セクシー過ぎる下着を買ってしまった
ひっくり返るぐらいセクシーな下着を買った。
いや、見せませんよ?ここでは見せませんよ?
それはもちろん、20代の頃は、セクシーな下着を着ていた。
上下揃えて、下着専門店できちんとした下着を着ていた。
それが女性としてのたしなみだと思っていた。
しかし、結婚し子どもが生まれ、授乳する時期となると、下着は授乳用のブラに変わる。
しょうがない。
子どもが赤ちゃんの頃は、自分のことを女性だと思っておらず、常に「お母さん」という感覚だった。
だから自分のことは後回しで、下着もなるべく胸が締め付けられないようなものを着用していたし、おっぱいがいつでも出せるように、着心地優先で下着を選んでいた。
授乳が終わってもすぐに2人目を妊娠したので、授乳は終わっていたが、そのまま授乳ブラををつけっぱなしで妊娠期を過ごした。
胸のあたりの締め付けがすごいと、気分が悪くなってしまったので、ゆとりのある授乳ブラは妊娠期にもとても役に立った。
そして2人の出産を終え、授乳も終えて、すっかり私は楽な方向に流れてしまっていた。
やっぱり胸は締め付けがなく着心地が良いものがいいなと思い、セクシーな下着はもうつけなくなってしまった。
ブラとパンツは柄がバラバラだったし。
でも誰も見る人なんていないから・・・と特に気にも留めていなかった。
しかしである。
この間、昔の写真を整理していたときに、自分の写真を何枚も見つけた。
その時に思った。
「あれ?昔の私って、ちゃんと可愛かったな」と。
もちろん写真には写っていないけど、この頃はきちんとセクシーな下着を上下揃えて着ていた時期だったんだろうな・・・と遠き日を思った。
子どもが生まれる前は、ちゃんとこうやって自分を可愛くすることに一生懸命だったよな。
いつの間に私は、子ども中心の生活になってしまったんだろう。
そういえば最近、子どもに手がかかることも少なくなってきた。
上の子は小学校1年生。
まだまだ可愛い盛りだけれど、赤ちゃんの頃に比べたら、不必要に泣きわめくこともなくなったし、外出しても一生懸命自分の足で歩くし、ご飯は1人で食べれるし、寝かしつけだってしなくても勝手に寝てくれるようになった。
赤ちゃんの頃に比べれば、随分と大きくなったものだ。
そうか。
このタイミングで、そろそろセクシーな自分を取り戻しても良いのではないか?
あの頃の可愛い自分を取り戻しても良いのではないだろうか!?
じわじわとそう感じたのだ。
そしてこの間ショッピングモールに用事があって出かけたときに、たまたま目に入った下着専門店。
私は思わず立ち止まり、足を踏み入れた。
あぁ懐かしい。
そういえば昔は「どの柄を買おうかな」なんてすごい心を弾ませながら、お店の中を歩いていたっけ。
もちろん男のために、という気持ちもあったけれど、それは女としてのマナーというか何というか(笑)
自分が可愛くなるために、自分のために選んでいた気持ちが一番だった。
久しぶりに手に取る。
わ、かわいい。
やっぱり下着ってかわいいとテンションが上がるよなぁ。
誰も見てないし自分しかわからない事実だけど。
でもやっぱり可愛い下着をつけるって気分が上がるよなぁ。
すっかり着心地優先の無地の色気のない下着を着続けていた私が、久しぶりに心ときめいた瞬間だった。
産後しばらく胸が無法地帯だったので(言い方よ)、しっかりと店員さんにサイズを測ってもらい試着をした。
そして気づけばセクシーな下着が入った袋を手から下げていた。
しかし、家に持ち帰って見てみると、ひっくり返るぐらいセクシーな下着を買ってしまったと思った。
いや、下着専門店で見た時は、たくさんの下着の中の1つだったので、かわいいという気持ちはあったものの、そこまでセクシーな感じには見えなかったが、家で見てみると、なかなかセクシーである。
しかし、次の日に着てみると、やっぱりかわいい。
久しぶりに無法地帯だった胸が持ち上がった感じがして、気持ちも引き締まった気がする。
やっぱりいくつになっても、こういう自分の気分が上がるものをつけるって大事なことなんだなと感じた。
自分の胸よ、しばらくすまなかったぜ。
これからもっと大事にしてあげようと思ったのである。