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メンタル・クライシスは、実は身近にあるかもしれない!?


非常事態宣言明けから1ヶ月が経ち、梅雨も真っ只中な今。

ネットなどで『メンタル』に関連する話題をよく見かけるようになった気がします。気のせいでしょうか?

実はメンタル・クライシス(メンタルの危機)が案外身近に迫ってるんじゃないかと思い、このnoteを書いています。

内容は主にWeeklyOchiai 5月6日の回「メンタルクライシス」を基に書いています。

とても勉強になった回なのでシェアしたいと思います。


『WeeklyOchiai メンタルクライシス』

(WeeklyOchiaiには他にもたくさんシェアしてしたい回があってnoteに書いていきたいと思ってますが手がまわってません。泣)

(本編は有料会員でないと全て見れないのですが、十分に元は取れるコンテンツだと思いますのでオススメです。回し者ではありません。笑)


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Withコロナの世界に適応できているのか?適応したと思い込んでいるだけなのか?


今日(2020/06/30)現在、東京はコロナ感染者数がじわじわ伸びてきて予断を許さない状態になっていますが、

それでも緊急事態宣言が解除され社会も動き出して、コロナの不安を抱えながらの日常は動き続けています。

みなさまは、この新しい日常に適応できているでしょうか?

それは本当に適応なのでしょうか?

それとも、本当はストレスがかかっているのに無視し続けていないでしょうか?


ここからは上記の『WeeklyOchiai メンタルクライシス』から、シェアしたい内容を書きます。



ストレスを受けた場合の適応には3段階がある


ゲストの櫻本真理氏がご自身のツイッターでイラスト入りで上げていた『ハンス・セリエのストレス理論』を番組の中でも説明されました。

『ハンス・セリエのストレス理論』


・ストレスが起こった時が『第1期:警告反応期』

ストレスに晒された反応として身体に不調を起こす。
その後、防衛反応としてアドレナリン等が分泌されストレスに対する抵抗力を得る。


・ストレッサーに対して抵抗力を増す時期『第2期:抵抗期』

ストレスに対しての抵抗力が増している段階。
言い換えれば「仮の元気、カラ元気」な状態。

この期間に適応できてストレスだったものがストレスじゃなくなる=適応するとリカバリーができる。
適応できないと次の疲憊(ひはい)期に入る。


・ストレスとしてかかっているのに無視し続けると『第3期:疲憊(ひはい)期』

一旦消えた警告反応期の症状が再び現れてしまう状態。
この状態を無視し続けると病気として発症してしまう。


こうやってメンタルは病んでいくんですね。。。



疲労が蓄積が2段階になると回復も2倍に、3段階になると3倍も時間がかかる


メンタルの変調の時間推移を、元自衛隊で精神的ケアやストレスコントロールの指導をしていた下園壮太氏が【疲労蓄積の3段階】という理論で説明されていました。

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引用:最高の仕事の休み方とは? 元自衛隊メンタル教官・下園壮太さんに聞く「休む仕事術」
https://04510.jp/times/articles/-/10557?page=1


心に余裕があり体力がある時ならなんでもない日常的なストレスでも、
心に余裕がなく体力がない時にはダメージが大きくなり回復も遅くなる。

全く同じ、しかも全く日常的なストレスであっても疲労蓄積の度合いによって受けるダメージが変わってしまうんですね。

回復が遅くなっている中で同様なストレス(日常的なものであっても)がかかる。→同じストレスなのにダメージが深くなり、ますます回復に時間がかかる。
→その次に同じストレスへの抵抗力が下がり、ますますダメージが深くなる。
→ (くり返し)

という悪循環に陥ってしまうとのことです。

単純に「何が起こった」だけではなく、その人の今の状況も考慮する必要があるんですね。


ストレスがかかると、当たり前の行動ができなくなってしまう脳の機能がある


脳科学のプロである青砥瑞人氏による脳の機能的な話は、大森個人的にとても参考になりました。

ストレス自体は悪いものではない。生命を維持するために必要な機能。
ただし、垂れ流していると鬱にもなるし、死にもつながる。


実際に脳では、ストレスが過剰になると使われる部位が全く異なってくるそうです。

科学誌「nature」で発表された図で、過剰なストレス下では脳の反応が全く異なることが説明されます。

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引用:Stress signalling pathways that impair prefrontal cortex structure and function / Amy F. T. Arnsten
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2907136/


