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第四十五章:大功は拙なるがごとく

本当に完全な物はどこか欠けている様に見える。だが、その働きは衰える事が無い。本当に満ちている物は空っぽに見えて、その働きは枯れる事が無い。本当に真っ直ぐな物は曲がっている様に見えて、本当に巧妙なものは稚拙に見えて、本当に雄弁な者は口下手に見える。動き回れば寒さをしのげ、じっとしていれば暑さをしのげる。清らかで静かな者こそが天下の模範となる。

書き下し文
大成(たいせい)は欠くるが若(ごと)くして、その用は弊(やぶ)れず。大盈(たいえい)は沖(むな)しきが若くして、その用は窮(きわ)まらず。大直(たいちょく)は屈(くっ)するが若く、大功(たいこう)は拙(せつ)なるが若く、大弁(たいべん)は訥(とつ)するが若し。躁(そう)は寒(かん)に勝ち、静は熱(ねつ)に勝つ。清静(せいせい)は天下の正(せい)たり。


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