見出し画像

〔詩〕キンモクセイのにおい、する

夏の焼いた空気や土やアスファルトが冷めた。

光が、稲刈りの終わった田んぼやソルゴーの畑や、人の家や、高速道路の高架や、遠くの山までを射抜いて、ボケない形をそのまま私の目の中に運んでくる。

一年中で今が1番幸せなんだ。

ほんとうなんだ。

幸せだから、これをクライマックスにしたい。空に溶けて消滅したい。

もう60回以上、そんな衝動に盛り上がった。走り出したり、叫んでみたりもした。

うん、10月になるといつもこう。

でもさ、まだこうして生きてるんだよ。

あはは。

いいなと思ったら応援しよう!