人の集まるところにお金が集まる?
人の集まるところにお金が集まる。
という格言がどーやら変わってしまいそうな今日このごろ。
とはいえ、人を喜ばすことで報酬を得るという原則が変わるわけじゃない。
何が変わったのか。
変わろうとしているのか。
インターネットの利便性に本当の意味で気づき始めたこの頃。
そしてそれでも人との繋がりの大事さにも気づき始めたことで、SNSやコミュニケーションツールを駆使して家の中にいても誰かと繋がれる工夫をしてるのが大多数の人なのかな。
中には「コロナで予定が全部なくなったので、どこかへ行こうと思っていた」と1000キロも離れた地方まではるばる行ってしまうアクティブなご婦人もいらっしゃるようだけど、なんやかんや文句を言いながらも家でまったり動画サイトを見て穏やかに過ごしている人のほうが多いはずなんですよね。
外食業界に長く関わっていたため、飲食店で働く仲間が多く、いろいろ話を聞く機会が多いこの頃。
自分の周りは、幸いにも人を喜ばすことに長けた人が多いので、あまり暗い話にはならないのでいいけど、間接的には「なんだかなー」と思うものも聞こえてくる。
休業要請もあり、「開けていたところでお客さんが来ない」と嘆き、休業するお店。
テイクアウトやデリバリー、さらにはネット通販も駆使して上手く転換しているお店。
立地の問題もあるし、設備の問題もある。
衛生的にやらない方がいいことももちろんある。
ただ思うのは、別に国民の食事の絶対量が減るわけじゃない。
こういう事態だし、個々人は節約もするだろう。
でも、休むに休めない職種や業態の方はいる。
在宅ワーカーも家で仕事をしている。
子供も家にいて仕事に家事にってなかなか難しい状況でも頑張って経済を動かしてくれる人がいるわけです。
来てくれないなら行く。
必要な人に美味しいものを食べてもらい、少しでも元気になってもらう。
それって料理人の本分だと思う。
被災地に行って炊き出しをするのと変わらない。
食べた人が喜んでくれて「おいしいよ。ごちそうさま」って言葉をもらえたら、それが最高の報酬じゃないの?
311のときも熊本のときも僕は現地で炊き出しをしてそう感じた。
さらに遡れば阪神淡路の時。
たまたま現地に居合わせ、ガキながらに配給の手伝いをしたとき、泣きながらもらった「ありがとう」や「ごちそうさま」が自分が料理人なろうと決めた瞬間だったと思う。
きつい言い方かも知れないけど、その意識がなければ、淘汰されてやむなしかなって思う。
物理的にできないわけでなければ、冷静に美味しい食事を求めている人に、届ける努力だけはどうかやめないで欲しい。
もう一度いう。食事をする量は変わらない。
ただ食べる場所が変わっただけ。
直接目の前で食べてもらえなくても、できることはあると思う。
テイクアウト、デリバリー、仕出し、ネット通販などで提供する場所を変えるか、ケータリング、出張シェフで自分が行くか、レシピ公開やオンライン料理教室でおいしい食べ方を伝えるとかね。
考えることを諦めるな!
きっと現場でがんばってる料理人ならもっと幸せな食事の提供法、今までにないようなアイデアが出てくると信じてます。
延期になったとはいえ、今年は「お・も・て・な・し」の年、おもてなしの都市じゃあないか!
料理の世界から逃げたような人間に言われたくないだろうけどね。
Amazon PrimeVideoで「8時だョ!全員集合」を観ながら。
次行ってみよー!
新しい書道具と読書費に充てさせていただきます。