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私に似合う家具もまたあって。
HANS OLSEN ディネッテチェア(manufacturer;Frem rojle)を購入しようか、すごく、すご…く悩む。もう椅子はいらないという暗示はこれまでも自身に掛けてきたが、効果に耐性が見えはじめてきた。家具は衝動買いするものではないし、僕の懐事情を考えると、簡単に手を出していい金額でもないことは重々承知の上だ。
でも、欲しい。
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何がいいって言われると、一言ではなかなか言い表すことはできないが、座ったときの身体にフィットした感覚は最初から僕が座るべき椅子だったんじゃないかって思うくらい心地いいものだった。仕口が隙間なくピタッと合うように僕の心と背中とおしりもまた、ピタッと合うような感覚がすっと頭の中をよぎる。
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これまで多くの人へ椅子を販売してきたが、たまに「あっ、いまこの人と椅子フィットしてる」って思う事がたまにあった。表裏一体、完全一致。
何回でも言いたい「仕口がピタッと合う感じ」だ。そういった状況のおよそ8割はどうなんだろうこの椅子?とあまりしっくりきていない事がほとんだ。これがどうも僕の中でモドカシイイ気持ちでいっぱいになる。あなたはその椅子に選ばれた、そして椅子もあなたを選んだ。と僕は心の中でそう言い放ち、お客様の予算や条件的に問題なさそうと判断したら猛プッシュすることがある。「買ってほしい」からではなく「似合っている」からだ。だからその椅子があなたの手元にあるときっと心地いい生活、帰る事が楽しみになると確信してしまうほどに。
そんな事をディネッテチェアを見ながら僕は考えている。もしかしたら僕はいま背中を押して欲しいだけなのかもしれない(懐事情はあるけど)。
「あっ似合ってますね、その椅子」と。