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女性こそビジネスクラス!#1 「女性が『女性』を強みに頑張れる社会」を実現していくYoko Shimadaさん

ビジネスクラスに搭乗すると見渡す限り男性ばかり…。女性の社会進出が当たり前になったはずなのに、悲しいかなこれが現実。でも泣き言だけでは何も変わらない!
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本企画では女性が本当に活躍するためにビジネスクラスという観点からアプローチ。今回はビジネスクラス利用者で仕事と子育てを両立させる、女性のためのアパレルブランド『MITERA』のファウンダー兼CEO、Yoko Shimadaさんに取材を敢行。

◆Profile◆
Yoko Shimada(@miteracollection)/MITERA CEO/40代
移住地:D.C.歴11年→Dubai6年

Q1:どんな仕事をしていますか?
「お仕事も子育てもプライベートも頑張っている、今時の女性たちを支える為に立ち上げた『MITERA(ミテラ @miteracollection)』のファウンダー兼CEO。また、グローバルヘルスのスペシャリストでもあります。」

Q2:はじめてビジネククラスを利用したのはいつですか? 渡航先、渡航目的は?
「はっきり覚えてないなぁ。確か、世界銀行でのアフリカ出張か、グローバルヘルスのコンサル会社で、アメリカ政府が出資していたエイズのプログラムのサポートでのアフリカのウガンダ出張だったと思います。」

Q3:グローバルヘルスのスペシャリストとは?また、転身してミテラを立ち上げた経緯や理由も教えてください。
「グローバルヘルスのスペシャリストというのは日本でいうと公衆衛生の専門家で、世界的に、特に途上国のヘルスの問題を改善したり解決したりするサポートの仕事です。私の専門はinfectious Disease Control(感染性疾病管理)、Health Financing(医療財政)、Health Systems Strengthening(保健システム強化)、 Evaluation(査定)などです。転身してミテラを立ち上げた理由は、自分がキャリアを築きあげている30代半ばで母親になった時に、働く女性・母親の辛さを身に染みて経験したことから始まります。Public Health(公衆衛生)の専門家としてやはり、母乳で子供を育てたいと思い、3ヶ月の産休後に仕事復帰した時に、オフィスで搾乳する際、サポートシステムや設備があまり整っていなくてびっくりしました。親になるのは嬉しいことであるのに、仕事場ではそれが後ろめたく思ってしまう環境がありました。女性がもっと堂々と、自信を持って、子育てとキャリアを両立できる社会を作りたい、頑張っている女性を応援したいという思いで、ミテラを立ち上げました。」

Q4:はじめてビジネスクラスを利用したときの気持ちを教えてください。
「特別な感じがしました。でも途上国の支援の仕事をしているのに『ビジネスクラスなんてもったいないな』と思う部分もありました。ビジネスクラスに乗るお金で、どれだけの人の生活が変えられるかと思うと…。」

Q5:確かにその違和感はありそうですね。その一方で世界をより良くするために働いている人の移動中の負担を下げることも必要そうですが、どう思われますか?
「そういう見方もできますね。実際私は働きすぎ、出張多すぎで体を壊しているからね。やっぱり頻繁に長期の出張に行く場合は、ビジネスクラスに乗ることによって、負担は下がりました。だけど、100万円ぐらいの予算をワシントンからアフリカ出張の飛行機移動のためだけに使うのは正しいことなのかなといつも疑問に思っていました。」

Q6:ビジネスクラスを仕事で利用する女性の搭乗率は、男性に比べてどのくらいだと感じますか?
「どうかなぁ、10%ぐらいでしょうか。」


Q7:仕事でビジネスクラスを利用する女性がもっと増えるには、どんなことが必要だと感じますか?
「女性が働きやすいビジネスの環境を作ること。子育てと両立できる体制を会社単位でなく、国として作っていくこと。性別差別を社会からなくすように努めること。女性だけでなく、両性が子育て、プライベートと仕事を両立充実させられるように、ビジネスライフにフレキシビリティを導入すること。そして、積極的に女性をアッパーマネジメントに推薦すること。男性と同じ仕事をしている女性に同じ権利やお給料を支払うこと。」

Q8:女性の搭乗率をあげると、女性のビジネスシーンでの活躍が広がると思いますか?
「女性のビジネスクラスの搭乗率が低いというのは、ただ単に乗る女性が少ないということだけではなく、いろいろなことが影響していると思います。例えば、世界のFortune 500(アメリカのフォーチュン誌が毎年1回発表している、世界中の会社を対象とした総収益ランキング)の会社の代表取締役の女性の割合はたった4.8%で圧倒的に少ないです。世界49カ国の女性役員の割合を見ると12%程にしか及ばず、会長になると4%に落ちます。ビジネスクラスの女性搭乗率を上げるには、エグゼクティブレベルで働く女性の割合を増やすこと。そして、男女同一賃金(簡単ではないけれど)という目的に向かって、社会、世界が変わっていかなくてはならないと思います。

