実習生は性的に搾取される
実習生を性的搾取のターゲットとして狙う社会人が存在する。
その若者が働きたいと思っている業界に、そういう腐った人間がいることは残念なことであるが、業種に限らず醜悪なハンターはきっといる。
私は搾取する側の人間から、その手口などを自慢話のように聞いたことがある。彼は悪びれずに次のようなことを言った。
昔いた職場では、自分を含めて多くの男性職員が女性の実習生を性的に搾取していた
実習生を飲みに誘い、酔わせてから行為に及んだ
新卒の若者が右も左もわからない社会に出て、職場の先輩たちがそうしていたら、社会はそう言うものだと錯覚するだろうか。そうして、その負の文化は闇の中で継承されていくのだろうか。
人は時として自らの狡猾さを社会や環境のせいにするものだ。しかし、その行為が間違っているのは明白である。
未来への大いなる理想と不安の中で、なぜ彼女たちが社会の負の面を学ばなければならなかっただろう。
実習先からの評価は進路を左右する大きな要素であり、実習先の職員とは無用なトラブルを避けて、円滑なコミュニケーションを図りたいと思うものだ。愛想良くして気に入られたいと思う人や、大人の異性との距離感をうまく調整できない人もいるかも知れない。
相手の心理や社会的に未成熟な部分を利用して、大人たちは酒の席に誘ったり、個人的な約束を取りつけたりする。社会経験の浅い学生が、誘いをうまく断れないとしても無理は無いのだ。
これから就職活動や現場実習を経験する学生や、その親や学校の先生たちに伝えたい。
実習先で誘われた場合に、どう対処するかをしっかりと想定してほしいということを。
学校と実習先も、必ずしもイーブンな関係では無いだろう。
人手不足と就職氷河期では、その力関係は違ってくる。
実習先に頭の上がらない進路課の先生もいるだろうが、どうか、その実状に学校全体で向き合って、未来ある学生の心と体を守ってほしいと思う。
それよりももっと、実習を受け入れる企業や団体が、これらのリスクをしっかりと考えなければならない。
中には、そういう実状を把握していない間抜けな経営者や担当者もいるだろう。あるいは、立場ある人間がその悪事に手を染めている場合もあるだろう。
実習受け入れの企業や団体の人間が、実習生を個人的に誘ったり飲酒させた場合の罰則など作ったら良いと思う。