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読書感想

昨日に引き続き「イノベーションはなぜ途絶えたのか」の感想です

内容

JR福知山線や福島原子力発電所みたいな事故の根本的な原因として、JR西日本や東電がイノベーションを起こそうとしている企業ではなかった、さらに言えば日本がイノベーションを起こそうとしていなかったからだ。日本に原子力発電所を作ろうとした際には、湯川秀樹などの物理学者が原子力委員会のような組織に参加していたが、専門家ではない人間が基礎研究を重視せず海外から技術移転する方向性を示しそれを強行したため、専門家は委員会から抜けてしまった。そのまま、専門家が不在のまま委員会が大きくなってしまったため、正しい舵取りができないまま現在に至っている。そして、アメリカのGE(ジェネラルエレクトリック)から発電所の設計をそのままもらう流れになった。しかし、当初は設計には一切の修正が許されなかった。そのため、アメリカでは緊急事態として津波よりもサイクロンのような災害をメインと考えていることから、緊急停止ボタンが一階にあることや海から何メートルに建物を建てるなどの細かいところの修正ができず、福島の事故が起きてしまったことが推測できる。一から日本で原子力発電所を作る技術を持っていれば、津波を想定した設計をすることが可能であり、さらに言えば湯川秀樹のような専門家にある程度の権限を与えて委員会に参加してもらっていれば事故は起きなかったかもしれない。これらの事実があるにも関わらず、結局東電の上層部は責任追及がなされないまま今日に至っている。では、なぜこのように科学的な判断ができない人が上層部にいるのか?それは、なるべく波風を起こしてこない人が出世しやすいからである。イノベーションを起こそうとしない組織において大事なのは、不測の事態を起こさないこと、さらに言えば不測の事態から距離を置くことである。そうすると、なるべく大胆な判断を行わず、リスクを取ってこなかった人が出世する。そうすると
、それが唯一の正しいことになってしまい、福島の事故のようなどのようなリスクを取るのかという場面で途端に弱さが露呈してしまう。
このことから言えることは、イノベーションを起こせるかは別にして、起こそうとしていない組織は、正常な判断すらできなくなる可能性がある。

感想


最近、小泉進一郎さんについて言われていることで、環境大臣になる前までは人気だったが、いざ大臣になって今までやられていないことをすると、かなり叩かれた。これは、企業の評価制度と少し似ていると思いました。しかし、イノベーションとは一見無謀、無価値に思えていることの中に潜んでいるものであり、それがやる前から分かっているのなあそれはイノベーションではないし、そもそもつまらない。なので、堅実なところとチャレンジングなところをいいバランスで持っている組織でないと現状維持すら困難な時代になっているという認識を改めて持ちました。これは、企業に限らず個人にも言えることかもね。

最後に一言、、、


今日は、昼くらいから頭が痛くて夕方のセミナー発表が終わったらラボのソファで一時間くらい気絶したように寝ていました。おそらく早く来すぎた夏による夏バテかもしれない。

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