#38 米国移民政策の変更に関する英文記事意訳(2180字程; 2021/2/22, VOA Learning English)
(Photo ↑: January 20, 2021 - the inauguration at the Capitol in Washington, D.C.)
(↑英文元記事772words)
写真記録 - ホワイトハウスの執務室で、ジョー・バイデン大統領が移民に関する行政命令に署名するする様子を見守るアレハンドロ・マヨルカス国土安全保障長官。2021年2月2日、ワシントン。
１．米国議会の民主党議員らは、先週末移民法案を提出しました。提出された法案は、米国の何百万人もの不法移民に市民権を得る８年間に及ぶ過程を創設することとなるでしょう。また、この立法は、子供の頃に不法に入国した人々のために、より迅速な市民権獲得の道を与えることにもなるでしょう。
２．法案の内容はどのようなものか。
この法案の下において、国内に違法に滞在している移民たちが、２０２１年１月１日、あるいはそれ以前に、米国に滞在していた場合、合法的な滞在者となることを申請することができます。申請者は、必要な経費のすべてを払わなければならず、ほとんどの場合、犯罪歴を有しないことを必要とします。
一時的に保護された滞在有資格者、農業労働者、子供の頃に米国に入国した者には、特別な要件があります。そのような子供たちは、「ドリーマーズ」と呼ばれています。
ハッサン・アフマド氏は、ヴァージニア州に移民弁護士です。彼はVOAに、「犯罪歴をあるいはある種の犯罪が記録に残っていたり、あるいは国家安全保障上懸念されている人物の場合には、本法案の下での救済を受けられないことになるでしょう。」と、語りました。
申請者のための最初のステップは、合法的に保護された移民身分(LPI, lawful protective immigrant status)を獲得することです。それは、米国において法的な永住資格を持つための一つの方法です。LPI身分は、６年間有効とされるものです。
しかし、移民は、グリーンカード身分としても知られている法的永住資格を申請するのに少なくとも５年待たなければなりません。彼らは安全保障調査を通過し、米国法で要求されるすべての税金を支払う必要があります。グリーンカード身分での３年の経過の後、移民は米国市民権を申請できるようになるでしょう。
LPI身分を持つ者は、合法的に働き米国外に旅行することができ、合法的に国内に戻って来ることができます。LPI身分取得過程にある移民たちは、政府が彼らの申請を審査している間は、国外追放されることなく保護されます。
米国に一時的に居住していたり、ビザで訪れている人たちは、この法案の対象にはなりません。
３．どのグループがLPI身分の申請をする必要がないか。
幼児不法入国者送還猶予措置(Deferred Action for Childhood Arrivals (DACA) )プログラムに参加できる人、あるいは既に参加している人は、直接、グリーンカードを申請できます。グリーンカードを直接申請できる他のグループには、一時的保護身分資格者や、少なくと５年間農業労働者だった人たちが含まれます。これらのグループはそれから、米国市民権の資格を得るために５年間待たなければなりません。
現行の移民法の下では、１８０日以上１年未満、米国に不法滞在している者は、３年間米国に戻ることを禁止されています。１年以上米国に不法滞在している者は、１０年間禁止されます。
今回の法案は、米国に不法滞在し、その後出国した者に対するこの３年および１０年の入国禁止措置の終了を求めています。
４．難民受入れ数の増加
米国はまた、１０月から、毎年最大１２万５０００人の難民を受け入れる準備を進めています。これは、ドナルド・トランプ前大統領政権の終了時における１万５０００人の難民枠からの増加です。今回の発表は、アブリディザク・ノーア・イブラヒムさんのような人々の生活を変えることができるでしょう。
イブラヒムさんは、ソマリア出身。２００４年に同国を離れ、ケニアのナイロビで難民となりました。イブラヒムと彼の家族は、２０１７年初頭に再定住のために渡米することが承認されました。しかし、そのときの大統領トランプ氏は、ソマリアを含むいくつかの国々からの渡航を制限する命令に署名しました。
イブラヒムさんはVOAに、渡航禁止令を聞いて気分が悪くなったと語りました。「しかし今は、政権交代があり、米国に受け入れられ連れて行ってもらえるだろうととても希望に満ちています。」と語りました。
大統領は、１０月における難民受入れ上限を決め、その計画案を議会に送付します。
ヤエル・シャッハー氏は、国際難民救済協会(Refugees international, RI)に所属しています。彼女によると、２０２０年１２月時点で３万５０００任以上の難民が米国移民帰化局(United States Citizenship and Immigration Services)によって承認されているといいます。米国国務省によると、２０２０年に米国に入国した難民は１万１８１４人程ということです。
シャッハー氏は、「既に米国に再定住している人で、難民として来た人は、家族にも難民として再定住させるための申請をすることができる。」と述べました。
５．安全保障政策
トランプ大統領の移民計画の支持者は、アメリカの安全にとって重要と考える政策を、実行しないことに反対して警告を発しています。ローラ・リース氏は、保守系シンクタンクであるヘリテージ財団の研究員です。彼女によると、トランプ政権の発足当初、難民に関する安全保障調査のためのプログラムの研究があったとのことです。彼女は、その研究に基づく政策が、今後の政権によっても繰り返し行われるべきであると述べました。
「トランプ氏の名前を冠したからという理由だけで、[新政権で]切り捨てられるべきではない。」と、VOAに語りました。
以上[2021/3/7 4:55 JST 所要時間2時間40分程]
Aline Barros reported on this story for VOA News. Jonathan Evans adapted this story for Learning English. Mario Ritter, Jr. was the editor.
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