文系大学院生の日常⑤「以学館のチャイム」
立命館大学産業社会学部の基本棟の以学館のチャイムの音は、おそらく衣笠で唯一電子音である。小中高校と同じ音が毎日なっているわけである。駒澤大学のチャイムは独特の音だったので、初めて聞いたときはなんだか落ち着くような気もした。
ところで、チャイムの音を聞いてどう思うだろうか。私は、学校という場を象徴する音だと思う。6歳の時に聞いた音が23歳になった今でも授業の開始・終了を告げる音として使われていることに少し驚いた。
留学生に、中国の学校のチャイムの音を聞いたことがあるのだが、日本とは違うそうだ。
中学3年生の英語の教科書に、チャイムの音の起源を題材にした課があった。(開隆堂Sunshine)そこを紐解くと、イギリスのウエストミンスターチャイムが起源と書いてあったのを思い出した。小学校・中学校・高校・大学院と同じ電子音のチャイムを聞いてきたのだ。
授業が始まる5分前には教室に行き、IT機器をセットしスクリーンをおろし、教員に「おはようございます」とあいさつし、いつも通りでと言葉を交わす。落ち着き、コーヒーを飲みながらパソコンを開き、ズームをセットする。そうすると、チャイムが鳴り授業が始まる。
変わらない日常がそこにはあるのだが、チャイムが鳴るとなんとなく気が引き締まるような気もする。ZOOMの不具合はないか、教室は寒くないか、私語はないかなど、仕事をするときもあれば、議論を聞きながら眠くなることもあるように思う。そうして、90分が経ちチャイムが鳴り、学食へ走っていく。
変わらない日常の効果音だが、このチャイムが好きなんだと思う。
2023年1月30日