完全栄養食、プラントベースフードトレンド2024:ヘルシー×ジャンキーな美味しさで大ヒットの方程式
体に必要な栄養素をバランスよく配合した「完全栄養食」、植物由来原料で作られた「プラントベースフード」は、食品業界でのトレンドの1つです。
この2つをコンセプトにした製品が数多くの食品メーカーから発売されていますが、ヒットの方程式の1つとして「ヘルシー×ジャンキーな美味しさ」がトレンドになっていくと当サイトでは考えています。
まずは、トレンドの事例として「ヘルシージャンクフードを掲げる、プラントベースフードブランド2foods(トゥーフーズ)」の取り組みを見ていきましょう。
「おいしさ」や「健康」の両立を目指したプラントベースフードブランド「2foods」
株式会社TWOが手掛けている、「おいしさ」や「健康」の両立を目指したプラントベースフードブランド「2foods」は、トレンドを作る企業の1つとして注目しています。
「2foods」は都内店舗、オンラインショップで動物性原材料不使用、植物由来原料のメニュー(食事、デザート、ドリンク)など合計約50種類以上を提供しています。
一般的にプラントベースフードは大豆や小麦などから、「肉」、「卵」、「ミルク」、「バター」 「チーズ」などの代替となる加工食品が製造・販売されています。
「2foods」の特徴は、従来のプラントベースフードにありながらも、「ジャンキーな刺激」・「ヘルシーな栄養素」で進化させました。
そして、SNSで映えるだけでなく、ダイエット中でも罪悪感なく食べられるとZ世代に人気になっています。
例えば、オンラインサイトで購入できる「生食感の濃厚ガトーショコラ」。
植物由来の原材料だけで作っているので、濃厚な味わいとヘルシーさを両立しています。
株式会社TWOの最近の動向をウォッチしていると、大手との協業が非常に目立ちます。
味の素と協働で、次世代型プラントベースプロテイン「2Protein」を開発。
ソイプロテインとロイシンを高配合した全9種の必須アミノ酸により、ホエイプロテイン20gと同等のトレーニングによるカラダづくりをサポートできるサプリメントを発売しています。
ラッパーの$HOR1 WINBOYとシンガーのAshleyとコラボして、コンセプトソングを作成し、Z世代への認知拡大に取り組んでいます。
カゴメ と共同開発したのがプラントベースエッグ「エバーエッグ」。
にんじん、白いんげん豆を用いた、「野菜半熟化製法」で卵のふわとろ食感や色合いを実現しており、これを使ったオムライスも販売しています。
ギャル雑誌「egg」とコラボするなど、Z世代へリーチし認知拡大に取り組んでいます。
大手と提携が目立つ、注目のスタートアップ「2food」。
その背景として歴史と実績のある大手企業の蓄積された製品化ノウハウ、「TWO」の持つブランディングが上手く組み合わり、世の中のトレンドを生み出してるようです。
さて、ヘルシー×ジャンキーな美味しさのトレンドは、プラントベースフードブランド「2foods」だけではありません。
食品メーカーから発売されている完全栄養食、プラントベースフードへも目を見ていきましょう。
プラントベースフード、完全栄養食で広がる、ヘルシージャンクフードまとめ
2023年に発売された「完全栄養食、プラントベースフード」を中心にヘルシージャンクフードをまとめました。
日清食品・完全メシ テリヤキチキンピザ
「日清食品・冷凍 完全メシ テリヤキチキンピザ」は、炭火焼風テリヤキソースとこってりしたマヨネーズの風味を合わせたソースをナポリ風の生地にのせたピザ。1食・税込861円で2023年9月に発売されました。
トースターで焼けばカリっと、電子レンジで温めればもちっとした食感に仕上がりになります。
テリマヨでジャンキー、なのにビタミン・ミネラル、タンパク質がしっかりとれるバランスの良さが魅力。
湖池屋・カラムーチョ完全飯
「湖池屋・完全メシカラムーチョ ホットチリ味」は、「完全メシ」シリーズでは初となるスナック菓子。2023年10月にコンビニエンスストア限定で発売しました(参考小売価格190円前後)。
ジャンキーなお菓子が食べたい!という欲求が抑えられないときでも、辛旨やみつきなおいしさを楽しみながら、体に良い栄養素をしっかりと摂取できます。スナック菓子=不健康な食べ物という時代は古いかもしれません。
味の素・完全栄養食「One ALL」
「One ALL」は味の素が発売した女性のための完全栄養食で、<濃厚クアトロフォルマッジのスープパスタ>、<バターチキンカレー風味のスープパスタ>の2種類を発売しました。
2024年1月18日にD2Cサイト(AJI MALL)限定で発売しました(5食入 2,990円(税込))。
食べ応えのあるスープパスタに33種類の栄養素を配合しており、女性に不足しがちな鉄分についても必要量しっかりと摂取できます。
また、糖質・脂質は減らし低カロリーなため、ダイエットしたい女性のニーズもしっかりと抑えています。
2foods・エバーチキンナゲット
「2foods・エバーチキンナゲット」は、ソイミートを使ったジャンクフードの新たな選択肢となるプラントベースナゲットです。2022年に1袋・¥1,980円で発売されました。
普通のナゲットのようにサクサクでギルティーな味なのに、身体に優しくてちゃんと美味しい。
店頭で食べると、カラフルでジャンク感あふれる「2foodsジャンクソース」が付いてきます。
