平砂浦から、ハドソン川に手が届いた話。3) ハドソン川の水は冷たかった。 僕は18歳。 毎日何時間も海に入っていた…高校生。 生まれは海のすぐそば…遊び場はいつも海。 砂がざらつく畳の上で育った。 特に海が好きだったわけではなく、海がそばにあったから。 母親は網元の娘。 父親は漁師で 祖父は神主。 駆け落ちして、この土地に住み多くの兄弟と…僕が生まれた。 一番上の兄は12歳離れているからまるで父親のようで、 まず兄が始めたサーフィン。 そんな環境だから…兄達が始めたサ
花観(はなみ/ハナ)のお父さんは海が大好きな波乗り人で、 いつも黒い顔をしています。 「子供の頃はほとんど毎日、雨の時も冬の寒い時も海に入っていたんだ。だから 海の気持ちが分かるんだよ」 といつも自慢げに話します。 そして海に行くお父さんのお供はいつもおっきいお兄ちゃん、 ちっちゃいお兄ちゃん とハナ、お母さんで行きます。 お父さんが海に入っているときは、 お兄ちゃんたちと砂浜で遊びます。 その日もそうして遊んでいました。 すると黒い大きなお皿のようなものが砂に埋まっ