【家庭内情シス】5GHz・WPA3で我が家のWi-Fiを快適に!ネットワーク分割の経緯
我が家では、インターネットは光回線を利用しています。
私以外の家族はIT関係にそれほど詳しくなく、必然的に私が〈家庭内情シス〉になっています。
そんな家庭内情シスには、さまざまなトラブルが持ち込まれます。
思ったようにインターネットの通信速度が出ない
家族が持ち込んだ機器が、Wi-Fiに接続できない
Wi-Fi対応機器を買ったものの、Wi-Fiに接続できない
といったトラブルが、これまで持ち込まれました。
私は、家族の中では〈比較的〉ITに詳しいとはいえ、ネットワークは完全に専門分野外です。
トラブルの解決のため、色々と試行錯誤する必要がありました。
ネットワーク分野は専門用語が多いです。トラブルに遭遇して、解決策を検索しようとしても、検索結果の内容がさっぱりわからない、といったことがよくありました。
今回は〈通信速度が出ない〉〈家電がWi-Fiに接続できない〉というトラブルにあった我が家が、どのように解決したかというお話です。
〈全国の家庭内情シス〉の皆さんが、私と同じ苦労が少しでもしなくて済むよう、この記事が参考になれば幸いです。
Ver.1 ルーターのデフォルト設定
動画視聴をきっかけに、光回線を導入
一人暮らしを始めた当初、家のインターネットは〈モバイル通信〉で対応していました。
しかし、YouTubeなどの動画配信サービスを利用するようになって、さすがにモバイルでは通信速度が厳しくなりました。そこで、光回線を導入することにしました。
ルーターは、当時としてはハイスペックのものを導入しました。
光回線は、プロバイダや利用地域によって通信速度に差が出ます。私も〈速度が出ないことがある〉ということは承知しているつもりでした。
光回線を利用し始めた当初は、100Mbps以下の速度であっても「まあ、こんなもんか」と思っていました。
しかし、そのうち時間帯によっては10Mbpsも出ないことが発生し、「さすがにこれはおかしい…」と思うようになりました。
家族が増えて、トラブルも増えた
その後、我が家は家族が増えました。
ところが、家族が持ち込んだPanasonic製のネットワーク対応テレビが、我が家のルーターに接続できないというトラブルが発生しました。
そこで、以前から何となく気になっていた〈通信速度が出ない〉、新たに発生した〈テレビがネットに接続できない〉というトラブルを解決するため、ルーターのデフォルト設定を確認してみました。
すると、私が購入したルーターは
周波数帯は5GHz / 2.4GHzのバンドステアリング
セキュリティはWPA3/WPA2のミックスモード
ネットワーク分離設定あり
という状況であることがわかりました。
とはいえ、ネットワークの知識があまりない私にとって、どの設定を、どう変更したらいいのか、さっぱり見当がつきませんでした。
そこで色々検索し、試行錯誤しながら、原因になっていそうな設定を一つ一つ確認していくことにしました。
速度が出ない原因は〈5GHz帯が活かせてない〉
速度が出ていない原因は、通信が混み合いにくい〈5GHz帯〉の電波が、実は活用できていなかったからでした。
私のWi-Fiルーターは、つながれば高速な5GHz帯と、比較的つながりやすいが速度は出にくい2.4GHz帯を、自動で使い分ける〈バンドステアリング〉機能があります。
ところがMacの設定を確認してみると、Wi-Fiルーターは〈5GHz / 2.4GHzのバンドステアリング〉で設定されていても、つながりやすさを優先して、ほとんどの場合で2.4GHz帯で接続されていることがわかりました。
テレビが繋がらない原因は〈ネットワーク分離設定〉
ネットワーク分離機能は、NECのルーターにある機能で、ネットワーク上のそれぞれの機器同士の通信を制限する機能です。
実はPanasonicのテレビは、ネットワーク分離設定がONになった状態ではうまく動作しないことがわかりました。
NECのルーターは、デフォルトでネットワーク分離機能がONになっています。なので、私はテレビがネットワークに繋がらない理由が、なかなかわからずにいました。
Ver.2 〈5GHz帯〉のみに固定
速度が出ない・テレビが接続できない原因はわかったので、ルーターの設定を修正しました。
その結果が、以下のようになります。
「バンドステアリング」はOFFに
2.4GHz帯に優先的に繋がってしまうことから、バンドステアリング機能はOFFにし、周波数帯は5GHz帯に固定しました。
我が家の場合、比較的どの部屋にも5GHzで十分電波が届いたので、通信の安定性は維持しつつも、通信速度を向上させることができました。
「ネットワーク分離機能」をOFFに
Panasonicのテレビが接続できない原因は、ルーターの「ネットワーク分離機能」にありました。
もともと我が家のネットワークは、それぞれの機器の連動は全くありませんでした。そのため「ネットワーク分離機能」を使ってそれぞれの機器がネットワーク経由でアクセスできないようにし、セキュリティを確保していました。