たんぱく質豊富な豆スナック、カルビー・さやだいず うましお味
「カルビー・さやだいず うましお味」は、大豆粉を使ったタンパク質が豊富なスナック菓子。2023年4月に新発売されました。
「えんどう豆」のおいしさが楽しめるロングセラー商品「さやえんどう」ブランドから、タンパク質リッチな製品として登場しました。
うまみの効いたお塩を使用した大豆の風味豊かな味わいで、塩味も強めなのでおつまみには最適です。
プラントベースフードの文脈には乗らないですが、健康なのにヘルシーな点が新しいと思います。
ウエルシア薬局・大事なからだに 大豆スナック 高たんぱく
「ウエルシア薬局・大事なからだに 大豆スナック 高たんぱく」は、たんぱく質22g入ったビーフコンソメ味のお菓子。2023年5月より全国のウエルシア薬局にて発売しました。
プロテイン1杯分のタンパク質が、美味しく摂取でき、糖質7.1gと非常に低いです。濃いめのビーフコンソメ味なので、お酒のお供にもぴったりです。
ベースフード・カレーパン
「ベースフード・BASE BREAD カレー」は「甘いパン以外の選択肢を増やしてほしい」という要望を元に2019年発売されました。
2023年に待望のリニューアルし、「生地のふっくら食感と風味がアップ」、「カレーは33%増量」になり、ヘルシーさはそのままに、本格的なカレーで満足感がアップしました。
完全栄養食のBASE BREADはシンプルな味付けが多いですが、カレー味はスパイシーでジャンキー。
ダイエット中でも罪悪感なく食べれるので、ご褒美にも良いです。
相模屋 VEGAN TOFU NOODLE ベジとんこつ風
相模屋食料「VEGAN TOFU NOODLE ベジとんこつ風」は、ヴィーガンレストラン『T’s(ティーズ)レストラン』が監修した2023年9月に発売されました。
電子レンジで加熱するだけで手軽に食べることができます。
具材は入っていないですが「とうふ麺」を使っておりタンパク質7.5g、カロリー106kcalと非常にヘルシーなのに、味は豚骨ラーメンでしっかりとジャンキーです。
ジャンキ×ヘルシーで、進化する完全栄養食、プラントベースフード
完全栄養食、プラントベースフードは食品をそのまま加工するのではなく、既存の食品を再合成する技術に支えられています。
プラントベースフードは植物由来原料を使い、肉・魚料理などの食感・味などを再現した食べ物。
また、完全栄養食は米から無駄な糖質を抜いて、必要な栄養素を添加する事で健康と美味しさを両立できています。
プラントベースフード、完全栄養食は共に、食品を1から構築して設計するため、人間の必要な栄養素・やみつきになる様な美味しさが両立できます。
といっても、今の食品加工技術で完全な美味しさを再現するのが難しいので、濃いジャンキーな味付けで栄養素の苦味などを隠しています。
完全栄養食であればビタミン、ミネラルなどの苦味を感じる栄養素をマスキングするために濃いジャンキーな味付けにすることで官能の課題を解決する。
プラントベースフードであれば、本物と比べた場合にどうしても味が劣ることから、ジャンキーな味付けで誤魔化す
こういったプラントベースフード、完全栄養食のもつ弱点を、ジャンキーな味付けにすることで、カバーしてるのが実際のところです。
「体にいいもの=おいしくない」というのが定番でしたが、プラントベースフード、完全栄養食の普及・技術の発展で「体にいい、しかも美味しい」という時代はすぐそこにきているでしょう。
それを牽引するのは、「ヘルシー×ジャンキーな美味しさ」が必要な方程式と考えています。
まとめ
注目のプラントベースブランド「2foods」や、2023年付近に発売された製品を見てきました。
これらの潮流が今後も続くと考えており、今後は以下のトレンド予測を考えています。
味覚の刺激と栄養バランスの絶妙な融合: 「ヘルシージャンクフード」は、ジャンキーな味わいと同時に栄養素のバランスにも配慮しており、これが消費者に広く受け入れられています。例えば、日清食品の「完全メシ テリヤキチキンピザ」や湖池屋の「カラムーチョ完全飯」など、ヘルシージャンクフードとして新しい食品カテゴリーが登場しています。今後、ジャンクフードのヘルシー化も進んでいくでしょう。
SNS映えと美味しさの追求: プラントベースフードブランド「2foods」のような製品は、SNS映えする見た目と美味しさに焦点を当てており、若い世代に特に人気があります。食事を通じてコミュニケーションや共感を生む要素が重要であり、プラントベースフードにとって重要な要素の1つになるでしょう。
ダイエット中の罪悪感の軽減: ヘルシーながらジャンキーな美味しさを提供することで、ダイエット中の消費者にも受け入れられるような製品が増えています。特にダイエット中の間食・おやつといった領域はまだまだ製品が少ないことから、今後増えていくと想定されます。
以上、商品開発の参考になれば幸いです。
https://note.com/landau__/n/neef3406eb50d
・参考:「プラントベース食品って何?」(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/other/plant_based/assets/representation_cms201_210820_01.pdf
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