プロデュース?
展覧会が終わった。
この人達だけが残った。
結局箱書きはしてもらえなかった。
(断られた訳ではないのだけれど、忘れられていた=関心事ではなかったのだと思う。)
それは結局これらは私の関心事であり、元の版画の作者の手を離れた、ある意味私の作品になったからなのだろう。
子どもの頃から既に家にあった軸や、これまで作家の方の作品展で私が買った軸は作家の方、もしくは画商の方がプロデュースしたものだったのかなぁ。
なので、箱書きするとしたら、自分でするべきなのかもしれない。
誰の作品を、いつ、どこで、お願いしたのか、的なことを。
一つずつ振り返ってみる。
それぞれの意図は
同じ作品も軸装が違えば。
軸装と額装
勿論、額装にケチをつけているわけではない。
額装もいいけれど、巻いてコンパクトに収納でき、軽く、掛け替えること前提の軸装はどうでしょうという提案だ。
裂の色、素材、デザインを選ぶ。
軸先の素材を選ぶ。
筋や筋回しの色も選んだのだっけ。
職人さんにお任せしたのもあったような。
お願いして想像以上のものに出来上がって来た時の喜びは格別だった。
実際に展示してみていただいたコメントで、面白いと思ったことを、覚え書き的に記しておきます。
身が引き締まる思いがした。
住宅展示場で展示するといいと思う。
表装って丁寧な仕事なんですね。
1について:
作品の上下にこれだけの空間が加わることにより、必然的に「間」ができ、額装とは違う、一つの宇宙が完成するからなのだろうか?
2について:
確かに、こういうものを通じて掛け軸のよさを啓蒙する為にはいいのかもしれない。
フローリングの壁にピン1つ→伝統的か金具の提案や置床の提案→やがては畳の間や床の間の提案になるかも。
3について:
確かに家に掛け軸がなく、身近に手に取って見たことがない人もいるだろう。
そんな時、上に上がって近寄って見ることのできない床の間にあるのではなく、すぐそこにある状態で見ることができたのはよかったと思う。
今回こられの軸は全て、京都市伏見区の丸栄ガクブチさんにお願いしました。
とても気さくに親切に相談に乗ってくださいました。
軸装は、確かに額装と比べると費用がかかるかもしれません。
でも、一つの作品に新たな息吹を吹き込む力がある。
作者自身の意図で為されることも、表具屋さんが任されることもあるでしょう。
でも、額装と同じく、作品を手に入れた人が自分の好みでインテリアに合わせてお願いすることもできるのです。
と、考えると、床の間って、ニュートラルで、懐が深いな、と、改めて思いました。
どんな庶民の生活にもたとえ小さくても季節感のある何かを飾る為だけのスペース床の間があった、って、豊かだなぁと思います。