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3Dプリンターでエレキチェロをつくった

チェロはぜんぜん弾けないのだけれど、興味があったのでエレキチェロを作ってみました。本体の材料と弓、アンプ・スピーカー、新しく買った工具を合わせても2万円ほどでできました。

ヤマハのサイレントチェロが20万円、アマゾンの安いものでも6万円ほどするのでかなりお得感があります。

今回は以下の無料の3Dデータを使用しました。

英語の作り方PDFファイル
https://o-cello.com/files/ocello_assembly_instructions.pdf



必要な道具

  • 3Dプリンター: 幅、または高さが20cm以上プリントできるもの

  • インパクトドライバー、電動ドリル:金属の穴あけ、パーツの穴の内径が狭いときにドリルやヤスリで広げるのに使います。

  • 六角レンチ

  • ドライバー

  • 5mmドリルビット

  • 各種ヤスリ

  • 半田ごて

  • インパクトドライバーの延長ビット

  • ロータリーヤスリ 12mm

必要な材料

  • ピエゾ素子:マイクとして使用します。

  • ステンレスパイプ 直径12mm  長さ1000mm:ステンレスなど金属のパイプでも良いと思います。

  • ベース用チューニングペグ:

  • 6.5mmヘッドホンジャック:音の出力に使います。

  • キャップスクリュー M5 30mm  ×2本

  • キャップスクリュー M5 45mm  ×7本

  • ナット M5  ×9個

  • チェロ用エンドピン:元のファイルには直径10mm、長さ45cmアルミチューブとなっていますが本物っぽくしたかったのでこちらを使いました。

  • チェロの弦 4/4セット 普通に買うと弦だけで数万しますが格安のものを使いました。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/348554/

  • チェロの弓 これも普通に買うと安いもので3−4万しますが格安のものを使いました。

  • アルミニウム L字バー, 20x20x2mm, 30cm

  • カーボンファイバー入りPLAフィラメント:ABSでも普通のPLAでも良いようですが、最近使っていてうまくプリントできているのでこちらを使用しました。標準の使用量は1kgですが私はインフィルを多めにしたので1.5kgほど使用しました。

  • タングステンノズル:カーボン入りのフィラメントを使うと真鍮のノズルでは削れてしまうそうなのでこちらの0.4mmに交換しました。

  • ミニギタースピーカー:ジャックに指すだけでスピーカーから音がでます。大きさの割に音もよく、4種類のエフェクトもかけられます。ブルートゥーススピーカーとしても使えますが、演奏の音をブルートゥースで送信することはできません。そのままではイヤフォンに繋げないので自分の用途にあったものを選ぶと良いと思います。

作り方

データのダウンロードとプリント

サイトから3Dデータをダウンロードしてプリントします。スライサーを以下の設定にしてプリントしてみてください。

パーツは大きいもの(最大20cm)が多いので、向きを縦にしたり工夫してプリントしました。プリンターによっては分割してプリントして接着する必要があるかもしれません。サポートはなくてもプリントできると思います。インフィルは15%となっていますが質感の好みに合わせて30%ぐらいでも良いと思います。(フィラメントが多く必要になってやや重くなりますが)

印刷の設定

  • Parts 1 〜 6:
    レイヤー高さ: 0.2mm、インフィル: 15%
    トップとボトムのレイヤー: 4、 内周(Perimeter shells: 3

  • 他のパーツ
    レイヤー高さ: 0.2mm、インフィル: 15%
    トップとボトムのレイヤー: 4、 内周(Perimeter shells): 2

  • カバーレイヤー高さ: 0.2mm、インフィル: 15%
    レイヤー高さ: 0.2mm、インフィル: 100%
    トップとボトムのレイヤー: 6、 内周(Perimeter shells): 2

組み立て


このように組み上がります

part1〜6の部品の中央に直径12mmのパイプを通すのですが、穴の内径が狭くて入らなかったのでロータリーヤスリをインパクトドライバーに取り付けて内径を広げて棒を通しました。

また、半円形の膝当てにアルミをはめる溝があるのですが、溝が狭くて入らないためヤスリで溝を広げて押し入れます。

L字アルミの中央に穴を開けてとりつけます

Part1は内部に弦を通す穴が空いているのですが、穴が狭くてうまく入らないので、細めのドライバーなどで穴を広げて弦を通します。

パーツ同士はネジで繋いでいきます。

Part6にはチューニングキーを付属のネジで取り付けます。

弦の取り付け

弦は4種類あり、左からC、G、D、Aの弦を通していきます。通常のチェロは上にチューニングキーがついていますが、このチェロは下にチューニングキーがあるので上から弦を穴に通していきます。

ナット(出っ張った部分)に弦同士の幅が均等になるようにヤスリで溝をつける

弦の通り道になる

Part6に半円形のブリッジを取り付けます。溝に右側の方が低くなるような向きに取り付けます。ヤスリでうまくハマるように調整してください。


弦を張ったときにA線(一番右)の弦と指板の距離が一番下で5ミリ、C線(一番左)で8mm程度になるようにコマの高さを調整します。ナットと同じように弦がのる溝を均等にヤスリで削ります。コマの上部の厚さは2.6mmほどにします。


チェロの各部名称

ピックアップの接続

こちらのサイトを参考にカバーの裏にピエゾ素子を取り付けます。

ピエゾ素子と6.5mmのジャックを繋ぎます。
コードは雑音が入らないようシールド線がよいので、百均のオーディオケーブルの線などをつかいます。

チューナーアプリでそれぞれの弦をC、G、D、Aの音にあわせます。

ギター用のミニスピーカーを差し込んで雑音がでないかチェックします。ネジが緩んでいたりすると雑音が入ります。

このスピーカーにはイヤホンジャックはついてませんが、分解してスピーカーの端子と3.5mmのメスジャックを並列につないでイヤホンジャックをつけました。

トランスミッターをつけてブルートゥーススピーカーにつなげて見ましたがやはり遅延が目立ってうまくいきませんでした。

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