086_ボクはこの日を忘れない~part.7~
3月28日(土)
多分、ボクは酔っていた
けど、
今日は金曜日で、
明日は仕事は休み
そして、
やっと彼女に会えて、
けど、
時間があっという間にすぎて
不完全燃焼で、
ボクは、
タクシーをひろわずに、
コンビニに向かった
コンビニは、
目と鼻の先にある。
お店に行くときは、
必ず、ここでお金を下ろしてから行くのに、
今日、彼女がいると思わず、
寄らずに、お店に行ってしまった。
ボクは手慣れた感じで、
コンビニのATMでお金を下ろし、
さっき彼女が食べたいと言っていた
生ハムを探した。
若干覚束なかった脚も、
コンビニの店内の明るさで、
機敏さが戻った。
生ハムが入った袋を片手に、
お店の戻った。
店の前で、
暇そうに立っていたボーイが、
ボクを見つけると、
「お帰りなさい。早いお戻りで」
と、やや慣れ慣れしさはあったけど、
今のボクには、心地よかった。
ドアが開けられ、
さっき座っていた席に案内された。
カウンターに彼女が立っていて、
戻ってきたボクに気づき、
笑って、ボクのところにやってきた。
「お帰りなさい(笑)」
「ただいま」
「早すぎだね」
「うん、会いたかったから」
「いつもそうだよ」
「そうだね」
「嬉しいよ」
「それはよかった」
「ハイボールにする?」
「うん、よろしく」
彼女が買ってくれたシーバスで、
ハイボールを作ってくれた。
「あ、買ってきたよ」
「何?」
「生ハム」
「(笑)ありがとー」
「お腹空いた?」
「うん、とっても、食べたい」
「食べなよ、俺はお腹いっぱいだから」
「うん!」
美味しそうに食べる彼女を見て、
ボクも嬉しくなった。
「この時間になると、さすがにお客さんも減るね」
「そうだね、こんな時期だしね」
本来なら金曜日の夜だし、
深夜1時でもこの店は混んでる。
お客さんがいないこともあって、
お店は貸し切り状態
彼女の身体を抱き寄せ、
ドレスの隙間から手を入れて、
彼女の胸を揉んだ。
小さいけど、触りたくなる。
彼女のすべてに触れたくて、
彼女を抱きしめた。
この時、酔っていたけど、
ボクの中で、
すぐ近くの未来が見えていたのかもしれない。
だから、
その分も含めて、
彼女の体温を感じるように、
思いきり抱きしめたのかもしれない。
お店を出たのは、朝4時
記憶はほぼない。
ただ楽しく、
幸せな時間だったことしか、
覚えていなかった。