さすらいの数学者

大学入試数学に関する話題を色々提供します。

さすらいの数学者

大学入試数学に関する話題を色々提供します。

最近の記事

  • 固定された記事

大阪大学整数問題その2

今回も大阪大学整数問題の解説を進めていきたいと思います。 前回の記事はこちらから 今回扱うのはこの問題です。 この問いは大阪大学の問いでは易しい問題であると思われます。というのも、整数と無理数が関係する事実は次に載せるもの程度しかなく、教科書にも必ず載っているからです。 では、この事実を用いて、整数の組を求めてみましょう。 上の事実の形に持っていくためにα^2に次数下げを用いてαの1次式で表したのがよくあるテクニック。案外使いこなせない人が多いので、入

    • この解法正しい?

      今回扱う問はこちら。 何年か前の京大の入試問題です。 数列{a_n}についての情報が不等式しかないのでa_n=0を示すには帰納法を用いるのがわかりやすいでしょう。ただ、不等式の右辺がシグマで表されているので、n=kでの仮定の仕方に注意が必要です。 解答例はこちら。 a_k+1=0を示すために、a_n=0(n≦k)を用いるので、n=1…kに対してa_n=0と仮定しています。 ここまでの仮定をせずに、証明できてしまった人も多いのではないでしょうか?帰納法では、(1)仮定をどこ

      • 徒然なるままにその2

        おもしろきこともなき世をおもしろく住みなすものは心なりけり 高杉晋作が残した句である。 意味としては、面白くない世の中を面白いと感じるかは、自分の心持ち次第であるといったところか。 個人的には数学ができるようになるためのコツとして心持ちだと思っている。 例えば $${(a-b)^3+(b−c)^3+(c-a)^3}$$を因数分解せよ。 という問題は一定の計算力があれば解決することができる。 ここで、もっと簡単にすることはできないのか?や因数分解できる背景に何かあるのではない

        • 徒然なるままにその1

          新年以来の投稿。 今までは解説系の投稿ばかりでしたが、これからは数学に関してふと思ったことを述べていこうかと思ってます。 数学ができるようにとはどういうことだろうか。 できるにも学校の定期考査で高得点をとる、平均点をとれるぐらいできるようになる、赤点をとらない程度にできるようになる。 同じできるでも、立場によって目標とするできるは大きく異なる。 今回は平均点ぐらいをとれるぐらいを目標としている人向けに次の名言の考察をしようと思う。 やってみせ 言って聞かせて させてみせ 

        • 固定された記事

        大阪大学整数問題その2

          2024年

           明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします! 去年はあまり投稿できませんでした…今年はたくさん投稿しようと思います。 新年なので2024にちなんで小町算を作ってみました。 紹介すると、 12×34×5-6+7-8-9=2024 です! 他にもあるかと思いますが見つけられなかったので、ここまで(笑) 見つけた人はコメント欄へお願いします! #数学しよう #小町算 #勉強

          ラマヌジャンの等式

          久しぶりの投稿です。 ラマヌジャンに関して調べることがあり、高校生でも理解できるものがあったので紹介します。 そのため、ラマヌジャンに関する高度なことを示してると思った人は許してください🙇‍♂️ では、今回紹介するラマヌジャンの等式はこちら ザ・ラマヌジャン感のある等式ですね。3乗根の中に3乗根。それが3乗根で表された3数の和と差になっている。 どうやって思い付いたんでしょうね?自分には絶対に無理です(笑) では、気を取り直して証明してみましょう。 ゴリゴリ計算すれば

          ラマヌジャンの等式

          2023年

          明けましておめでとうございます。 本年度もよろしくお願いします。 昨年はあまり投稿できず、今年は頻度を増やしていきたいです。 新年最初は2023年に関して一題作成した問いをあげることにします。  簡単な問題ですが、個人的には答えが気に入っています。 では、今回はここまで。 #高校数学 #数学しよう #大学入試

          京都大学2019年第一問問1解説

          前回の記事はこちらから 今回、扱う問題はこちら❗ 三角関数と有理数・無理数の融合問題です。 問題文を読んだ限り、初手が見えにくい問題となっています。ただ、cosθが無理数が条件として目立っていて、cosθ=有理数という関係式から矛盾を導くのではないのかと想定されます。 それでは、この矛盾を導くためにcosθとcos2θ、cosθとcos3θの関係性をまとめておきます。 では、上記のまとめたことからcosθが無理数であることを活用できるのかというと難しいです。というのも

