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ランクルにリアコ(モンゴルオフロード旅)
序章
実を言うと、ランクルに恋したのは一度目ではない。
初めてランクルを好きになってしまったのは、ドバイでツアーに参加したときだった。
砂丘をアクロバティックに駆け回るアクティビティで、車体が左右にほぼ90度傾くようなワイルド運転にも耐える強さに心を掴まれた。
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パキスタン人のオーナーおじさんが毛皮みたいな布でフサフサにデコった車内はワイルドさに見合わずゴージャスで、そのギャップにキュンキュンして。
そんな過去がありつつ、ランクルへの恋心は私生活の忙しさもあって一瞬で忘れてしまっていた。
なのに、なのに。
私はモンゴルで再びランクルに出会ってしまった。しかも今回は本気の恋。
モンゴルのオフロード旅
初めていわゆるオフロードに突入したのはツアー初日の夕方だった。
自動車が通っていい道=整備された公有道路という認識のある日本人には信じられないような、まさに道なき道を進む。
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ランクル云々の前に感動したのがドライバーのパーキーさんの運転スキルだった。
カーナビはもちろん、道路という指標すらないわけで、素人目からすると一体どうやって進む方向を決めているのか全くわからない。
それは罫線の無い自由帳に迷わず線を描いていくような職人技。モンゴルに来てドライバーという職業への敬意がとても大きくなった。
さらにすごごいのがドライバーの記憶力。
走っている途中いきなりUターンしたかと思うと、車体ごとクルっと振り返って来た道を確認する。
帰路迷わないように指差しチェックをしていたが、私からすると目の前に広がるのは360度同じ風景で、何を目印に経路を記憶しているのかさっぱりだった。
ランクルに恋して
そんなとてもとても敏腕なドライバーさんの仕事の根冠にあるのがまさにランクルなのだ。
本格的にゴビを目指し始めた2日目以降、もはや道路なんてないのが当たり前になった。
道路の機能は「区画によって進むべき道筋を示すこと」だけではない。もうひとつ大切なのが「土地の舗装」だ。
コンクリート舗装されていないむき出しの大地は、ぱっと見平らなように見えても、自動車でその上を走ってみると想像以上にデコボコしている。
より岩々しい地域に近づけば近づく程、道肌はさらにタフになっていくわけで。
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ツアー2日目からの3日間は常に東京ディズニーシーにあるインディージョーンズのアトラクションに載っているような状態だった。(正直逆にあのアトラクションの精度に驚いたくらいで、あのアトラクションが2時間くらい続いても楽しめる人であれば、モンゴルのオフロードトリップも余裕だと思う…苦笑)
おそらく軽自動車だったら横転にしてしまうような道のり。
そんな過酷な大地を制して私をゴビまで送り届けてくれたのがランクルだった。
とにかくすごいのが安定性だと思う。
こんなとんでもない悪路を、おおよそツアー2日目から6日目まで約4日間移動したのに、一切車酔いしなかったのだから。(ガイドのアックスはめちゃくちゃ酔っていたので個人差の可能性はある…?)
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ドバイの時と違って、パフォーマンス的なコンテクストではなく、「目的地への経路」として自然的かつ必然的に現れたこの悪路を信じられないほどうまくこなし、私に素敵な思い出を与えてくれたランクルには本当に感謝しかない。
あぁ、私もいつかランクルを自分のものにしたいな。ランクルと一緒にとんでもなくワイルドな旅がしたい…。
そんな妄想をしても、口座残高と今のお給料をみればすぐに現実に引き戻される。
あぁ、誰か私にランクルプレゼントしてくれよ!!切実に!!!