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色を纏いたい

自問自答ファッションを始めて断服式や試着のたびに写真を撮るようになって気付いたことがあった。

そして、気付いたことをさらに検証すべく三色コーデ30日間チャレンジをしてみた。

色を活かして”なりたい自分”や”見せたい自分”を表現していきたいと思ったものの、なかなかカラフルなアイテムには手を出せずにいた。

自分の好きな物を表明する(色だと身に着けるだけですでに表明になる)ことは自己開示の一種で、自己開示が怖い私にとって、自分の外見に似合う鮮やかな色は、手に負えなさそうで、気持ちがついていかない。
だから色のことから逃げて、服のテイストでどうやってなりたい・似合う・好きを表すか、そんなことばかりを考えていた。
しかし、そうしている間にも断服式の季節や試着旅の機会が訪れ、そこで撮った写真が突き付けてくる。「似合う」を何とかするためには色のことは避けて通れないのでは?と。

ある日、今年の夏の制服を考えるにあたって気になったボトムを試着しに行った。あきやさんの教えに従って、これに合うおすすめのトップスはありますか?と尋ねたところ、少し穏やかな感じの色のシャツを渡された。上下のコントラストは弱めだから、自分ではコントラストが強いことが必須だと思っていても、他人から見たら違うのかな…と不安になった。
着てみると色自体は悪くない気もするけど、細かいところに凝ったおしゃれなデザインなのに、なんだか少し堅すぎるというか野暮ったさが残るというか…決定的に悪いところはないのに、少しずつ合わないところが積み重なった結果あまりよく見えない感じがしたので、丁重にお礼を言って帰った。ただ、なぜだか分からないけど服を脱ぐとき、一瞬だけ、”この夏あいだずっとこれを着ていてもいいのかもしれない”という気持ちがよぎった。

その一方、店員さんに少し穏やかめの色・コントラスト弱めの組み合わせを勧められたことで、こういう気持ちになった。

自分が好きなら迷うことはないのかもしれない。でも、似合うはず…と思っているよりは客観的に一度見てもらおうと決めて、16タイプのパーソナルカラー診断を受けることにした。
伺ったのは、ひすい堂さんhttps://hisuido.amebaownd.com)。
結果は予想通りのビビッドウィンターだったんだけど、セカンドなしという意外な結果があったり、くすみと穏やかさを混同していたことに気付いたり、今まで似合うメイクとは正反対のメイクをしていたことを知るなど、学びは多かった(この辺りはまた別にnoteにまとめようと思っている)。

どんなことであれ、謎が解明していくのは私にとって楽しい。楽しかった気持ちを噛みしめながら電車に乗っていた帰り道、ふと数日前にネットで見た服のことを思い出した。
リネンのブラウスで、最初は白を見ていいなと思った。でも白は決別したはずのナチュラルっぽさがある。黒もあって、黒だとかっこいい感じの中にも一ひねりのあるデザインが活きていて、黒だったらいいかもしれないから一度試着しに行ってみたいと思っていた。そしてもう一色あったのだけど、そちらは違うかな…と思っていたのだ。
「あの違うかなと思っていた色、ベストドレープの中にあった色に近くない?」
慌ててスマホでそのブラウスを探してみる。写真で見る限りそのブラウスの色はベストドレープの色によく似ていた。
しかも、その色は先日試着して夏の間着ていてもいいかもしれないと思ったシャツの色を少し鮮やかにした感じの色なのだ。
これは試着してみるかしかないと思った。最速で行ける日は翌日だ。午後に予定が入っていてゆっくり検討する余地はない。でもそこを逃すと数日行けなくなるから行きたいと思って試着しに行った。

店員さんにネットで見たアイテムを見たいと伝えて、見せてもらう。
何も言う前からその色をおすすめされた。
同色のパンツがあることに気付いて、ブラウスを黒にしてそのパンツを合わせるという選択肢もあるなと思った。
組み合わせを変えながら3通り試着してみた。
色は写真で見た通りで、比べてみると先日のシャツは白の分量が少し多いことが分かり、こちらの色の方がいいということが分かった。ただ、黒も着た時直観的にはいいなと感じたので、試着室の中で撮った写真を比較するため、一旦店から出ることにした。しかし、午後からの予定が迫っていて考えた後に戻る時間の余裕はなかったので結局そのまま帰宅した。

そこからずっと着画やベストドレープの写真を見比べて考えている。
自分の生活スタイルと合うかどうかや、コンセプトとの整合…。
色は合っているけど、袖の形が骨格に合っていないということも気になる。素材もリネンだから、ツヤ感必須の外見にはマイナス要素だ。ただ、活動的でありたい自分を思うと素材はこちらの方がいいわけだから(あまりツヤっと人工的な素材感だと自分がいたい環境に合わない感じがする)、この素材でよく似合う色だということが長所のような気もする。
一番の問題は、着やせには少々マイナスな形の、印象が強くて人に覚えられそうな色の服を、あきやさんほどではなくても2日に1回ぐらいの頻度で着ることになるが、それでも着たいのかということだ。

それでも、制服にしてみたいと思った。この服を着てこの夏を過ごしてみたい。
自問自答ファッション講座を受けて三年近く自問自答をしてきて、あきやさんが考えてくれた制服案がなぜあの制服案だったのかやっと分かってきた今、自分で考えた制服としてあの服を着たい。
今からお迎えに行こうと思う。

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