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打倒・武尊 “石の拳”レオナ・ペタス、インタビュー
LARA column series.6 20200824 加藤玲於奈編
打倒・武尊 “石の拳”レオナ・ペタス、インタビュー
文責:LARA TOKYO
2020年7月21日、後楽園ホール、「Krush.115」のメインイベントの大岩龍矢戦をユナニマスデシジョン(判定3-0)の完勝でKrushスーパーフェザー級王座防衛に成功したレオナ・ペタス。その試合直後、勝利者マイクで武尊戦をブチ上げると武尊選手も「やろうぜ」とこれに呼応し、宿願の一戦が内定した形となった。狙うはK-1を象徴するトップの首のみ。真夏の灼熱の中、天井知らずに駆け昇るレオナの現在を聞いた。
——つい先日の日曜日(8月4日)、K-1甲子園60kg級で愛弟子の松山勇汰選手がトーナメント全KOで見事な優勝を遂げました。特にAbema TVの人気番組「格闘代理戦争」出演で注目されていた薮崎陸選手を凄まじい左ハイキックで一撃KOした決勝戦は圧巻でした。
ありがとうございます!
——レオナ選手にも似たステップワークやサウスポースタイルからの鋭い左ストレートなど目につきますが、強さの秘密は?
まー、毎日、僕と練習してますからね!(笑)
——レオナ選手から見た松山選手は、どんなファイター?
極真空手の下地があってウチに来たのが3年くらい前で、とにかく真面目。キックボクシングを始めるにあたって色々なところを見て吟味して選んだみたいで、今回、最高の結果が出て良かったです。何でもできるオールラウンダーなので、正統派のチャンピオン、本物中のホンモノに育て上げますよ!
——大岩選手に完勝で連勝を9に延ばし武尊戦が内定、愛弟子がK-1甲子園優勝とチーム(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS / LARA TOKYO)が凄い勢いになっています。
8月29日、Krushウェルター級王座決定トーナメントで虎於奈(実弟の加藤虎於奈)が優勝してチャンピオンになれば完璧だったんですけど、怪我で欠場になってしまうことになって残念です。が、このままの勢いで突っ走りますよ!
——そしていよいよ、レオナ選手は、K-1の最頂点、武尊戦に大手をかけました。試合時期は、決定を待つばかりですが、年内の実現が望まれます。
コロナでスケジュールが大幅に変更になっていますから流動的ではありますけれど、この数か月以内にやるものだと確信して動いています。
——改めて、武尊戦、どんな意気込みをお持ちですか?
やっとです。ブッ飛ばします!
——強い語気です。
今、練習もコンディションも気力・体力・技術、一番いい感じです。イケる気しかしません!
——大岩戦前のインタビューでは、「武尊選手が100なら、僕は65から70くらいな感じ」と戦力分析をされていましたが、次なる試合時では?
10対12!
——12はどちらで?
僕です!
——一気に倍近く強くなったと?
伸びしろが違います。それといきなり強くなるんじゃなくて、溜めていたものが解放される勢いが爆発しますから!
——宿願の一戦だけに?
はい! けど、勘違いしてほしくないのは、僕の目指すところは武尊戦ではないということです。
——その先を見ている? それはまさか……?
世界最強の60kg、ずっと言い続けてきたことです。
——武尊戦で勝利したとして、その後に戦うべき相手が具体的にいるわけではない?
無双! それが僕の望みです。その為にやるべき相手がいるのであれば、その時々、誰でもやります。
——武尊戦勝利後は、状況的に那須川天心戦がファンから大きく望まれるでしょう。
60kgでやるのであれば、誰とでも。ただ、天心戦のみを望んでいるわけじゃないので「58kg契約で」といった誘いは乗りませんし、逆に上の階級で活躍する選手でも60kgで契約できる最強と目されるファイターなら誰とだってやります!
——60kgで世界最強となると思いつくのは、那須川選手も大苦戦したONEのエース、ロッタン・ジットムアンノンとか?
いいですね。
——対ムエタイとなると無間地獄のように強豪選手がひしめきます。
誰とだってやりますよ。
——K-1ルール以外でも?
僕の言う世界最強は、それ以外したことがないK-1ルール(※1)ですが、肘打ちあり、首相撲無制限のムエタイにだって興味はあります。けど、それは「ボクシングもしてみたい」というのと同じではあります。
——小耳にはさんだ話だとボクシング界からも熱烈な転向オファーがあるとか?
まぁ、ありがたいことですよね。今はココに集中しますが興味はあります。
——レオナ選手のキャッチコピーである“石の拳”は、ボクシング史上に輝く拳豪、ロベルト・デュランからきています。
かなり気に入っているあだ名だし、光栄なことです。
——“強い”だけでなく“硬い”ことにも定評がある右ストレートを中心としたレオナ選手のパンチですが、その秘訣は?