          京都大学2019年第一問問1解説

          京都大学2018年整数問題解説

          前回の記事はこちらから 今回扱う問題はこちら  京都大学2018年の入試問題です。 問題文を読む限り、多項式と素数がポイントとなりそうです。 多項式と素数から考えられるアプローチを挙げると次の2つが考えられます。 1.与えられ多項式にいくつか整数を代入し、その結果から数の構造を把握し素数を特定する。 2.多項式を因数分解し、因数が1または-1に等しくなることを利用する。 パッと見る限り因数分解は難しそうなのでいくつか整数を代入し、構造を把握することから始めていきます

          京都大学2018年整数問題解説

          京都大学2016年整数問題解説

          前回の記事はこちらから 今回扱う問題はこちら。 2016年に出題された京都大学の整数問題です。 一目見て、避けたくなる問題と感じた人が多いのではないでしょうか。というのも、指数部分に未知数が入っているため整数問題(特に素数に関する問題)でお馴染みの 因数分解 → 因数の片割れが1または-1となる を用いることができません。 また、実験をしようにも、素数の未知数が2つあるので、実験から一般化することも難しそうです。 では、お手上げなのかというとそんなことはありません。入試

          京都大学2016年整数問題解説

          京都大学2022年入試

          前回の解説はこちら https://note.com/larmelarmelarme/n/n8277bdae52c8 今回は京都大学の整数問題の解説をしていきます。 問題はこちら 与えられた3つの正の整数の最大公約数を求める問題となっています。 方針が見えづらく、実験をしてみたくなるところですが、n^6のせいで、実験をするのもままなりません。そこで、最大公約数をどのように求めたか思い出しましょう。高校の教科書では最大公約数を ・素因数分解を通して求める ・ユークリッドの

          京都大学2022年入試

          九州大学入試問題解説2022理系

          新学期が始まりました。 今年度もがんばって投稿していきます。 今年の入試問題を少し目を通して見ると、なかなか面白い整数問題がいくつかありました。 一例としては、京都大学や東京工業大学です。京大の問題は実験では法則性を見抜くのが難しかったり、東工大の問題は解答の方向性がそもそも見えにくかったりしています。 今回このnoteで取り上げるのは九州大学の入試問題です。比較的難しい問題なのですが、解答自体は教科書の応用例題程度の知識で何とかなる教育的な問題となっています。 では、問題

          九州大学入試問題解説2022理系

          共通テスト数学ⅠA整数単元解説

          久々の投稿 今回は平均点が低すぎる共通テスト数学ⅠAの解説(整数単元)を行っていきます。 まずは問題から ざっと一瞥すると答えが五桁になるところが目新しそう‼️ ということは、計算間違いを狙ってる感じ❓❓ では、早速解いていきましょう‼️ まずは(1)のア、イ、ウから これは、簡単。5^4を2^4で素直に割ってしまえばよいだけです。実際に計算してみると となって、不定方程式と見比べると、x=1.y=39がひとつの整数解の組となることがわかります。しかも、ありがた

          共通テスト数学ⅠA整数単元解説

          京都大学入試問題解説2012文系

          前回の記事はこちらから 今回から京都大学の入試問題の解説を行っていきます。 第1回の問題はこちら 2012年の文系からの出題です。 点の存在範囲と三角関数の融合問題であり、受験生が苦手としているところであるかと思います。 本問では三角方程式の解が一個であり、その解が0より大きくてπ未満であることに注目して、三角方程式を解くという方針でいってみます。 では、実際に解いているところを載せます。 cosの係数が一致しているので、和積公式を使うのがわかり

          京都大学入試問題解説2012文系

          大阪大学整数問題その3

          前回のノートはこちらから 今回扱う問題はこちら 存在しないことを示す問題です……ないものはないで、すますことができたらどれだけ嬉しいのかと思ってしまう問題ですね。 そんなことに気を取られず、早速解説に入っていきます。 問題文から次の事を考えられなかったら、受験生としてはよろしくありません。 3つの頂点がすべて有理点である 正三角形存在すると仮定するないことを論理的に説明するのですから、あると仮定して矛盾を導く、これが妥当な方法であり唯一の手段です。

          大阪大学整数問題その3

          近所にできた唐揚げやさん。 大きくて、味もしっかりしていて、柔らかくて、美味しい‼️

          近所にできた唐揚げやさん。 大きくて、味もしっかりしていて、柔らかくて、美味しい‼️