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オムニバス草案が公開されました。
驚いたことに、約束通り26日にオムニバス草案が公開されました。
ほぼ、リークされた通りのようです。
リリースは以下で確認できます。
草案そのもののPDFは下記のとおりです。
主な内容は以下の通り。
◯ CSRD
・対象範囲から約80%の企業を除外
・報告を2年間延期(28年)
◯ EU タクソノミー
・報告義務の負担をCSDDDの範囲に限定
・財務的重要性のしきい値を導入し、レポートテンプレートを約 70% 削減
・重大な危害を与えない(DNSH)基準を簡素化
◯ CSDDD
・対処を直接の関係者に限定
・監査を1年毎から5年毎に緩和
・民事責任項目を撤廃(被害者の救済は別途保証)
・1年延期(28年)
◯ CBAM
・中小企業と個人を免除
まだ読みきれていませんが、Q&Aも公開されています。
既に推進派からは批判の嵐となっています。推進派からも、実際には簡素化にはならないという意見もでています。彼らが批判している部分が課題点になりますので、これらの意見はEU規制を理解するのには参考になると思います。
また、批判しているように見える各種の声明も気を付けてみることが必要ではないかと思います。
例えば、フェアトレードやRAが下記の声明を出しています。
「Fairtrade International 、Rainforest Alliance 、Solidaridad Network とともに、私たちは共同立法者に対し、これらのロールバックを拒否し、ハッシュタグ#CSDDD の公正かつ効果的な実施を確保し、必要なガイドライン、ツール、リソース、およびその本来の目的を維持するための付随する措置を提供するよう強く求めます。」
でも、これは「今まで通りのCSDDDをやれ」と言っているのではなく、最後の「本来の目的を維持するための付随する措置を提供するよう強く求めます。」を言いたいのです。つまり、CSDDDを行う際の支援がないことを暗に批判している訳です。
どのような団体でも、「オムニバス草案大賛成!」とは立場上言えない雰囲気の中での声明は、言葉通りではなく、その意味するところは良く考えて読む必要があると思います。
後、誤解してはいけないのは、これがEU指令だということです。これとは別に、EU各国は法制化において独自の内容は追加可能です。よって、推進派の国では実際の法律は緩和されない可能性もあるので、結局は対象となる国を専門としている弁護士に頼らないといけない構図は変わらないと思います。