マガジンのカバー画像

エッセイ「Moonstruck Garden」

16
夢の端で生きる今宵のエッセイです。
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

チェレン、ネオチャンピオン実装おめでとう!4年分のスキを語る

普段このnoteでオタクっぽい話はあまりしないことにしているが、大好きなポケットモンスターの最推しキャラであるチェレンについに(ポケモンマスターズEXで)ネオチャンピオン衣装が実装されるということで、あわてて記事を書いている。 ポケモンマスターズEXをプレイしたことがない読者のかたがたには、これがわたしにとってどれほどのことなのか若干わかりづらいと思うが、実はチェレンはイッシュ地方のメインキャラにも関わらずガチャ実装が初めてのキャラクターだ。 同時期に実装されるベルは恒常ガ

Cookie ClickerがSteamでセール中!1300時間以上プレイした筆者が(いまさら)楽しさを語る

クッキークリッカー、買いませんか? 6/3(月)までの一週間限定で、Steam版Cookie Clickerがセール中だ。なんと65%offの182円。 言わずと知れたクッキーをクリックする「だけ」の名作ブラウザゲーだが、Steamでリマスター版がリリースされている いやいや、高いでしょう。なぜクッキークリッカーに金を出そうと思うんだ、と思うあなたは少し待ってほしい。 もしかして艦これが流行ったあのときにクッキーを一瞬触って、それから10年間忘れ去っていただけでは? わ

『休養学―あなたを疲れから救う』を読んで実際に休養してみた

『休養学』を読んで わたしは体質としてとにかく疲れやすい。 感覚過敏をはじめとする発達障害特有のストレス、メンタルのもろもろの不調などで、ふつうの人よりはあきらかに人生を「休養」に費やす必要があった。 SSRIや抗不安薬、睡眠薬にお世話にならないと長年「休養」という概念を体が感じ取ることすらできないほどの状態だったが、ちょうどこの本に書いてあるようなことを1年ほど実践することでかなり体調がよくなってきた(別の記事でも書くが今は断薬のフェーズに入っている)。 この本がほか

映画「関心領域」――誰が目を逸らしているのか?

2023年のカンヌ国際映画賞でグランプリを獲得した「関心領域(原題:"The Zone of Interest")」が24日(金)に公開された。 カンヌ国際映画祭は今年、政治的発信を徹底的に禁止している。 監督はジャミロクワイの「ヴァーチャル・インサニティ」MVなどを手掛けたジョナサン・グレイザー。 映画は全編静的なカメラで展開され、固定された視点を人物がうごいていく「絵画的」と形容してよい画面が続く。 三年間かけて築いた美しい庭園と自然のなかで、多くの子供たちに囲ま

ひとりぼっちふたりへ捧ぐ――「エイリアンズ」と郊外の宇宙

わたしの家族はよく「うた」を贈りあう。 実家に帰ると、父は必ず毎回違うレコードを聴いている。 母は雑談の合間に、必ず「これ聴いてよ」とYouTubeやApple Musicの画面を差し出してきて、わたしにうたを聴かせてくれる。 弟とわたしが音楽談議をすることはまれだが、家族でもっとも音楽にくわしいかれの音楽の影響を、両親ともに濃厚に受けている。 何しろ、バブルの時代に「スティーリー・ダンを知っているのがお互いだけだったから」という理由で、恋に落ちて結婚した両親だ。 この家

性的指向、あるいはアセクシュアルであることについて

この歳になって、ようやく自分の性的指向をはっきり自覚することができた。 私とつきあいがあるほとんどの人は、私のことを異性愛者として認識していたと思う。 何より私自身がそう思い、そう振る舞い、自分の存在をクローゼットに押し込んでいた。 自分のことを男好きな人間だと思っていたし、それはべつにヘテロノーマティヴィティに強制されたものではない、内的感覚によるものだと思っていた。 ただ、その自認に対して苦しまなかった、というのは嘘になる。 「恋愛」というものを知ってから、だれと付き