しかし今回「テレビでYouTubeを観たい」という家族の要望に応えるために、「ネットワーク分離機能」はオフにすることにしました。
可用性とセキュリティはどうしてもトレードオフになりがちです。これは、各家庭でうまく落とし所を見つけていくしかないのかなと思います。
購入したIoT家電がネットワークに繋がらない
一見順調に見えた我が家のルーター設定ですが、〈ネットワーク対応エアコン〉がやってきたことにより、状況が一変します。
我が家では、日本の大手家電メーカー日立製のエアコンを購入しました。なんとこのエアコン、Wi-Fi対応をうたいながら、周波数帯は2.4GHzにしか対応していなかったのです。
他にもロボット掃除機・洗濯機など、購入した家電にWi-Fi対応しているものがありましたが、結構な頻度で2.4GHz帯のみ対応、という製品に遭遇しました。
これらのIoT家電をネットワークに接続しない、という方法も考えました。
しかし、ロボット掃除機は初期設定にWi-Fiが必須であったり、洗濯機はエラーメッセージがスマホアプリに送信されるなど、結局はネットワークが必要な状況であることがわかりました。
そんなわけで、我が家のネットワークは2.4GHz帯への対応を余儀なくされます。
Ver.3 5GHz帯と2.4GHz帯SSIDへ
我が家のWi-Fiルーターは、5GHz帯と2.4GHz帯それぞれ2つずつ、合計4つの仮想的なネットワークに分割することができます。
そこで、
速度とセキュリティ重視の〈5GHz | WPA3 セキュリティネットワーク〉にiPhoneやMacを接続
互換性重視の〈2.4GHz | WPA2 セキュリティネットワーク〉に家電系を接続
という、2つのネットワークを構築しました。
iPhoneやMacでは、動画配信を楽しむことがあるので〈速度重視〉、様々なデータを取り扱うので最新のセキュリティ規格であるWPA3を採用しました。
家電系は、とりあえずネットに接続できていれば、速度はそれほど重要でないので、互換性重視の〈2.4GHz | WPA2 セキュリティネットワーク〉にしました。
これで全ての機器がネットワークに接続できて、かつiPhoneやMacは速度もセキュリティ性能も向上して、めでたしめでたし。
と、いうことにはなりませんでした。
思わぬ伏兵。電子レンジ
きっかけは、キッチンの電子レンジを、これまでの一人暮らし向けのものから、ファミリー向けの大型タイプへ買い替えたことです。
電子レンジから出る電磁波が、2.4GHz帯のWi-Fiネットワークと干渉してしまう事態が発生しました。電子レンジで調理している間は、IoT家電を全く操作することができず、家族からクレームが入ったのです。
特にテレビの方が深刻で「テレビを観ながら、電子レンジを使って、ご飯の準備がしたい」という家族の要望があり、なんとかして解決する必要がありました。
Ver.4 5GHz帯 x2、2.4GHz帯 x1のSSID運用へ
〈電子レンジを使っていると、テレビがネットワークに繋がらない〉問題については、テレビを〈5GHz | WPA3ネットワーク〉に繋げばいいのではないか、という解決法がまず浮かびます。
2.4GHz帯は電子レンジの電磁波で影響を受けやすい一方、5GHz帯は電子レンジの影響を受けにくいことが知られているからです。
ところが、我が家のテレビは〈5GHz帯 対応〉でありながら、〈WPA3 非対応〉であることがわかりました。
メインの〈5GHz | WPA3ネットワーク〉を〈WPA3・WPA2ミックスモード〉へ変更することも考えましたが、ミックスモードではWPA3・WPA2どちらでもうまく接続できないことがあるそうです。
そこで、5GHz帯については、WPA3・WPA2それぞれ別のSSIDを用意することにしました。
最終的には以下のような形に落ち着いています。
余談ですが、テレビ以外にも、我が家でには「Surface Go (第1世代」が〈5GHz帯 対応・WPA3 非対応〉でした。
WPA3非対応の機器は、コスト削減のために、ギリギリまで機能を削ぎ落とした結果なのかもしれません。
が、WPA2対応のために、わざわざ私のように家庭で複数のネットワークを準備するのはかなりハードルが高いと思うので、テレビはせめてWPA3の対応はして欲しかったところです。
まとめ:シンプルなネットワークにしたいが、結局複雑に
メイン端末のiPhone・Macについては〈5GHz帯・WPA3〉で通信速度とセキュリティ性を確保しつつ、その他の機器の接続性も確保する、という家庭内情シスの取り組みを、今回は紹介しました。
今回ひしひしと感じたのは
通信速度・安定性・高セキュリティ・可用性を全て両立することは難しい (というかムリ)
ということです。
各家庭の中で、より重視すべきことは何なのか考えながら、ネットワークを構築していく必要があるのかなと思います。
Wi-Fiルーターは今回ご紹介した通り、複数のネットワーク設定を共存させることができます。私の設定が、どなたかの参考なれば幸いです。
また、ネットワークのプロフェッショナルの方がもしこの記事をご覧になった場合は、何らかアドバイスいただけると、大変助かります。