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ナメてました。オーディオブック。
Audibleでオーディオブックを聞くようになって2か月ほど経った。
聞く前はピンと来なかったし、正直「いや、別に本が音になってなくてえぇて…」と思っていた。
本が好きなのでなおさら聞くという形式に疑問を感じていたのである。
ある時読んでいた本に「オーディオブックなら歩いているときでも勉強ができる」とかそんな感じの記載があった。
「あーなるほど…人文書とか啓発書とかハウツー本とかなら確かにいいかも」
今までスルーしてたけど、そういえば経験者の評判は良い気がする。
ちょうどわたしに勉強ブームが来ていたタイミングでもあり、AmazonのAudibleが偶然3か月無料キャンペーンをしていたので試してみようという気持ちで始めたのだが「これで月額1500円て安すぎんか??」というのが正直な感想だ。
思いのほか良かったのでどこがどう良かったのか、感じる欠点も含めて書き起こしたいと思う。
利点
移動中に本が読める。
電車は必ずしも座れないし、吊革につかまりながら読むガッツは学生時代で使い果たした。
満員電車に耐えている時に聞くのはかなり気が紛れる。
普段2駅歩いて電車に乗るのだが、歩いている時間が暇じゃなくなるので「もう一駅ぶん歩こうかな」と歩行距離が延びる。
耳だけ空いていれば本が読めるというのは、他のストレスからの解放かもしれない。
難しい本でも音なら聞ける。
読書には読書筋が必要だ。読書筋の如何で読める本の多少が決まる。
わたしはあまり難しい本を読んでこなかったので、それほど筋力は無いのだがオーディオブックなら実力以上の本を読める。多分わたしの認知能力が聴覚優位なんだと思う。
これを理解したのは「超訳 アドラーの言葉」(岩井 俊憲 著)を聞いた時だ。
オーディオブックは聞き手の理解度を無視して先に進む。
文字を追っていると起こる「え、今のどういうこと?」と、立ち止まって進まなくなる現象は起こらない。
諦めて聞き進めているうちにまた理解できる部分が出てくる。
強制的に流し読みさせられるのだ。
わたしにはすべてを理解できる下地が無いのだからこれで良いのだと腑に落ちて、文字の本でもそれができるようになった。(まだ立ち止まる時もあるけど)
読んでみたいけど読み切る自信がない本こそオーディオブックの出番だろう。
どうしても全部理解したければ繰り返し聞けば良いし、気に入ったなら文字の本を買っても良いのだ。
有名書籍が定額聞き放題。
こんな有名な本が追加料金なしで聞けるの!?とわたしは非常に興奮したのでいくつか列挙する。
ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史」上下巻
ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」上下巻
安宅 和人「イシューから始めよ」
どれも買ったら2000円くらいする。
Audibleの月額は1500円。
もし、上記5冊をひと月に聞いたら10000円-1500円=8500円で実質約8500円も得をするようなものだ。
実質お得というのはオタクの過剰表現ではあるが、そのくらい感動したのである。
定額なので「ちょっと興味あるけど買うのもな~」という時に試せる。
アニメ化作品ではアニメのキャストが読んでいることも。
オーディオブック化の順番にもよると思うが、アニメ化している作品だと主人公が全キャラと地の文を一人で読んでいたりする。
体感だが、特にラノベに顕著な傾向だ。
例えば『転生したらスライムだった件』では主人公のリムル役の、『本好きの下剋上』では主人公のマイン役の声優さんが全文を読み上げる。
全キャラ同じ声って微妙では? と思うかもしれないが、会話しているキャラクターが少女だろうがマッチョなオジサマだろうがドラゴンだろうが演じ分けるプロの技に驚く。
これについては経験しないと分からないと思うが、どういう訳か同じ人の声なのに男性にも女性にもモンスターにも機械音声にも聞こえるのだ。
アニメ版を知っていると一瞬「あれ? 敵キャラは本人連れて来た?」というような勘違いをする。
モノマネどころではない。こういうのを憑依と呼ぶのだと思う。
これはAudibleじゃなくても良いから経験してみてほしい。
ドラマCDとはまた違う演技の妙を体験できる。
欠点
マークできない。
付箋を付けるなどの作業ができないので振り返りにくい。
メモの進捗に寄らず勝手に進んでしまうので読書メモは取りずらいし、まとめ作業をする場合にもやや面倒だ。
知らない単語を調べにくい。
知らない熟語が出てきても漢字がわからず調べるのが難しい。日本語には同音異義語が多いのでわからない時は本当にわからない。
さらに小説だと造語の場合があるので尚更分かりにくい。
読み手との相性。
声優さんやアナウンサーさん等、読むプロの場合は問題ないのだが、必ずしもそうでは無い。
たまにイントネーションおかしくない?とか、その単語の読み方あってる?とか、著者本人(素人)が読んでいる(しゃべっている)場合がある。
好みの問題ではあるが、著者本人の場合はポッドキャストを聴いていると思い込むことにしているが、コレジャナイ感は拭えない。
作る側の音声データの販売方法の一つとしては理解するけども、ブックではない。
時間がかかる。
わたしは基本的に1.5倍速(Audibleは最大設定は2倍速)で聞いているのであまり気にならないが、1倍速で役者の演技を堪能したい場合は1冊で10時間以上かかることもよくある。
その時間をかける価値はあると思っているが、時間がかかることは事実だ。
文語での読み上げ。
本格的に本を読めない人が「文語ではなく口語(しゃべり言葉)じゃないと内容が入ってこない」と言っていたのを聞いたことがある。
自分のレベルより高い難易度の本でも聞けるオーディオブックだが、内容は基本的にそのままなので当然文語体だ。だれでもござれ! とはいかないようだ。
おわりに
オーディオブックを聞くのは読書なのか
オーディオブックの有用さを主張するわたしだが、これが読書なのかと聞かれても正直わからない。
「読書体験」に何を求めているかによると思う。
知識を得たいなら、拾い読みをしたいなら、オーディオブックは十分期待に応えてくれるだろう。
本の装丁デザイン、遊び紙の選択、スピン(栞紐)の素材や色から出版に関わった人々に思いをはせることも含めて「読書」と呼ぶならオーディオブックは向かない。
オーディオブックはオーディオブック。新しい本の形であって、今までの本ではない。
手段は違うがどちらも本の世界へ連れて行ってくれる。
知っているアニメ原作を出演者の声で聞く場合は、その作品の新しい世界を見せてくれるし、自分の読書レベル以上の本を経験させてくれる。
オーディオブックを初めて聞いてから、通勤中に聞かない日はない。
今回はAudibleをお薦めしているが、audiobook.jpでもなんでもいいから一度プロが読み上げる読書世界を経験してみて欲しい。
ただ一つ困っているのは「読んだ」と言うべきか「聞いた」というべきか問題だが、とりあえず会話の場面ではスムーズになるように「みた」ということにしている。
だれか正解を知っていたら教えて欲しい。
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