し役に立ったかもしれない。
100mだったら、私の記憶からいけば20秒もかからないはず!あくまでも全力疾走を仮定してだけど、と予測が立てられたのだ。
相変わらず競歩をキープしたまま、乗り場近くのエスカレーターまで向かい、それに乗ると見上げた先の電光案内板には「まもなく参ります」
との点滅表示。
ま、、、、、間に合った、、、、、。
現在時刻23:00。
マリオの花火がコースクリアのBGMと共に打ち上がり、花火に私の達成感に満ち溢れた顔が浮き出てきたくらいの高揚。
今ならヒーローインタビューを受けても堂々とつらつら喋れる自信がある。
そうして、この体験を忘るまじ、と記録し出したのが新幹線の席についてからである。
そして今は帰路につき、入浴前にこれを書いている。
何気ない日常でもこれだけの幸せを感じられることに才能を感じたし、ことごとく私はハッピー脳だな、と思った。
昔はとことんネガティブ思考だった分、そんな今の自分が大好きだし、誇らしい。
この経験はほんの小さいものだが、何か人生の岐路で落ち込んだ時、私の本当の姿を思い出して、将来の自分に元気になってほしいと思った。
なーーんて。
いや、1番の教訓は、ちゃんと帰路に着くところまで予約時に確認しろ、ですね。
お金が関わる部分は、適当、ダメゼッタイ。
学んだふぃぐちゃんでした。ちゃんちゃん。
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