フミヲカク

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フミヲカク

-是頃-(コレゴロ);モノの在り方を考えるテーマ "家具" "古道具" "場所" "居場所"の在り方を考察し、 密接に関わるヒトとモノの関係性について深掘りしていくちょっとめんどくさいブログです。

最近の記事

私に似合う家具もまたあって。

HANS OLSEN ディネッテチェア(manufacturer;Frem rojle)を購入しようか、すごく、すご…く悩む。もう椅子はいらないという暗示はこれまでも自身に掛けてきたが、効果に耐性が見えはじめてきた。家具は衝動買いするものではないし、僕の懐事情を考えると、簡単に手を出していい金額でもないことは重々承知の上だ。 でも、欲しい。 何がいいって言われると、一言ではなかなか言い表すことはできないが、座ったときの身体にフィットした感覚は最初から僕が座るべき椅子だった

    • 人生には"しぼりかた"が大切だったりする

      2024年1月1日、除夜の鐘が鳴ると同時に、僕はなんとなく人生を俯瞰してみるようになった。このままいつも通りの日常が続いてしまうくらいなら僕の居場所を変えようと。そう決心した。 ' 何かしなければ。何者かにならなければ。' 26歳を過ぎたあたりからずっと焦燥感に駆られ、この言葉が頭の隅に少しずつこびり付いて、気付けば3年の月日を経て脳内を黒く埋め尽くしていた。 一体何をやっていたのだろうか。毎日たくさんのモノに触れる事ができる今の仕事は楽しいはずなのに、' 何かしなければ

      • -是頃-

        是頃;こごろ/これごろ/ころごろ ※読み方は決まっていない。 これは、主題である。 時代や季節(頃)、特定の瞬間に存在する物質(是)に焦点をあて、交差させることで生まれるワタシの感覚(ユレ)を発見する。 "ヒトとモノ"の関係性について僕(ら)は視る、つまりはP波を体感し、微動する知覚を思考し施工する。それは「形・言葉・声」でもって表現し、「使うこと・考えること・伝えること」を施す活動である。 "ヒトとモノ" 私たちは対等である。 ヒトがモノを使う視点しかこの世には存在し

        • ツヤツヤとざらざら;洋と和の親和性には「これ」を使う。

          ここから数ヶ月先は、ツチモノ系の食器が活躍してくる頃だろうか。ドシっとした重み、艶々の釉薬、ときにはざらざらとした素地を楽しむ。そんな器たちを求めたくなる季節だなと。「お腹すいたなぁ…鍋、かな」と自然と言葉がこぼれ落ちてしまう。ひと月前まで、マグマみたいな灼熱を浴びて、ご飯一粒を口に運ぶことさえ億劫だった僕とは思えない発言だ。 それほど日本の四季というやつは調子を簡単に変えてしまうと思う。夏に回収できなかった食欲を全てこの季節にそそぐつもりだ。みんな、鍋、しようぜ。あっタコ

        私に似合う家具もまたあって。

          スタンダードとパスト・オブ・ザ・ロード

          「Standard Products」、少し前の話題かもしれないがDAISOの新しいブランド。まだ、岡山に店舗がないのが非常に残念ではあるけれど、1時間半ほど車を走らせれば広島県福山市の夢ポートプラザにお店はある。綺麗に整えたれたシンプルなサイト(https://standardproducts.jp/)は、どこかノスタルジックな要素を感じる。日常の趣が容易に想像できてしまう写真は、その製品を使ってみたいという意欲に駆られるほどである。 県外に出向くことが億劫になっていた僕

          スタンダードとパスト・オブ・ザ・ロード

          「木箱」を使う ; シンプルは吟味するもの

          僕はいま「りんご箱」という”ただの木箱”を目の前にして、この箱を使い倒す方法が果たして何通りあるのか、腕組みしながら睨めっこをしている。笑うと負けよ、あっぷっぷぅー。 ー 「シンプルって難しくない?」正確には、使い方がありすぎてあれもこれも正しい、いい使い方ができてしまう。こうなったらもうアイデア勝負で、木箱に斬新的なアプローチをどれだけできるかという腕の見せどころになってくる。三段ほど重ねてよくある収納ボックスみたいに使うか、それとも横に並べてマガジンラックのようにして使

