1筆目 紫式部のように
かな書道を始めて、もうすぐ1年。
きっかけは、人生を振り返って見た時にやっておきたかった事の一つに上がったからだ。幼い頃から続けていた書道。好きかどうかも分からないままただ続けていた。
習字教室だったので、創作というよりお手本をいかに真似て書けるかが大切だった。
反抗期に入り、毎週真面目に行くのも面倒くさくなり段々と足を運ばなくなった記憶がある。
段位は取ったものの、創作の楽しさは知らない。
大人になって、かな書道に興味を持った。何て書いてあるのだろう。日本人なのに読めない。やがて変体仮名というものを知り、かな書道の自由さに魅力を感じた。
そうして、見様見真似で書いていたところに大河ドラマ「光る君へ」が始まった。
紫式部役の吉高由里子さんが十二単を着て書く様がとても美しく、私も筆を持っている時間は、平安時代へタイムスリップしたかのような気分になる。
墨をする音、墨の香り、真っ新な和紙に書く1筆目の緊張感。そこから、まるで氷上を滑っているかのように筆先を動かす。この時間がとても楽しい。
また毎月の課題で、季節を感じるとることができる。
今月は、万葉集 藤原朝臣八束
「かすがのに しぐれふるみゆ あすよりは もみぢかざさむ たかまどのやま」
霜月に入り、ようやく寒さを感じ出した今年。紅葉の見頃は今月下旬になりそうだ。
今朝は、公園を散歩した際に銀杏の匂いを感じた。近くに犬がいたのだが、人間の数倍の嗅覚を持つ彼らは、この匂いは大丈夫なのかと少し犬に尋ねてみたかった。