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シティポップチャンネルその4 / 西海岸系のサウンドについて
こんにちは。今回はシティポップの西海岸系について触れていきたいと思います。
前回、個人的な見解でネオンが輝く夜の都会を感じられる東海岸系のサウンドについてご紹介しました。
その際、東海岸系は「メロウなグルーヴ感とエレクトロなファンクの音色が融合したものである」と推測しましたが、西海岸系はちょっとだけ違います。
まず、今までシティポップとはネオンが輝く夜の都会の雰囲気とお伝えしてきましたが、西海岸系のサウンドは夜というより、昼のイメージが強いです。
何故、昼のイメージになるのかというと、メロウなグルーヴ感とエレクトロなファンクの音色はありつつも、爽やかなサウンドに仕上がっていることが特徴であります。
なので、単純の夏を歌えば西海岸系というわけではなく、爽やかさ、清涼感が大事であることをお伝えします。
では、どんな曲が爽やかな西海岸系シティポップなのでしょうか。
代表的な2曲をご紹介します。
1. 1986オメガドライブ- 君は1000% (1986)
2. 杏里 - windy summer (1983)
この2曲は、夏定番のシティポップであり、西海岸系サウンドの代表曲と言っていい楽曲だと思います。
聴いて頂くと分かりますが、今までご紹介した曲にはない"爽やかさ”が感じられます。シティポップの特徴であるメロウなグルーヴ感とエレクトロなファンクの音色は感じることが出来ますが、東海岸系は割とズッシリと感じるサウンドで、西海岸系は軽快なサウンドに流れてきます。
それが爽やかさに繋がっていくわけです。
杏里さんのwindy summer が入っている「Timely!!(1983)」は西海岸系サウンドが沢山入っているので是非聴いてみてください。
他にも西海岸系のシティポップは沢山あります。
3. 東北新幹線 - Summer Touches You (1982)
この曲は、私のイチオシ西海岸系シティポップの曲です。
鳴海寛と山川恵津子によるユニット『東北新幹線』の唯一となるアルバム「THRU TRAFFIC」に収録された曲です。
今となれば知名度がある曲ですが、当然アルバムは売れず、セッションに忙しかった二人はすぐ自然消滅。知る人ぞ知る名盤と言われておりました。
シティ・ポップの再評価がなければ、ここまで脚光を浴びることはなかったでしょう。
ボーカルの透明感があるボイスが印象的な西海岸サウンドです。
4. 稲垣潤一 - 夏のクラクション(1983)
こちらも夏のシティポップの代表的なバラードナンバー。
稲垣さんの切ない歌声とスローなナンバーが夏の終わりの雰囲気を感じられる楽曲です。海に行った帰りのドライブで、夕日を浴びながら聴くとベストマッチだと思います。
シティポップ全般から見ても人気の作品です。
以上がご紹介したい西海岸系シティポップとなります。
ここで難しいのが、西海岸系で括るのに大事なことは、海とビーチしか感じない曲はシティポップではないと私は考えています。
よく、夏の代表的なアルバムで山下達郎さんの「BIG WAVE」がシティポップとして紹介されることが多いですが、私はシティポップか言われると微妙なところであります。
このアルバムの楽曲は半分がオリジナルで、もう半分は洋楽のカバーです。全曲を聴いてみても、あまりシティ感を感じることはありません。(勘違いしないでほしいですが、このアルバムは数ある達郎さんのアルバムの中でも傑作だと思っています。)
山下達郎さんは海外では「KING OF CITY POP」と評されておりますが、個人的にシティポップを感じる曲はそんなに多いとは思いません。
私の中では角松敏生さんがKING OF CITY POPであると感じております。
では、何故シティポップを紹介されるときに大瀧詠一さんや山下達郎さんの名前が挙がるのか、、?
それは、70年代に生まれたシティポップ創世記について繋がっていきます。
次回はこちらをご紹介したいと思います。
シノハラ