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【閲覧注意】アリを食べて昆虫食について少し考えてみる
ウォンさんの口笛が聞こえる。
音楽とも鳥のさえずりとも取れる、不思議なリズムの口笛。
この音が聞こえると少しわくわくする。
きっと何かを持ってきてくれたに違いない。
もはやパブロフの犬と化した私の期待通り、ウォンさんの手には小さな椀が握られている。ウォンさんをみた後すぐさま小さな椀に目を向けた私の視線を見逃さず、ウォンさんは
「ギンボ?(食べるか)」
と短く言い放った。
そして差し出しされた椀の中を覗き込むと、小さな白い塊がいくつかあった
もはや悲鳴をあげることもなくなった私は、
「なんだこれ?」
と思う間も無くその正体に気づく。
そう、いるのだ。成虫が。
赤く足の長い・・・アリ。
ということはこれはアリの幼虫。
今から飛び立つ準備をし始めた女王蟻の幼虫だ。
5月雨が降るとともに羽ばたき始める彼女たちは、今こうして成虫になる準備をしているのだ。よくよく見るとアリの形状を取り始めた白い塊もいる。
ちなみに今見える足の長いアリは働き蟻で女王蟻ではない。
どうやって食べるの?と聞くまでもなく、ウォンさんがおもむろに掴んで生のままいただいている。
う、うん。
私もつられていただく・・・があまり味がない。
「炒めると美味しいよ」という言葉を信じて炒めようとするが、その前にこっちに来いというのでついて行ってみた。
そこには小鉢ではなく鍋いっぱいの茶色い塊。
おもむろに取り上げるとそれらが連なって持ち上がる。
ひじき・・・・ではない。
そう、アレだ。
アリだ。
水につけて動けずにいるが、まだ生きている。
ウォンさんはこの塊をとるとこれもまたおもむろに口に入れた。
「美味しい?」
と聞く私に笑顔で
「セーブ!(美味しい)」と行ったあと「ソムッ(酸っぱい)」と付け加えた。
なるほど、蟻酸が出るのだな?
と躊躇なく私も口に入れる。
口の中でプチプチっと弾けるアリ。
中からジュワ〜〜〜っと肉汁が・・・ではなく
ピュっと蟻酸が飛び出した。
うん。これは確かに酸っぱい。
酸っぱいけど全然たべれない味じゃない。
口触りが悪いのはいただけないけど、味自体は全然変じゃない。
いやむしろ美味しい。
蟻酸を集めた調味料があれば美味しい料理ができるんじゃないか?ってくらい。
ちなみにアリは生きているので手に結構引っかかってくる。
幼虫はここから取り出したそうなのだ。
何せ幼虫がメインディッシュ。働き蟻と一緒に食べると酸っぱさが勝ってしまい幼虫の旨味が感じられないんだそう。
ということで、改めて炒めてみた。
軽くソテーという感じ。
塩も入れるといいとのことでほんの少し塩で炒めてみた。
炒める側から香ばしい香りが漂う。
かなり美味しそう。
で実食。
これは
確かに美味しい。
いや、そんなまさか?と思うかもしれない。
でも美味しい。
白子のような濃厚クリーミーな味がする。
いやぁ美味しかった。
パクパク食べる感じでなくちびちびいただくのがいいかなぁ〜
お酒のあてにもなりそうな、貴重な貴重な女王蟻の幼虫食でした。
昆虫食について考えてみる
ということで、ありをいただいたので、昆虫食について少し考えるきっかけとなった。
農場にいると基本的に肉をいただかなくなる。
豆はある時はあるけど、いつもあるわけではない。
するとタンパク源を見つけるのが困難になるのだ。
その時に優秀なのが昆虫。
何せいつもいる。(もちろん虫にも旬があるので同じ種ではない)
昆虫食は水の使用やCO2排出が少ないと家畜に変わる栄養源として注目もされている。
ちなみに1kgの牛肉を作るのに必要な餌は8〜10kg
1kgのコオロギを作るのに必要な餌は2kgだと言われている。
さらに成長も早く、数週間〜1ヶ月で食べることができる。
また1kgあたりのタンパク質を作る際の温室効果ガスも虫の方が小さくて済む。(もちろんゼロというわけでないので大量生産大量消費が続く以上は変わってはいかないだろうけどね)
タンパク質だけでなく繊維や鉄、マグネシウムなども含まれている。さらに脂肪酸にはオメガ3も含まれているらしいから栄養面でも優秀なのだ。
そんな昆虫食。個人的には結構面白いと思ってる。
何せ、実体験上、牛や豚より体が重くならなずにタンパクをとることができると感じるからだ。きっと実は私たちの体には牛より虫があっているのだと思う。
豚や牛、鶏がなくなるわけではないと思うけど、タンパク源の摂取の選択の一つに昆虫が入る日も遠くないかもしれない
まぁ、結局産業化され大量生産されるとそれもどうなのか?わかりませんが。少なくともここでは飼育しない昆虫をいただいています。
コオロギでグラノーラとか作ってみたいなぁ〜
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