【諸行無常】いつから洋画の人気は落ちてしまったのか
皆さん、映画はお好きでしょうか。色々な作品を鑑賞している私ですが、
近年邦画と比べて洋画の人気が落ちてきているという話を耳にします。はたしてそれは本当なのかを調査しました!
・【結論】2008年ごろから洋画の人気は落ちてきてしまっている!!
以下のサイトの数字を参考に、BIツールのTableauを使って、邦画と洋画の公開本数のグラフを作成しました。
グラフ1:洋画と邦画の公開本数推移
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これを見ると、2006年で1度洋画の公開本数を邦画が抜いて、2008年の公開本数からはほぼ常に邦画の公開本数の方が多くなっており、これ以降は2020年を除いたすべての年で邦画が洋画の公開本数を上回っています。
さらに同サイトを参考に、興行収入の推移を現したグラフが以下です。
グラフ2:洋画と邦画の興行収入推移
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こちらを見るとさらに顕著に、洋画の人気が落ちてしまっているのがわかります。2005年までは洋画の興行収入がとても高く、2006年、2007年はほぼ僅差になり、2008年からはずっと邦画の興行収入の方が高く、2020年以降はさらに洋画の興行収入が落ち込んでしまっています。
・2006年~2008年ごろの上映作品に着目
同サイトから、各年の興行収入10億円以上の作品をグラフ化しました。
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2006年は興行収入と公開本数ともに邦画が勝った年ですが、表1を参照するとそもそも興行収入10億円以上の作品数が、邦画は28作品、洋画は22作品でした。実は2006年より前の年では洋画の方が興行収入10億円以上の作品数が多いのです。しかし、なぜかこの年以降には興行収入10億円以上の作品数は常に邦画の方が多いのです。
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左:各年 中央:洋画 右:邦画
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2006年、2007年それぞれの洋画の興行収入ランキングを見ると、どちらも1位の作品は興行収入100億円を超えています。なので、たとえ洋画の方が興行収入10億円以上の作品数が少なくても、100億円越えの作品があるため、洋画の人気が落ちたわけでは無いように見えます。
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そして2008年、この年は邦画では「崖の上のポニョ」の155億円の大ヒットしている一方、洋画は1位の「インディージョーンズ クリスタルスカルの王国」でも57億円という不調に悩まされています。
邦画は表1の通り、毎年しっかりと興行収入10億円以上の作品が生まれていく一方で、洋画はその本数をどんどん減らしていきます。もちろん洋画にはこれ以降も、2010年の「アバター」「アリスインワンダーランド」「トイストーリー3」、2014年の「アナと雪の女王」、2016年の「スターウォーズ/フォースの覚醒」2018年の「美女と野獣」「ボヘミアン・ラプソディ」…のように100億円越えのヒット作品は多数ありましたが、コロナを境にさらに興行収入の減少が起きてしまっている状況にあります。
・まとめ
直近では「トップガン マーヴェリック」といったヒットしている洋画も確かにあります。数字で見ると洋画の人気の低下は、100億円越えのような大ヒット作品がないということではなく、どちらかと言うと興行収入10億円以上の作品数が減少し、邦画と差をつけられてしまっていることに原因がありそうです。邦画もたくさん面白い作品がある一方で、洋画にも面白い作品が当然たくさんあります。話題の洋画だけでなく、ちょっとでも気になる洋画をもし見つけたら、ぜひ劇場に足を運んで鑑賞してみると、もしかしたら洋画の未来が少しでも変わるかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございます。