見出し画像

女子大生、東京のリトルインディア・西葛西と船越を歩く~前編~

インドに行きた過ぎて、何とかして日本の中でインドを感じられないか調べてみたら、東京に「リトルインディア」があるらしいことが分かった。

東京のリトルインディア・西葛西

江戸川区・西葛西。東京メトロ東西線で日本橋や大手町まで乗り換えなし15分程度で行けることから、IT系のインド人技術者が多く住んでいる地区らしい。

歴史を辿ると、西葛西をリトルインディアに仕立て上げた「リトルインディアの父」こと、ジャグモハン・チャンドラニさんの功績がなんたら…みたいな話があるようだけど、それに関してはプロのライターさんが記事を書いていらっしゃるので省略しましょう。

確かにGoogle Mapで「Indian restaurant」とか 「Indian grocery store」とか調べてみると結構出てくる。

ヒンドゥー教寺院のある船堀

異文化のある場所に宗教施設あり、ということでインド人がたくさんいるならヒンドゥー教寺院もあったりしないの?と思って調べてみた。

ざっと見た感じ、西葛西にはないけど西葛西駅から北に2.5kmくらい先、「船堀駅」のすぐ近くにISKCON NEW GAYAという施設があるみたい。

せっかくだから礼拝の時間を狙って、12時くらいに行くことに決定。

ということで本日のショートトリップ to リトルインディアは

・12時過ぎに船堀のヒンドゥー教寺院“ISKCON NEW GAYA”を見学
・船堀周辺のインドカルチャーを探索
・30分くらい歩いて西葛西に移動
・西葛西周辺のインドカルチャーを探索
・葛西の江戸川区インド文化センターを見学

くらいの半日プランでスタート!

ISKCON NEW GAYA @船堀

予定通り12時過ぎに都営新宿線 船堀駅に到着。新宿線っていうから結構近いかと思ったら、新宿から30分くらいかかった。

南口を出ると大雨。海際だからか風も強くて、あんまり役に立たない傘をさして線路沿いに1分くらい歩くと…

画像1

発見!!ぱっと見ふつうの家みたいで、一応看板はあるけどこれもまた”ヒンドゥー教”っぽい感じはなくて、完全に日本の住宅地に溶け込んでいた。

ネットで調べた情報には「ドアが開けっぱなしで誰でも気軽には入れる雰囲気です」って書いてあったのに、私が行った日は雨だったからか、ドアは閉まっていた。窓も開いていなくて中の様子が全然見えない。

Exclusiveな感じだったらどうしよう、まぁでもホントにダメだと思ったら“間違いました~”感出して退散すればいいか…とかなんとか考えて、

ちょっとドキドキしながら扉を押す。こういうスリルを感じたのは久しぶりだった。そうそう、海外旅行中に行き先合ってるか怪しいバスに乗るときのあの気持ちみたいな…



開いた!!!靴を脱ぐっぽい玄関で、児童館の入り口みたいなカウンターも見えるけど薄暗くて人の気配なし。

「こんにちは~…」

靴を脱いで、誰かがいることと私を受け入れてくれることを祈りながら奥のを覗くと、そこそこ広いぶち抜きの部屋の右端に聖職者っぽい人が、やたら豪華な彫りの入った木製の壁に向かって座っていた。

『あらっ、こんにちは!』

「あの…見学してもいいですか?」

『どうぞどうぞ!入って!』

部屋の中にいたのはこの人だけ。

インドの方みたいで、英語も話せますって伝えたら会話が日本語から英語に切り替わった。

お互い簡単に自己紹介した後『そろそろ準備始めるからその辺に座ってて』と言われて私は結構広い部屋で一人、座布団の上に座った。

今日は他には誰も礼拝に来ないのかなとか、ヒンドゥー教って正座と胡坐どっちがPoliteなんだとか、この真横にあるお坊さん?の木像は何なんだとか
色々考えている間にも、さっきの聖職者さんが奥の部屋で何かを水で洗ったり準備したりしている音が聞こえる。



もうすぐ12:30、そろそろかな?と思ったところで

ヴォウォォォォォォォウォォォォォォォ!!!!!!!

爆音でホラ貝?を吹きながら聖職者さん登場。
と同時に壁だと思ってた豪華な彫りの入った木製の扉が左右に開いた。

奥にはTheインドみたいなギラッギラの服を着た人形が7つ立っていて、その足元にお花とか写真?が置いてある。聖職者さんは私のいる大広間の部屋から扉の奥側、人形の置いてある空間に移動した。

おおおおおお今日イチインドを感じるぜ!!!と神妙な顔を保ちながらも内心めちゃめちゃに興奮していると、Chantが始まる。

聖職者さんがお線香とか孔雀の羽の団扇とか色々なものを持ち換えながら、
人形に向かって歌い、私の真横に置いてあるお坊さん?の木像に向かって歌い、私のいる広い部屋に向かって歌うのを繰り返す。

