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COP16で先住民とアフリカ系の人達の地位確定

COP16の合意では、日本では遺伝資源の利用に関する支払いに注目が浴びると思いますが、先住民の意見をしっかり反映させる仕組みに合意が得たことも大きな成果と言ってよいと思います。
更に画期的なのは、今回、いわゆる先住民だけではなく、アフリカ系の人々についても、同様の権利が与えられることになったことです。
無理やり奴隷としてアメリカ大陸などに連れてこられたアフリカ系の人々の末裔は、先住民がそうであるように、アメリカ大陸とカリブの島々で、自然とともに生活し、自然を保護する役割を果たしている場合が多いと言われています。
今まで生物多様性条約の中で無視されてきたこれらの人々が、先住民と同等の位置づけを得たことは、本当に画期的なことだと思います。

ビジネス側から見ると、従来の先住民に、アフリカ系の人達が加わる訳ですから、明らかに総数は増えることには着目が必要だろうと思います。
一般的に、先住民は、それぞれの国では少数派です。
しかし、アフリカ系の人達は国によっては多数派になります。
この2つのカテゴリーが合わさると、今までとは異なり、相当の発言力を持つ可能性があります。
今回、新しく先住民組織が公的に生まれます。彼らは国境を超えて団結する可能性が高いと思います。
今までのような、疎外されている可哀想な人達ではなく、しっかりと交渉をしてくる新たなパワーが生まれたと取る方が正しい気がします。
自然資本への対応に、CSRではなく、本当の意味でCSVとして対処することが、益々、私達に求められてくるはずです。