文系大学院生の日常X「新幹線のやさしさ」
新幹線の自由席は、基本的に始発駅で並んで座るものである。特に、東海道新幹線は下りは品川・上りは京都からでは自由席に座ることは困難を極める。3人掛けの真ん中B席のみだったり、満席ということも普通にあるので、品川・新横浜では指定席をとったほうが無難であると個人的には思う。ただ、私の家からでは東京駅のほうが近いので自由席を利用している。
私は9月20日、のぞみ235号に東京駅から乗車した。2号車20番A席という、一番後ろの窓側をゲットできた。東京駅の発車直前にC席(通路側)に一人来られたが、品川・新横浜で乗車はなく真ん中空き(B席)の状態で新横浜駅を発車した。新大阪行きなので、新横浜の時点でB席に来なければ、基本的に京都まで空きなので快適に利用できることになった。
しかし、反対側D席に新横浜から親子連れが乗車してきた。どうやら幼児のようで膝の上にのせていた。名古屋以遠まで乗車となると最低80分はそのままの姿勢となる。あまり見ていて気分が良いものではないだろう。(不快という意味ではなく苦しそうという意味)
この時にB席は荷物が置いてあるのみだった。私が親子と入れ替われば、母・娘が並んで座ることができる。しかし、荷物は私の物ではないので、隣の乗客を考えると勝手に譲ると申し出ることもなかなか難しく、悶々としたが、声をかけてしまった。
C席の乗客は荷物を後ろに置き、AB席で並んで座ることができた。私はD席に移ったが、20列目なので最後列であることに変わりなく、特に快適性が損なわれるわけではない。むしろ通路側なので車内販売やお手洗いの利用に便利なのでD席のほうが結果的に好都合であった。
乗車中幼児の方はたいへん静かであった。少々騒ぐだろうと思ったが、全くそんなことはなく2時間快適に過ごしていた。もちろん譲って窮屈でないからという見方もできるが、彼女の名誉のためにそうは書かないでおく。
京都駅に到着して下車する際に、少々母の方と会話したのだが、その娘さんは新幹線が大変好きなようで、E6系のマスクをしていたの気づいた。(こういうときに東海道新幹線は選ばれない)その子は大変満足したようで、私を見て笑顔でありがとうと言ってくれた。もちろん母も私に恐縮しっぱなしであった。降りた後、窓からも手を振ってくれて非常に良いことをしたと自画自賛したものだ。
ここで申し上げたいのは、指定席をとるのが当たり前や譲るべきという短絡的なことではない。たまたま、荷物が置いてあったのだから譲れたが、そもそもB席に人が座っていたら当然無理である。すなわち、状況によるので私の真似をしろというのも正しくないし、譲るべきではないというものおかしい。(荷物を置くのは座席である必要はないからだ)状況によってできる範囲で行えばよいという結論である。
さいごになるが、新幹線を好むようになっていただけたら鉄道ファンとしてはありがたい限りである。
2022年9月20日