会計帳簿、侮るべからず


確定申告の真っ只中である。今年も個人の決算である確定申告は昨年同様コロナの影響でひと月期限が延長されている。一方で法人の決算もわが国では昔から3月に集中する。決算書は一年間の事業の成績表のようなものだが、それは日々の記録である会計帳簿から成り立っている。歴史をひも解くと、会計帳簿というのはその昔、支配層や富裕層にとって軽視されてきた過去があった。しかし、その重要性に気づいていれば、実は一企業はおろか、一国の経済をもつかむこともできたのだ。資本主義の発展を支えた裏には、会計技術の存在があった。西洋式簿記をわが国に最初に紹介したのは福沢諭吉とされるが、実は日本にはすでに江戸時代の経済発展にともなってそれに負けない高度な複式簿記があり、商人たちの間で培われていたという。会計は勤勉さ、公正さ、責任を要求する。会計は洋の東西を問わず経済的成功を導くひとつの重要な要素。そうした背景を感じながら一年を振り返り、普段見慣れない帳簿や決算書に接してみてはいかがだろうか。


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