過剰なストレス下では人間が認識を行なっている『前頭前野の統制』が全く使われなくなるそうです。

『意識的な注意・思考をもたらす部位』や『不適切な行動を抑制する部位』の機能が働かなくなってしまう。

「緊張で頭が真っ白になった」というのは実際に脳の中で起こっている反応なんですね。

普段の行動では考えられないような行動を導いてしまうのが過剰ストレス状態。

典型的な例が「自殺」。

そうならないために、まずはこういう脳の機能があることを知識として知ることは本当に大事。


「心理的な安全状態」をひとりひとりがつくる・身につけること、
また家族・社会・組織・コミュニティの中で形成していくこと、
それらの大切さを教育の中に取り入れること、

これらが必要だと言っていましたが、まさにそうだと思いました。



共感だけではダメ。人によりストレスのかかり方は人それぞれである。


「もし自分だったら」という考え方は、共感をするためによく言われることですが、実はその発想は時に他者を攻撃してしまうこともあるそうです。

どういうことでしょうか?

・ある人は自分を想像して「コロナが怖い」と思う。
・ある人は自分を想像して「コロナが怖くない」と思う。

同じ「もし自分だったら」から得られる思考なのに真反対になることもある。

「自分は我慢してる」→「あの人は我慢してない」

このように自分を基準にし過ぎると他者を攻撃してしまいます。


また、不安とは相対的なものなので、今の自分の状態にかかわらず「あの人の方が…」と思うことがあると、人はそれだけで不安になってしまうものだそうです。


だから「あの人は自分より不安がない」と思ったとしても、

その人はその人なりの不安を待っている。

という前提で接することが大事だということです。



メンタルヘルスのアウェアネス(気づき)を高める

では、ハンス・セリエ理論の【疲憊期】にならないために、また【疲労蓄積の3段階目】に至らないために、具体的にどうすれば良いのでしょうか?


櫻本氏は、自分にはストレスがかかっているのであると気づく=アウェアネスが大切だと言っています。

普通、自分自身のメンタルには気づきにくいものです

あるいはメンタルの不調を「認めたくない」という心理もあると思います。

強者の社会において「自分の弱さを他者に見せたくない」という心理は多くの人が持ってしまう時代だと櫻本氏も述べています。

だからこそ櫻本氏は、自分自身に意識を向けて『定点観測』することが有効だと言っています。

・心理的に現れなくても身体的・行動的な変化が現れている
 →例えば、辛いものを食べたくなる、身体が痛い、など


そういう意味で、ヨガや瞑想はたしかにメンタルヘルスに効果的なんですね。

【備忘録】

ハンス・セリエ(Hans Selye,ハンガリー語: Selye János, 1907年1月26日 - 1982年10月16日)は、ハンガリー系カナダ人の生理学者。ストレス学説を唱え、ストレッサーの生体反応を明らかにした。[Wikipediaより]

「ハンス・セリエのストレス理論」の3段階と下園氏の「疲労蓄積の3段階」が近しい内容なので、番組を見ていて混同しやすいと思いましたが、同じ様な研究をすれば同じような結果になるということなんでしょうかね。


とにかく寝ること。そして、楽しむこと!


下園氏曰く、身体的な自信を持つことがストレスに強くするそうです。

だからまずは疲労を溜めないために「とにかく寝ることが大事」と言っていました。

そして、楽しむこと。

社会的に不安が多い時は、楽しむこと自体に罪悪感を感じやすいですが、

下園氏は第3段階になった人の回復のために『楽しむこと』の重要性を語っています。

青砥氏も楽しむことは脳内でドーパミンが分泌され、ストレスホルモンのコルチゾールを抑制することを説明しています。


ここで突然、手前味噌ですが、
身体的な健康を考えるのであれば、やはりフィットネスが果たす役割は大きいと思います。

・体力をつける
・汗をかいて心身のリフレッシュをする
・代謝を上げて酸素と栄養を体内に循環させ回復力を高める


フィットネスの持つソリューションはメンタル・クライシスに立ち向かい、そして立ち直る力になり得ますね。
大森自身、フィットネス業界の一員として、みなさまの身体だけでなくメンタルヘルスにも貢献できるように頑張りたいと思います。



