Reparataは問題児である
非常に情報の少ないガールズゴーラスグループであるが、なぜを今回取り上げようと思ったのかは理由がある。
それは彼女が非常に問題児だからである。
誓って言うが、これはけなしている訳ではなく褒め言葉である。
前回The Smithsの記事で彼女のソロ曲であるshoesを取り上げたが、歌詞の意味を調べてその意味があまりにも幸福とはほど遠いものだと知って驚いた。
特に躊躇にその傾向が現われているのがこの部分で、「彼らが安全で真実であるように」、「ルイーズが踊り始めると/ジョニーは他の女の子と笑顔を交わした/彼らはどこかで隠れた愛を交わすだろう/どこかで愛を交わしている間にこれを満たす音楽がある」
これはどう解釈したとしても、主人公のジョニーとルイーズを語り手であるReparataは祝福していない。
むしろ全ての結婚は愛と喜びで満ちあふれたものではないとABBAなどのディルコグループを否定するかのようだ。
Reparataは教師であり、shoesのコーラスは彼女の教え子である6年生の生徒たちであるらしい。
6年生といえば日本でも多感な時期あり、早ければ思春期の兆候がある。
そんな年齢の子供たちにこんな歌詞を歌わせるReparataは「あなたたちが将来愛する人を見つけても、その人が必ず誠実であるとは限らないのよ」と教えているようである。
しかもshoesの中で上記の歌詞は2、3回はくり返され、子供たちのコーラスによって強調される。
実にネカディブで、辛辣でサウンドもどこか中東のアレンジというか、結婚そのものを否定するねじれたアレンジに聞えてくるのだから不思議だ。
なるほど、モリッシーが好きそうなタイプだと思う。
彼もまたあの結婚を否定するあの曲こと「William, It Was Really Nothing」を書いているからである。
そもそもこのshoesがリリースされた1976年にはこんな経緯がある。
ReparataがReparata and the Delronsでの活動をやめ、ソロでReparataとして活動しはじめた第一作目がこのshoesであるのだが、残されたメンバーの許可なしにの名前を使い裁判になっている。
しかも、Reparataが移籍したレコード会社が問題を解決しないうちに彼女のソロデビュー曲を出してしまったのである。
こうした経緯があり、shoesはある意味で「曰く付き」と言えよう。
「母は虐待をしなかった/彼女は靴を忘れなかった」という有名な一説も裏をとらえれば新婦であるルイーズに対して母親の愛情があまり感じられないようにも思える。
つまり、彼女は娘の夫となる恋人をよく思っていないのである。
ちなみにReparataはReparata and the Delrons時代に「Tommy」や「Lollipop」などのヒットを出しているが、こちらはティーンエイジャーの甘酸っぱい恋の歌である。
Reparataはこうしたある意味で、同時期のロネッツやシャングリラスといったグループのような現実を教えない甘い歌に不満を感じていたのではないかと思う。
Reparataという名前は彼女のお気に入りの教師から取られたというが、聖人でReparataという若いうちに殉教したカトリックの聖人も出てくるがこちらが名前の由来ではないかと思う。
ジョニーとルイーズの行く末を見守るように。