Chantのメロディー自体はすっごく耳に心地いいんだけど、いかんせんなんて言ってるか分からないし、部屋には私しかいないから全然参加方法が分からなくて、「これもし今日私が来なかったら、観客なしでこの儀式やってたのかな…」とか余計な思考を巡らしてしまった。


途中で聖職者さんがろうそくみたいなのを持って私のところまで来て、火に手をかざして、おでこに手を当てる動きを3回するように促した。

ご焼香みたいな感じ…?もっと作法勉強してからくればよかった…とか思いながらとりあえず言われた通りやってみる。

また何曲かChantを挟んだあと、最後の儀式でまた私の近くに来て、お花2輪をくれたあと、私の頭に手しぶきで水をかけて、右手の甲にお花みたいな良い匂いのする液体を塗ってくれた。(水をかけるときは『かけて大丈夫?』って聞いてくれたよ)

きっかり30分間で礼拝終了。


まさか木の壁の奥に隠し部屋(←たぶんもっと正しい名称があるはず笑)があったとは…と思いながら7つのカラフルな人形をまじまじと見ていると、聖職者さんが色々解説してくださいました。


で、正直に申し上げると私の知識不足とインド訛りへの不適応が故に説明していただいたことの半分くらいしか理解できなかったんだけど、

クリシュナは色々な姿を持つ唯一心的な存在で、私の隣に置いてあった木像のお坊さん?はこの寺院の宗派 “クリシュナ意識国際協会” の創設者であることとその他諸々が分かった。

一通り教わると『お腹空いてる?時間はある?Prasadam食べていく?』と聞かれて、私は非常に単純なので「良いんですか?!」と即答。

入口の方に促されてついていくと、さっきの大広間とは別の2畳くらいの空間に座布団と冷蔵庫が置いてあった。

銀色の大きなお皿にあれよあれよと色んなおかずと主食が盛られていって、お布施とは思えないくらいの豪華な昼食をいただきます。

画像2

(ワイルドな環境は慣れっこだし、こんなに厚遇していただいて不満は一切ないけれども、床に座って床においてあるご飯を、小指の爪サイズのGが床を走って狙いに来るのをティッシュで払いながら食べていたあの時間は、7つのギラギラ人形がお出ましになったあの瞬間以上にインドを感じました)

チャパティ?(全粒粉を伸ばして焼いたやつ)もウッタパム?(米粉のパンケーキみたいなやつ)も、
オクラとジャガイモとナスと何かのカレーもココナッツチャツネもダルカレーも、
ラッシーもなんかよく分からないくにゃくにゃの入った液状のデザートも

全部美味しかったです。
インドカレー屋でバイトしてた時に培った、右手だけで食事するスキルが本気で役に立つ日が来るとは…!

おかわりは?と聞いていただいたけど、さすがにお腹いっぱいですと答えたらまた別の部屋に促されて、入るとキッチンだった。

自分で食器を洗って片づける。うんうん、宗教施設でいただく食事って感じ。全然宗教違うけど、アメリカ留学中に教会で夜ご飯食べてみんなで片付けしたのを思い出した。

カレーのついた手も洗えて一石二鳥!!


大広間に戻って、礼拝前にゆっくり見れなかった、部屋に置いてある本や壁に貼られた写真を見る。写真はイベントの様子を映したもので、聖職者さんがまたこれは誰だとかどんなイベントだったとか、教義も交えて色々説明してくれた。

色々聞いたけど一番衝撃だったのは “寺院の中ではお茶を飲むことが禁忌” になっていること。

思わず「チャイの国なのにダメなの?!?!」と聞き返してしまったけど、お茶に含まれるカフェインの覚醒効果がクリシュナにうんたらかんたら(以下略)でダメらしい。


写真を見ながら話していたら玄関の扉が開いて男性が入ってきた!

ここに来てようやく第一町人(?)登場!!


私の分からない言語で聖職者さんと会話したあと、持ってきたお線香数箱とさっきまで私が食べていたのと同じご飯を交換して出ていった。

宗教施設ってこういうふうに、参拝者と施設側がお互いを支えあって成り立ってるんだなぁ…と思いながら男性を見送って、私もそろそろ帰り支度開始。


『毎週日曜の礼拝はヨーガのイベントをやってるから、日本人もインド人もたくさん来るよ。良かったらまた遊びに来てね』

という言葉とともに、教義について書かれた本と何故か手作りっぽいクッキーまでお土産にいただいちゃった。

画像3

こんな貴重な経験をさせていただいて献金しないわけもなく、次は都合の合う日曜日に来ますね~と約束して外に出ると、雨はすっかりあがっていて、青空に蒸し暑ーいそよ風が吹く。

画像4

あぁー素敵な時間、良い経験だった。


ちょっと長くなりすぎちゃったので後編に続きます。

続きはこちらから!

いいなと思ったら応援しよう!