それがわかんないんですよ(笑)。なんでだろ? そんな風に意識して拳を強く握りしめているわけでもないし、けど、僕のパンチが硬いことはアマチュア時代から言われていました。
——天性の石の拳?
そうかもしれませんが、それよりも大切にしていることは“距離”ですね。右ストレートは、わかりやすく長距離砲でパンチの硬度が伝わるからそこがピックアップされがちですけど、どんなタイプの相手でも常に気を配っているのはそこです。離れていても至近距離でもその時々でベストの技が出せるノリというか勘。
——確かにこれまでのKOもよくみると至近距離からのフックであったり、ジャブ的に繰り出された左ストレートだったりと多彩です。
全部、狙ってのことでもあります。
——そういったハンターのような冷静さもレオナ選手の強さの秘密に感じられます。
これまでポカしてきた試合は、ほとんどがワンデイトーナメントで次の試合を考えていたり、熱くなりすぎて暴走したりが原因でした。昔は、いきすぎる気持ちをセコンドに止められながら試合をしていましたけど、最近はセルフコントロールもできるようになってきました。
——確かに大岩戦も終始冷静な具合でした。
あの試合は、武尊戦にゆきつく為にも「勝つこと」が大前提だったので安全運転してしまいました。おかげで半澤さん(師匠でありジム会長の半澤英俊)に「なんで倒しにいかない?」とメチャクチャ怒られて、試合後の記念写真にも一緒に収まってもらえませんでした。
——そこは反省点?
ですね。けど、もう何の心配もないです。
——と言われますと?
武尊戦では、これまでセーブしてきた感情を全開放します!
——それは、ご自身で窘められてきた暴走にはならない?
ハートは熱く、頭はクールに。武尊戦こそは「倒さなければ勝ちはない」試合だと確信しています。だからこそ、これまで溜めてきたすべてをぶつけてやります!
——とにかく武尊戦の時期決定が楽しみでなりません。ここで閑話休題ですが、最近、格闘技界を賑わせる話題に触れさせてください。8月13日、RIZINの公式Twitterアカウントで「『RIZIN大好きさん』の件についてのご報告とお願い」というツイート(※2)が発表されました。末期ガンであることを公表していたファンが病気を詐称して選手やプロモーションに厚遇を受けていたという詐欺事件ですが、この「RIZIN大好き」氏とレオナ選手に交流があったとか?
はい。SNSで色んな人から「こんな人がいる」って報告をいただいて、5月1日、それを確かめていてもたってもいられなくなってダイレクトメッセージで激励させていただき直筆の手紙とTシャツを贈りました。
——今年3月31日、最愛のお母さまが長期にわたる闘病の末、亡くなられただけに?
そうですね。
——そういった純粋な気持ちを裏切る嘘は、大きな罪だと思われますが、これが発覚してすぐにレオナ選手はTwitterで「ガンで辛い思いする人が1人でも減ったんだったらいいや(※3)」と一笑に付しています。
そのまんまですね。
——怒りや憎しみはない?
嘘つきに興味はないし、そこに頭をやっている時間や気持ちがもったいないのでどうでもいいです。
——嫌な経験には違いないでしょうが、そんなことは度々あることでしょうか?
いきなりよく知りもしない人から「ガウンください」ってDMがきたこととかあります。
——どうされたのでしょう?
「無理です」で終わりです。
——ファンを自称して近づいてくるサイコパスへの対処は、どうかすると炎上騒ぎになりかねないのでナーバスな問題ではないでしょうか?
このSNS時代、どうしたって有名になれば炎上なんてするもんだと思っているので平気です。どうしたって自分が正しい自信があるので何も恐くないです。
——なるほど、確固たる信念の強さを感じます。また、人気選手だった皇治選手がK-1を離脱してRIZINに登場するといったニュースは、ショッキングでした。皇治選手とは階級も同じで対戦の可能性もありながら、それは叶わなかった形です。
何も興味ないです。
——以前は、皇治戦を望む向きを見せられていたことがありましたが。
やればより注目されて武尊戦に近づくかと利用させてもらおうと思いましたけど、もう実現するのでどうでもいいです。
——知名度抜群の人気選手ですけれど、やれなかった後悔はない?
武尊戦に近づく為って方便がなければ、実力的にやりたくなるような選手じゃないですもん。
——武尊戦では、敗れながらも観客を熱狂させ、大岩選手にも辛勝しています。
根性と頑丈があるだけですよね。大岩戦も僕的には負け。インターネットで試合が見られるので確認してみてください。
——様々なパフォーマンスやビッグマウスで耳目を集める皇治選手の在り方は、レオナ選手と対極的な色に見えます。
あれはあれでいいと思います。自己表現の仕方は人それぞれ。結果、話題になったり、多くの後援者を集めたりできているのだからリスペクトだってします。だけど、僕はあんな形は望まないってだけです。
——では、どんな形を?
