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2023年創作振り返るほどあるのか

一年に一回は創作についてちょっと書いてみよう……と毎年参加させていただいています。
さて今年は本当に書いていない。
短いものは書いていましたが、長いものは少ない。けれど振り返ってみましょう。企画に参加してワイワイしている所の片隅で賑やかな空気を少しは吸いたいじゃないですか。


1月~3月

記録も記憶もない。
創作に関してはほぼ頭の中で全部こねるか呟くかなので、記録と呼べるものが爪先ほどもなかったです。
しかし書いていて思いだす。この頃おそらく、書き出し祭りという企画に惹かれていたことを……(多分原稿提出のために書いていたはず)

書くこと少ないので映画はこんなの観てました。

イニシェリン島の精霊
ずっと乾いた海風が泣き続けているような感覚。文学的な映画かも。
戦場のメリークリスマス
戦争を題材にした作品として最高だと思います。
エンドロールの続き
インドの映画監督の実話をもとにした映画。インド版ニューシネマパラダイス。
BLUE GIANT
音の見える漫画が音の見える映画に。今描かれている音をどういう言葉で表せるかなあと考えるのも楽しい。
シャイロックの子供たち
阿部サダヲさんは台詞以外で細かく感情を表現する俳優さんだなあと思いました。物書きで言うなら行間を埋める演技のような。これも面白かったです。
シン・仮面ライダー
映画刀剣乱舞ー黎明ー
面白かったので普通に楽しんでいた+口に合わない部分もありました。
グリッドマンユニバース
パワー!!!!!

4月

書き出し祭りの本文が公開され虫の息。タイトル+あらすじの公開から始まり、上限4000字の本文が公開、全て匿名のため誰が何を書いたかは結果発表までわかりません。
覆面企画を思い出しますが、こちらはより追い詰められる切迫感……タイあら感想からずっとドキドキしていました。なにせ感想が鋭い。思ってもみなかった所、意図したとおりに読み取ってくれた所など、感想の一つ一つに力をもらいました。
書き出しは物語の導入として大事な部分、そこでどれだけ読者をつかめるかという力の強さをタイあらと上限4000字の本文で殴り合うわけで、アイデアや文章の面白さ、構成の妙が全4会場全てで異なるのが本当に面白かったです。
当時も思いましたが皆さん何を食べたらそんな発想が出てくるのでしょうか。肉?

「小指の従者」
提出したのがこちら。ゴリゴリ暗いファンタジーの書き出し。
最初は「妖精殺し」というタイトルで、ウルファドによる妖精への復讐劇のようなものを考えていましたが、リルの存在が冒頭から思いの外大きく、それなら二人の旅にしてウルファドの在り方に視点を変えて現行のタイトルになりました。
今のところ続きを書く予定はないのですが、簡単ながら最後までは考えています。ちゃんとウルファドにもリルにも、女王陛下にも救いはあると思う結末。

そしてこの頃さなコン3のお知らせが出てきたんですねー。書き出し祭りの感想書きながらネタ考えていました。

5月

さなコン3に作品を提出出来てホッとしたようなしていないような心地。
お祭に参加してワイワイ賑やかな空気を吸いたい気持ちと、一次を通ってみたい気持ちとで書いたり読んだりしました。

猫とオッサンとでわちゃわちゃさせたかったんですよこの時。どちらもSFとの相性はいいのでは。しかし書いても思う説明くささ。

何でか月の始めに二次で燭台切の話も書いていました。

これに関しては弁当の玉子焼きを作っている時に思いついただけのような。
……4月から5月頑張ってたなあ!
そして5月に書き出し祭りの結果が発表されて、ありがたいことに会場3位、総合11位へ入らせていただきました。祭り全体の作品の雰囲気からは離れた話だと思っていたところ、上手く刺すことが出来たようでした。

観た映画
PSYCHO-PASS PROVIDENCE
他のこと考えて観ている余裕なかったな。
フリークスアウト
これも同じく。普通に笑って楽しめる。
岸部露伴ルーヴルへ行く
背景や光の加減が美しかった。情景描写を考えるのも楽しかったです。
シネマ歌舞伎「鷺娘」
美!!!何もかもが美しい。言葉にしたいけど言葉に出来ない圧倒的な美。

6月

さなコン3作品読みながら緩く気持ちがキリキリしていた頃。
SFは特に思うのですがどこをつつけばそんなアイデアが出てくるのかびっくりするような作品ばかりで始終驚いて+楽しんでいました。サメとか。
SFは自由、というけれど自由の仕方がよくわかっていない。仕方、と言っている時点でまだ自由でも何でもないのですが。

7月

さなコン3の一次の結果が発表された頃でしょうか。休憩中に眺めて落ちた落ちたと思っていたらたまげたことになっていました。あと一歩でしょう、としてコメントをいただきました。

