疑似乱数に関するメモ(MEGA BIG祭りを受けて)
第1476回MEGA BIGは、58億円を超えるキャリーオーバーと4試合中止による当選確率上昇によりネット上で大きく騒がれた。MEGA BIGでは1試合の合計得点数を4つの選択肢から「当てる」ことになるが、そのすべての選択をBIG側がランダムに決めている。
記事を記載している時点では結果が出ておらず話題になっていないが、コンピューターがランダム選択する際に使っている疑似乱数についてまとめておく。
一般的に乱数と言われているものは「疑似乱数」
コンピューターが乱数を生成するとき、どのような仕組みで乱数を生成するのか。コンピューターは完全に無作為な動作をとることはできず、何らかのアルゴリズムに従いランダムに見える数を生成している。
生成される数はアルゴリズムに依存するため、コンピューターは真の乱数を得ることができない。アルゴリズムにより決められたランダムに見える数を擬似乱数と呼ぶ。
疑似乱数に求められる性質
一般に、乱数は無作為性(randomness)、予測不可能性(unpredictability)、再現不可能性(irreproducibility)の3つの性質を満たす。疑似乱数はこれらを満たさないが、疑似乱数として満たすべき性質として以下のものがある。
一様性
乱数の並びは一様で偏りが無い。 乱数の出現する割合は等しくなければならない。
無相関性
生成された乱数は連続的に無相関である。つまり過去に生成された乱数と関係がない。
長周期性
乱数生成器には乱数の周期があり、過去に現れた数と同じ数が現れるループが生じれば、その長さが周期となる。理想的な生成器では頻繁な繰り返しがなく、繰り返しは非常に大きな乱数のセットの生成後にのみ行われる。
BIGはフェアなギャンブルなのか
さて、BIGにおいてすべての選択はランダムに決まると最初に述べた。しかし、ランダムに選ばれた試合の予想結果が上記性質を満たしているか非常に疑わしいと考える人も多いはずだ。
具体的な事例については以下の記事を一読いただきたい。
少しでも詳しい方なら、乱数生成のシードなど気になる点は出てくるだろう。
もちろん、ランダムに選ばれた「まったく同じ結果」が連続で数千数万と続いたとしてもより大きな範囲で見れば一様性を満たしている可能性はある。ただし先に紹介した記事の例では「25 * 10^32」分の1(注)という確率で生じる事象が発生しており、これは宇宙の初期においてビッグバンが生じる可能性「1 * 10^24」分の1よりも非常に稀である。
注:^はべき乗を表しており、「25 * 10^32」分の1は「2,500,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000」分の1である。
BIGというくじが本当にフェアなのかは、話題の回の当選結果が発表された後で統計的に検証してみよう。
次回に続く