見出し画像

30代後半からの、IT業界挑戦記 ⑱ 平凡な一日

2024年が、あと数時間で終わりを告げる。
私にとって、今年は良い年だったのだろうか。


※今回はIT関連の話は出てきません。


今年の大半は、特別養護老人ホームにて、稼働率がガタ落ちの状態からどうにか持たせる為に奮闘した。

2月に起きた、コロナクラスター発生。その影響で営業活動も出来ず、入居させる事も出来ず、調査にも行けず、歯がゆい思いをしていた。そしてその直後、2か月の間に15名近い退居者が出た。それでも私は諦めなかった。

自分の在職中に、絶対に満床が見える状態までもっていく。

その為に必死に動いた半年間だったと思う。

居宅のケアマネージャーさんへ声をかけ、問い合わせがあれば即日動き、ひたすら関係性構築に奔走。年4回の広報誌も、異常なまでに3色に拘る担当を説得し、カラー印刷へ移行。それに伴い内容も一新。完成した広報誌と、施設の待機者情報を嘘偽りなく記載した資料+申込書を同封し、地域+近隣市にある全ての居宅事業所へ一斉に郵送。

地域との繋がりを確たる物とする為に、地域の集まりへ顔を出し、社会福祉協議会主催の地域会議にも積極的に顔を出して名前を売った。自分たちが出来ることは、出来る限りやった。

面会を制限する事は、入居者の寿命を縮めるだけで感染対策には一切ならないと主張(感染者が出た際の感染源は大体受診か職員からの感染だった)し、他職員、および施設長の理解を得る事に成功、面会制限を撤廃した。

それまで止めていたイベント事も再開。機能訓練指導員の協力を得て、運動力の高い入居者向けの体操クラブを設立して健康機能の維持向上を図った。

その後、小学校からのコンタクトが来て小学生との交流会を再開できたり、中学校からも実習受入の問い合わせが来たり等、徐々に活気が戻ってきた。

毎月2~3床の退去は続いていたが、毎月3~5床の受入を継続し、確実に満床に出来る状況にまでなった。途中で退去が出る事も想定して、それでも満床を達成できるだけの待機者を獲得する事ができた。

しかし、そんな私に向けられたのは、労いの言葉ではなく批判だった
私は稼働率を上げられない相談員という評価を受けていたそうだ。

そもそも、地域に存在する全ての要介護者の人数に対し、受入可能な居室数が地域に何床あるのか分析した結果、私がいた地域の要介護者数と、受入可能なベッドの数はほぼイコールで、待機など存在していなかった。箱の方が多かった。

更に、数年間の厚労省が公表している地域の住民数データを分析すると、担当地域の要介護者数は減少傾向にあり、待機者数が増えない理由は明確にあった。その為、改革を進めない限り稼働は上がらない、と施設長へ直談判し、宣伝方法の確立や営業活動の提案、ターゲット層の変更や活動地域の絞り込み、活動時間確保の為、生産性向上の施策立案等戦略を立てて対策を講じていたのだが、そんな話は全く経営者には届いていないようだった。

それどころか、職員数を理由にして(人員配置基準は満たしていた)、入所受入を進めていた私を批判し、受入を無理やり止めさせた
その結果、3月の大量退去に対応できず、稼働率80台までの大幅低下を引き起こした。その指示を棚に上げ、全て私の動きが悪いから80台で低迷しているのだといわれのない非難を浴びせかけられた。自分たちの指示が招いた結果だというのに。そして、私は転職を決意した。

まあ結果だけ見たら私の在籍期間中に、100%を達成した月はなかった。それに、大幅に稼働を落とした時期に即時回復を行えなかったという事実もある。理解はしていたが、納得はいかなかった。これまでも度々やる気を削がれる事があったが、限界を迎えた。それから、自分のキャリアを見直すようになったという訳だ。

しかし、この半年間に全力でやってきた事は無駄にならなかった。
私の活動が、別の形で評価されたのだ。
社会福祉士会の研修企画委員より、体験談を語ってほしい、とオファーが来た。IT業界に行く事になっていてそれでも良いのか確認したが、その経緯も含めて話をしてほしいという事だった。

私の経験談が、少しでも他の生活相談員、いや、社会福祉士の皆様の役に立つのであればと、快諾した。ただ、前の職場に名前を出していいかの許諾を確認すると、名前は出さないでほしいという事なので名前は伏せる事になった。本当に稼働率上げる気あるんだろうか。まあいいけど。

という事で、2月に私は人前に立ち、これまでに特養の相談員として、1社会福祉士として行ってきた活動内容の実践報告をすることになった。チラシには私のフルネームががっつり乗っているので、身バレ防止のためにここで公表はしない。

目標を掲げ、それに対して全力で向き合い、努力し、活動を続けていけば、きっと誰かが見ていてくれる。誰かが分かってくれる。それを実感できたエピソードだったと思う。

さて、そんな私の今年の漢字は…「転」。
「転職」でもあり「転機」でもあり、「転落」でもあり…様々な「転」が私を待っていた。

来年の抱負は、「両立」。
育児も、勉強も、仕事も、目標も、社会福祉士会の活動も、リーダー業も…全てを両立する為に、ひたすら考え抜いて、活動する1年としたい。

来年は取捨選択が重要な1年となるだろう。
何を捨て、何を得るか。

それでは、皆様。
良いお年をお迎えください。お過ごしください??お迎えください???
んんんんんんもうどっちでもいいか!

とにかく、よいお年を!!

いいなと思ったら応援しよう!