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「イノベーションはなぜ途絶えたのか」感想

今日も、読んだ内容とその感想をつらつら書いていきます

内容


昨日までは、どうして現在の日本の企業はイノベーションを起こそうとする気がないことが原因で上層部にサイエンスの専門家が存在しない組織になってしまっている。これにより、正しい経営判断を下すことが困難になってきていることが記されてあった。では、どうやってこれを解決していくのか?まず、そのような国、組織になってしまった、原因としては戦後にリスクを負わなくても暮らしていける社会の創造を目指したことが原因であると筆者は言及している。終身雇用、年功序列などの仕組みを作りリスクを税金という形で支払い徐々に日本人からチャレンジ精神を削いでいった。一方で技術革新については、1950年代にはいくつかの中央研究所は生まれているがイノベーションを起こすためというよりも実用化を目指すための研究がメインであった。1980年代には、それが基礎研究にまでおよび、基礎研究⇒応用研究⇒技術開発⇒実用化というモデルを確立した。そして、これまで述べてきたように現在の日本では、このモデルの終盤が終わりかけており、その先がなくなっている。一方で、アメリカなどでは1970年代からベンチャー企業からイノベーション生まれ、そのイノベーションが持続的な経済成長を可能にするという考えのもと様々な制度を作っていった。ここ数年に見られる日本と海外の差はこの時代の方向性の違いから生まれている。しかし、考えてみればPanasonicやSONYも元々はベンチャー企業であり、近年のサムスンや日東化学のような今まさに勢いに乗っている企業も元はベンチャー企業であり、ベンチャー企業の持つポテンシャルは明らかである。では、どうやってそのようなベンチャー企業を生み出すのか?それには、リスクを恐れずに飛び込んでいく(ファーストペンギン、ペンギンの集団の中で一番初めに海に飛び込むペンギン)が必要である。

感想


最後のペンギンの所は、かなり納得する部分があった。日本はやばいと思っている人たちは大勢いて、みんな何かのきっかけで良くなることを待っているような気がしてならない。しかも、ペンギンほど単純ではなくたった一人の挑戦だけではあまり意味がない。となると、やはり今の日本の根幹をなしているシステムである、「リスクを負わなくても暮らしていける社会」を変えないといけない。それを拒むなら、同時に経済成長を諦める必要がある。リスクと(相対的な)成長はトレードオフであることを認識しないとただのわがままになってしまう。では、どうやってそれを実現するか?そこで国の支援である。リスクを負って挑戦した人を支援、もしくは挑戦後のフォローをしっかりすることが大事になってくる。海外と日本の大きな違いはそこである。大企業ばかり補助金やすぐに成果が出るようなものにお金を出すのではなく、リスクを負っている人にお金を出し、リスクを負うハードルを低くして色んな人が色んなリスクを負うことが当たり前の社会にすると、その中からイノベーションが、日本をけん引するようなベンチャー企業が生まれるのではないか?なんて思いました。

最後に一言

再来週には参議院選挙がありますね。正直、選挙に行き始めたのはここ一二年くらいで政治に関してそこまで詳しいわけではないですが、出馬自体がリスクのような人にはやはり好感を持ってしまいますね。

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