主人公の考え方や心の動き……!説明に留まっているために共感しにくい……!自分が感じていた違和感を言葉にしていただいただけでなく、アドバイスまでいただいて嬉しいやらびっくりするやら。
しかしこれがうまく昇華出来ずにまだもそもそとしていますこれを書いている12月現在。
どうしてもSFを書くとその構造を書かねばと思ってしまうんですよね……それで置いてけぼりになる心の動き。それをリンクさせればいいのだろうか。難しい。
この少し前に見たのが
老人Z
MEMORIES
というアニメ映画でした。思い返してみればこれらは説明はほとんどせずに(あったとしても「そういう役割」のようなキャラがいる)、キャラクターの言動と風景描写で世界観を作り、その中で自由に物語を動かしている感があるなあ。どちらも非常におすすめなので是非とも。

他に観たものが
ミッション:インポッシブル デッドレコニングPART ONE
ヴァチカンのエクソシスト

前者はスカッと観られる。後者はパワーでホラー。ただ怖くするだけでなくちゃんと人としての面白味も出してくる。

映画じゃないけど歌舞伎刀剣乱舞にはまった頃でしたね。物語のバランスがとても良かった。主従、恋、怨念と本当に面白かったです。

この頃「文披31題」という企画に参加させていただきました。一日一題、お題にそって物語を書いていきます。お題の先取りはだめ。遅れて参加、つまんで参加、日程がずれての参加もどうぞとゆったりした企画でここ数年楽しく参加しています。毎日違う物語を考えるのが新鮮で、自分は毎日思いついたものを書いていましたが、人によっては長編にしたりと構成が違って面白いですよね。

8月~11月

記録も記憶もないですね(2回目)。
あ、8月の頭頃に第18回書き出し祭りの全感想を書き終えていました。全部読んで気になる点や好きな所を上げていくと、自分が書く時にどうやってその点を解消・参考にしていくかのお手本になります。

あとは、あちこちへ行って色んなものを観てきました。夏の姫路城は修行。
三井記念美術館で行われていた超絶技巧展は作品や技術への愛情や執念を感じられて溜息しか出ないのでおすすめです。

再び書くことが少ないので観た映画。
キラーズオブザフラワームーン
レオナルド・ディカプリオのクズさとロバート・デニーロの怪演が震えるほどいい。実話が元。真綿で締めていく恐ろしさを見られます。
大雪海のカイナ ほしのけんじゃ
山場の作り方と見せ方で感情の曲線が綺麗に上下する。話の持っていき方を考えながら観ていました。
シネマ歌舞伎「高野聖」
演技なのに文字を追っているかのような美。
ザ・クリエイター 創造者
AIの在り方についての一つの考え方を観て、自分も考える。
シン・ゴジラ:オルソ
色を変えることで「見えにくい部分」への恐怖が増す。
ゴジラ-1.0
人生をゴジラが文字通り壊していくんですよね。ただ命を奪うだけではなく、そしてその行為に意味がない。
シネマ歌舞伎「天守物語」
美!!!冒頭の釣りの場面は自由に文章化したら個性が出そう。

12月

今年は書いたものが少なかったな……と11月の末頃から振り返っていたら、不意に冬の鶴の群れの中にいる鶴丸国永が浮かんできて書いたものがこちら。

「彼らのはなし」は刀剣男士の話ではあるのですが、その辺の風景や人、誰かの日常の中にひっそり混じる彼らの片鱗を感じるような、そんな話でもあります。そのように思っています。神様はそういうものだと思う。
鶴丸国永がまさかこんな静かな話になるとは思いませんでした。

最後の月はこんなものを観ていました。
ナポレオン
別角度からのナポレオン像。この人はどういう人か、というのを周りの視点から考えたりもしました。
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
これまで通って来た(あるいは無意識に踏んできた)オタク要素の数々をみっちり詰め込んでいました。自分の好きを再確認するのによかったです。

ちょいちょい記録の抜けている部分もあるので、観た映画から何を感じたとか思ったところも少し書いてみました。

オプションテーマの「記録と記憶」は、これで書けているかな。

まとめ

今年は考えている期間の方が長く、書いては消しがほとんどでした。さなコン3でもらった言葉を参考に心の動きがわかりやすくなるよう、と短い話を書き続けましたがそれでもまだ上手くつかみ切れてはいないかなあ。
ただ、その中で自分の書き方のようなものが少しずつわかってきた……気はします。まだSFはよくわかっていません。というかあれはジャンル幅が広すぎてSFという中に多くのジャンルが包括されそうな感じもします。そう考えると自分が得意と思っているファンタジーと同じ感覚でとらえるのもありか、とこの記事を書きながら思いました。

ひとまず来年。
ここ数年書くのに悩んでいる二次創作「遡行軍のはなし」打刀編は一旦わきに置いて、話が固まりつつある槍編と大太刀編を先に書こうかなと考えています。一度頭をリセットしよう。
一次創作も息抜きに思いついたら書く。本を作ってみたい、という願望は消えていません。
それと健康第一です。今年は寒くなってすぐに腰を痛めたのが自分でも驚きでした。元気でなければ憧れの人にも会いには行けない。今年は思い切って会いに行けたのが……一生の思い出になりました……本当に。

というわけで、長々とお読みくださりありがとうございました。

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