Q9:ビジネスクラスを利用する際、お気に入りの航空会社は?その理由も教えてください。
「Emirates, KLM, BA, Singapore Airline, JAL, ANA」

Q10:長時間のフライトを快適に過ごす、あなたなりのコツは?
「Boseのヘッドホン、 アイマスク。
大学院を卒業してから、1ヶ月に2回ぐらい10−14日間ぐらいアフリカ出張に行ってて、睡眠薬・カフェインピル依存みたいになって、夜眠れなくなってしまったの。働きすぎね。それで、パニックアッタクみたいな症状が続いて、心臓のスペシャリストに行ったら、ちゃんと自分の健康を維持しなさいと言われました。それからね、大人になって(若いときは水泳とか、陸上とかしてました)運動し始めたのは。それでまた寝れるようになったのだけど、今でも、アイマスクがないと眠れません。:-)
ヘッドホンは、20年ぐらいずっと使っているブランドで、出張が多い私のために、旦那がプレゼントとしてくれました。でも、一回飛行機の中で、座ってしまって壊れたのだけど、Boseに電話したら、新しいのをタダ(新しいのを古いモデルの差額だけ払ったかな?)で送ってくれたので、それからずっと使ってます。Noise Cancellationの機能が好きです。」

Q11:エコノミーとビジネスクラスでは、どういった点が最も違うと感じますか?
「値段。サービス。食事。スペース。」

Q12:フライト中は主に何をしていますか?飛行機の中での時間の使い方を教えてください。
「普段忙しくて観られない映画やテレビ番組を見る。ドキュメンタリーが主です。」

Q13:飛行機に乗る時のスタイルはありますか?
「大きなジッパーで閉められるトート、クヤナ(@cuyana)が気に入っています。ヴィンスのオーバーサイズのセーターコートとレザースリップオンシューズ、着慣れたジーンズに黒いコットンの長袖シャツ。」

Q14:海外出張の時に持っていく必需品は何ですか?そのストーリーも教えてください。
「メガネを二つ。一つは預け荷物のトランクに入れ、もう一つは機内持ち込みのバッグに。目がとても悪いので、コンタクトやメガネが途上国でないと最悪なのです。
途上国に長期で滞在していた頃は、DVDを大量に持っていっていました。テレビとインターネットに頼れない環境にいる時は、よくコンピューターでDVDを観ました。
あとどこでも運動できるように、ランニングシューズと服。」


Q15:『自分らしく働く』とはあなたにとってどういう働き方?
「好きなことをするというだけではなく、自分が今まで培ってきた、Moral Compass(倫理・道徳基準)に従って、何か人のためになることをすること。」

Q16:働くモチベーションは何?
「自分と世界の向上。未来の子供のために、もっといい世界を作ってあげたい。」

Q17:自分らしい生き方や働き方を選択するために、心がけていることは?
「自分に厳しくすること。仕事をしない時間を作ること。毎朝、トライアスロンのトレーニングなど、電話やコンピュータのに触れない時間を作って、体を動かし、汗をかくこと。」

Q18:今後、どのようなスキルや意思のある女性がそう行ったシーンで活躍されると思いますか?
「ビジネスの世界は刻々と変わっていく。テクノロジーの進化で、そのスピードがますます速くなったと感じます。グローバル化もどんどん進んでいきます。
世界で活躍したいという意思があるのなら、怖がらず、自分の殻から、自分が気持ちいいという環境から、外に出てみること。一回出ると、次は少し簡単になるからね。世界のいろいろな人たちと切磋琢磨して、学べる環境に身を置き、色々な経験を自分から積極的に探していかなくてはならないと思います。オープンマインド、チャレンジ精神、好奇心、勇気、諦めないという闘志感、それと謙虚な気持ちを持っていれば、確定のスキルとかではなく、どの分野でも世界的に活躍できる女性になれると思います。女性には決して優しくない・甘くない、ビジネスの世界。その中で、女性が『女性』ということを強味に、長所を活かしながら、頑張れる社会を作っていきたいなと思います。」

Q19:あなたのモットー(座右の銘のようなもの)は?
「You only live once.(人生は一度きり)」


《編集後記》
責任が大きい仕事を持つ人ほど、任された仕事を最大限に発揮できる環境を整えることが必要で、移動時間も重要なポイントになってくる。ビジネスクラスにはその環境があり、さらにモチベーションやプレッシャーなど成長を高める心地の良い刺激さえも備わっている。Yokoさんも心地良い刺激を感じながら、「女性が『女性』を強みに頑張れる社会」の実現に向けて歩んでいるのかもしれませんね。(by Mei from Dubai)


クリエイティブプロデューサーMutsumiのロサンゼルスでの活動を辛酸なめ子さんがnoteとハフポストで連載中です。そちらもよろしくおねがいします。 https://note.mu/nameko_la