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【英検準一級】競争はどこから始まっている?

これは中年フリーターが中年ではなかった頃の話(注:英検受験者の役に立つ記事ではありません)。

当時は特に留学したいとか仕事に活かしたいとかでは無いくせに、思いつきで英語の勉強をしておりました。それで進捗のマイルストーンとして英検を受けていたのですが、準一級の一次試験を受けたときに試験とは別のところで衝撃を受けたので、当時の記憶を記録にしてお目にかけたいと思います。

当日は気合が入りすぎたのか無駄に早起きしてしまったので、一時間以上はゆとりをもって会場に到着。試験自体もしっかりと予定を組んで計画的に勉強していたため、つつがなく終了。苦手意識のあったリスニングが思ったよりも良く出来た実感があり、ウキウキ気分でした。

そんなテンションで会場を後にする人の群れに混ざって他の受験者をウキウキウォッチングしていると、あることに気が付きます。
なんか小学生多くない?
この会場は英検一級と準一級のみ開催で、時間帯的にぞろぞろ歩いている受験者はみんな準一級を共に受けた戦友たちということになります。いや、英才教育だの帰国子女だの、そういうカタパルト発進的な人生があるのはもちろん知識として知っているんですけどね。でも自分が小学生の頃ってポケモンとミニ四駆とニンテンドー64のことくらいしか頭になかったよな・・・などと感慨にふけってしまいます。

まあそんなことはどうでも良いんですが、会場となっていた大学の外に出ると、目の前の道にはずらり大量の車が停まっています。交通量の殆どない袋小路なので、朝はこんな風景ではありませんでした。

朝、受験の記念(?)に撮った会場前の風景。試験後の昼頃になるとこの道に外車が並ぶ。

しかも、ことごとく外車ばかり。車にあまり興味のない自分でもすぐに分かる特異な外車率。普段の街の風景から摂取している成分とは違うんだって、無意識に分かってしまうんですね。おなじみのベンツはもちろん、ルノー、シボレー、ボルボ、BMW、あと何だっけ、オリンピックみたいなマークのやつ。これはモーターショー的な展示会ですか?
なんで急に車の話をしたかと言うと、先程のカタパルト小学生たちがひとり又ひとりと、この外車艦隊に吸い込まれていったのです。誇張でも何でも無く、空気清浄機のCMみたいに吸着されていました。駅からは少し遠い立地(徒歩だと20分くらい?)ということもあり、お迎えの車だったのでしょう。他の青年受験者や中年受験者たちがみなバス停へ向かったのとは対照的です。

ところで外車艦隊の中に一台だけプリウスがあり、何かと物議を醸す車ですが、このときだけは遠い異国を旅する最中、ふと寂しい気分が去来したときに見つけた日系人が経営する日本食材店のように見えました。
別に外車が嫌いなわけではないです。強いて言うなら色々な名目で取られる維持費が嫌いなだけです。小学生も好きです(語弊)。

別にどういう小学生がいても構わないのですが、競争ってやつはこんなところから始まってたのか・・・と、試験それ自体よりも遥かに深く印象が刻まれたエピソードなのでした。自分なら同級生と通信ケーブル経由のポケモンバトルやサイクロンマグナムの改造やマリオサーキットのタイムくらいでしか競争をしていない歳で、大人たちと肩を並べて試験を受けるんだから大したものです。むしろ自分はナウいキッズの社交場であった近所のミニ四駆のコースを置いてるプラモ屋で、他校の下級生にナメられてタメ口使われてましたからね(思い出したらムカついてきた)。
田舎の工業高校卒の父と田舎の商業高校卒の母の間に生まれた自分は特に勉強をしろと言われることもなく、空き地の雑草のように伸び放題育ちました。近所の公立小でも塾通いの同級生はいましたが、よりよい教育の機会がどうたらなんてことを考えるわけもなく、あいつら遊べなくて可哀想だなぁとか思っていましたっけ。

で、印象深かったからといって、それで自分が何かを始めたというわけでもなく、内なる変革があったわけでもなく、駅で珍しい電車が停まっているのを見かけたよとかそういうレベルの話なので、長々書いた割にヤマなしオチなし意味なしですかね。
冷静に考えると、当時の小学生たちはすでに成人しており、一部は就職もしているでしょう。勤続10余年で最低賃金の中年フリーターなどよりずっと良いお給料をもらうはずです。いいな〜。

ちなみにこの試験は通過し、二次試験も特に問題なく合格。その後は一級も受けてやろうと勉強を始めたものの、折悪く受験料が値上がりし、懐事情的な都合もあって英検は手仕舞いにしました。自分には客観的な英語力の証明というやつを提出する相手もありませんから、モチベーションがそんなに強くないんですよね。
と言ってもネガティブな撤退ではありません。英検準一級に通過するくらいになれば教材としてデチューンされた英語ではなく、英語話者が英語話者向けに書いたニュース記事などが普通に読めるようになるため、試験を設定せずとも日常生活に英語を取り入れるだけで良くなりました。分からない単語や表現はその都度調べられるし、調べる行為がそれまでの勉強で染み付いているのでスルッと出来るのです。以前は勉強としてやっていたことが、趣味ための情報をより早く、深く得るための手段になりました。めでたしめでたし。

えっ、今の英語力ですか? 聞かないでください。

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