実力。それだけです。僕は、パフォーマーや芸能人じゃありません。ファイターですから。
——そこにもっと装飾というか演出があれば、より知名度も金銭も集められるのではないでしょうか?
かもしれませんが、僕はそれを第一にはしません。もちろん、人気だってお金だってほしいですけど、実力を磨いて勝ち続けていれば自然とついてくるものです。逆についてきたものだけでいい。練習する時間や手間を割いて、他のことに労力をかけてそれらを早目に余計に得ようって気持ちは微塵もありませんから。
——実にレオナ選手らしい硬派ぶりです。
ファイターが実力もなのに自分を大きく見せるのって「RIZIN大好き」さんと同じ詐欺ですよ。
——辛辣すぎるお言葉です。
それでネット上で炎上しようが、興味を持たれなかろうが知ったこっちゃないです。僕は、強者が正統評価されればそれでいい。
——また、微妙な話題ですが、近年の格闘技界で最大のビッグカードだと望まれる武尊×那須川天心戦、レオナ戦がその前にセットされ、レオナ選手の勝利となるとその夢が崩れることを危惧する声も聞かれます。
これも知ったこっちゃないです。僕に実力がなくて、けど、下駄をはかせてもらって武尊戦が組まれるなら非難されるもの仕方ないですけど、僕と僕のチームは、筋を通して、誰に恥ずかしいこともなく結果を出してここまできました。これ以上、待たされる言われもないし、待たされ過ぎたかもしれません。
——“全裸監督”村西とおるの言い回しのようです。
(無視)要は実力。武尊選手が僕に完勝できるのであれば、その後、大いにやるのやらないの騒いでももらえばいい。今は、ここまで正当に勝ち上がってきた僕との試合が優先で当然です。
——何度もお聞きしていることですが、レオナ×那須川戦には興味がない?
興味がないのではなくて、今、考える意味がないってことです。僕は、近く武尊選手を倒しますから、それからいくらでも騒いでくれればいいし、その試合が実現する見込みがあるのであれば、そこから彼を研究します。
——あまりにも真っ当で純粋な主張です。
僕は最強になる。天下無双を実現する。その上でファンが望む試合から逃げることは絶対にしません。それが僕のできる最大のパフォーマンスですから。
——最後の話題です。所属し勤務地でもあるLARA TOKYOが、コロナ禍のあおりを受けて経営困難となり、クラウドファンディングを募っています。
僕が全身全霊で最強を目指すことができるのもジムがあり、師匠がいて、スタッフや仲間がいて、何よりファンの支えがあるからです。僕のファイター人生でクライマックスの時が来ました。是非、応援していただくことで一緒に夢を見て興奮とやる気を共有してください! 応援していただいたご恩は一生忘れません。リターンは倍返しします!
——最後に半沢直樹が入りました。
(無視)クラウドファンディングの締切(9月5日)まであと少しとなりました。僕らと一緒に全力疾走するガソリンをください! 僕と虎於奈と勇汰とLARAと一緒にもっと遠くの凄い景色を必ずお見せします!
※1 K-1ルール レオナは、2016年、中国最大の格闘技イベント「英雄伝説」のアジア60kg級トーナメントで優勝しているが、この時のルールもK-1ルールに準ずるないようで、これ以外、K-1やKrushのリング一筋であり、他のルールの経験はない。
※2 「「RIZIN大好きさん」の件についてのご報告とお願い」というツイート https://twitter.com/rizin_PR/status/1293794842623881216
※3 ガンで辛い思いする人が1人でも減ったんだったらいいや https://twitter.com/rerereoooo/status/1293809932945383424
2020年8月24日 其の六 了
レオナ・ペタスとLARA TOKYOのクラウドファンディング
CAMPFIRE「打倒・武尊! レオナと虎於奈、最強への道、ご支援ください!」
https://camp-fire.jp/projects/311202/preview?token=1hvlcuf6https://camp-fire.jp/projects/311202/preview?token=1hvlcuf6
レオナ・ペタスのプロフィール
リングネーム:レオナ・ペタス
英語名:Leona Pettas
本名:加藤 玲於奈(かとう れおな)
所属:THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO(短称:LARA-TSG TEAM TOP ZEROS)
生年月日:1992年4月29日
出身地:埼玉県入間市
身長:175cm
血液型:A
戦型:オーソドックス・ファイタータイプ
得意技:右ストレート
プロデビュー年月日:2012年6月17日
戦績:34戦28勝(12KO)5敗1分
プロステータス:第9代K-1 KRUSH FIGHTスーパーフェザー級王者、2016年英雄伝説アジア60kg級トーナメント優勝
アマステータス:第210回新空手道東京大会K-2トーナメント軽量級優勝(2011年)、第5回J-NETWORKアマチュア全日本選手権Aリーグフェザー級優勝(2011年)
キャッチコピー:石の拳
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