【まとめ】今のメンタルストレスを甘く見ないほうが良い→まずは認識すること→定点観測


まとめます。

冒頭にも書きましたが、そもそも低気圧に覆われている梅雨の時期は気持ちが沈みがちです。

人間は生き物ですから、身体の反応として環境の影響を受けざるを得ません。

そこにコロナが重なっている現在は下園氏が言うように『今のメンタルストレスを甘く見ないほうが良い』という状況だと思います。

だれにでもストレス要因は存在します。
いつ、どんなタイミングでメンタルに不調をきたすかなんて、誰にも分かりません。

今はそういう時代だと認識することが大事だと思います。

そして『定点観測』をしましょう。


専門的な知識がなくても、もし心配な人がいたら「大丈夫?」声をかけたら良いと思います。

大丈夫であれば大丈夫でいいし、
大丈夫じゃなかったら一緒に解決策を探せばいいし(寄り添うだけでも)、
もしかしたら強がって「大丈夫!」と言うかも知れなくても、
周りのみんなが「大丈夫?」の気持ちがあれば強がりも和らぐと思いますし、
みんなからのサポートでその人は救われるかも知れません。


ソーシャルディスタンスが謳われている今だからこそ、コミュニケーションの大切さを実感しませんか?

メンタルストレスの認識をひとりひとりが持つことが、自分を含めみんなのストレスの緩和につながるのではないでしょうか。


非常事態宣言が明けて職場に戻ってみたものの以前とは確実に環境が変わった6月。
それからひと月が経つ今だからこそ、あらためてメンタルストレスが気になります。


長文になってしまいましたが、このnoteが自分や身の周りの人の気づきにくいメンタルストレスの発見のキッカケになれば幸いです。


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というわけで、ぜひ本編をご覧になって下さい!


放送時点でWeeklyOchiai最長の100分超えとなる回でしたので、非常にたくさんの学びと気づきが得られる内容です。

大森のnoteでは書き切れないですが、もしこのnoteで少しでも興味を持って頂けた人がいらっしゃるのなら、
初回登録1週間は無料らしいのでぜひユーザー登録して本編をご覧いただくことをお勧めします。(アフィリエイトではありませんのでご安心?を)


落合陽一氏の言葉で表すところの『手触り感』のある話が聞けてとても興味深かったですし、

この番組を見ておくだけでも近い将来自分に降りかかるかも知れないストレスに対しての対応ができる気がします。

少なくとも「がんばる」ではなく「休む」という選択肢を選ぶ『覚悟』ができそうです。


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最後に、最近よく目にする気になるメンタル系の本や動画をご紹介します。



☆ご存知「筋肉社長」のメンタル本:『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

大森は読んでませんが(爆)、この本を読まずともこの方のTwitterを見ているだけでメンタルストレスが緩和されると思います。



☆オリラジ中田敦彦氏が紹介する「繊細さん」の本

中田氏本人は「非繊細さん」と言っているので、逆に「非繊細さん」の気持ちを知れる良い動画だと思います。



☆イチロー選手のメンタル

強い人なので参考にならないかも知れませんが「こういう人もいる」という参考にはなるかなと思いました。



☆占いに頼りたい方は「しいたけ占い」

占いは都合の良いところを受け取るにかぎると思っていますが、この「しいたけ」さんの語り口は無理がなく現実的で個人的に好感を持ってます。
大森は自分自身をもうひとりの自分が客観的に見ることでメンタルヘルスを保ってる感じがするので、そういう意味で双子座っぽいので、占いを都合よく活用しているところもあります。


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本文含め、何か参考になれば幸いです。

最後までご覧頂きありがとうございました。(^-^)



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大森タケシ🍀 人生100年時代の身体と思考づくり
アスリートでもなく、マッチョでもない、一般人視点って大事だと思うんです。 なかなか運動の第一歩を踏み出せない人に、身体、筋トレ、ヨガ、その他フィットネス界隈のことについて、日々の気づきをシェアすることで、何かしらのヒントやキッカケになれば幸いです。