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大塚製薬トコエルから見える、PMS改善サプリに必要な要素とは?

月経前症候群(PMS)に関する健康食品に注目が集まってます。
その契機は、2024年1月にアサヒグループ食品が発売した「わたしプロローグ」です。

日本初の月経に関する機能性を訴求した機能性表示食品で、「サプリメントでもフェムケアが当たり前になるかも」と可能性を感じました。
ただ、本製品はDtoC通販で販売されていますが、売れているとはあまり聞かないです。。。

PR TIMES

PMS市場では漢方や低容量ピルという選択肢がメジャーですが、機能性表示解禁により手軽なサプリも市場成長が見込まれます。

そんな月経による体調変化を緩和するサプリメントの元祖は、大塚製薬『トコエル』です。
医療機関で処方され月経前の7日分を摂るサプリで、2021年11月以降にジワジワと売り上げを伸ばしています。

まずは、フェムケア市場を整理しよう

フェムケア市場を整理して行く中で、「トコエル」のポジショニングを整理していきます。

フェムケアとは具体的な言葉に変換してみると、女性の月経、妊娠・不妊、更年期といった女性特有の不調を解決するサービス・モノを指します。
これまでタブー視され、プライベートな問題とされてきた女性の健康問題に対し、社会全体が向き合っていこうという世の中のトレンドです。

矢野経済研究所によると2022年のフェムケア&フェムテック市場規模は695億円と推定しています。
現在普及しているサービスは、専門家相談、健康管理、簡易検査キット、医療支援、その他(卵子凍結、避妊ピル配達サービス等)と非常に多岐にわたります。

引用元:厚生労働省HP

フェムテック・フェムケア市場は大別すると3つの分野に分かれます。

1:月経分野:PMS、月経に関する症状の治療・緩和に伴うパフォーマンス低下を改善
2:妊娠・不妊分野:不妊治療の負荷軽減、生殖補助医療の生産性向上などがあります。
3:更年期分野:更年期に伴う症状の治療・改善に伴うパフォーマンス改善

月経に伴う症状により、離職や昇進辞退、勤務形態の変更を余儀なくされていた女性が、フェムテック製品サービスの利用により、仕事との両立を果たすことで生まれる経済効果は「2400億円」とも言われています。

女性個人だけでなく社会全体の問題でもあるため、企業も関心を寄せており、「丸紅」や「野村グループ」が福利厚生の一環としても試験的に導入しています。


月経分野のソリューションは大きく2つあります。

  • 健康管理:月経に関する症状を把握する(ルナルナなどのアプリ)

  • 医療支援:月経に関連した症状を軽減する(低容量ピル等)

引用元:厚生労働省HP

医療支援はオンラインピル処方サービス等が主流ですが、大塚製薬『トコエル』も医療ルートをメインに販売しています。
低用量ピルとPMSサプリの棲み分けはどこにあるのでしょうか。

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