          「木箱」を使う ; シンプルは吟味するもの

          ジブンとモノを自由に楽しむ。

          たまには商品紹介をしようかなと久方ぶりにnoteを開いた。 思えば、このページであまり商品紹介をしたことがない、たまたまTikTokの撮影用に動画を回していたレトロなブックシェルフに小物をレイアウトしていたので、これは使えそうだと思ってブログにしようと書き出した次第だ。 「よってらっしゃい!みてらっしゃい!今日はレトロなブックシェルフを紹介するよ〜」 「なんともいえないほどシンプルなシェルフだよ〜、本当にタネもシカケもないシェルフだよ〜」 性にh合ってなさそうだからやめ

          ジブンとモノを自由に楽しむ。

          モダン&ヴィンテージ&アピリアンス

          今月から新たに、ということでもないが、過去にも販売していた家電製品を店内に取り入れて販売する運びとなった。これまで古道具一択の販売を続けていたが、そもそもある一定層を除いては大半のマーケットには刺さりにくいジャンルなので、一点突破で勝負するにはそれ相応の覚悟と難しさがあり、数年やってみたが頭打ちした感覚に苛まれる現状になっていた。 先月に至ってはほとんど意地というかわがままというか…とにかくやめられない状況へ勝手に自分を追い込んでしまっていたのかもしれない。どうするかな〜と

          モダン&ヴィンテージ&アピリアンス

          「永田良介商店」の歴史と品質

          日差しがほんの少し柔らかくなった…ような気がしている8月中旬。 ようやくご飯が喉を通ることを確認した。まだまだ、まだまだまだ暑いが、冷たいうどんをすすりながら天ぷらと梅のおにぎりも頬張る。スルッと胃の中に入ったことが妙に嬉しくて、血が全身を滞りなく巡ることで久々に健康を感じられている。「食べる」ってなんて幸せな出来事なんだ。 しばらくオンラインショップの更新が遅れていたが、久方ぶりに新商品を10点ほどアップした。撮影場所にずっと迷っていて、右往左往していたが気付けば蔵側扉前

          「永田良介商店」の歴史と品質

          「楔」と向き合った日

          イベント用に用意した「楔」、その売れ残りを店舗へ持ち帰った。中にはどこで使うかも分からないゴツゴツした蝶番やコの字型の留め具まである。これほどの量を見たのは初めてで、”錆び”というものにめっぽう弱い僕には全てが宝石のように輝いて見えた。個々のサイズは違う上に、料理の塩加減のように一品一品の”錆び加減”に個体差があって唯一無二なところもまたいい。 「楔」 ーくさび 木や金属で一端が分厚く、他端に向かって細くなるもの。木材や石材を割る。重いものを持ち上げる。ものの継ぎ目に打つ。

          「楔」と向き合った日

          「古道具についてどう思う?」ChatGPTに聞いてみた。

          暇なときはたまに某家具大手メーカーのカタログをペラペラと眺めている。 数ページめくってすぐに、「このデザインどこかでみたことあるかも」と、他の某家具メーカーのカタログも同時にペラペラと眺めた。正直メーカーの名前に違いはあっても、デザインの方向性はほとんど似たりよったりじゃない?っていうのが本音なのだが、あくまでその会社、ブランドが大事にしているカラーや雰囲気は絶妙な素材感などで、うっすらとゼツミョーな境界線のようなものでうまく離している。 ただあくまでCという集合体の中に存

          「古道具についてどう思う?」ChatGPTに聞いてみた。

          「チンチロリン」運試しの思い込み。

          とんでもない猛暑だ。今まで何度「今年の夏は一番暑い!」と聞いたものか, 言ったものか。「今年の夏」と今年も言いたいだけでしょ?と、タカを括っていたが”今年の夏”は本当にダメだ。本当に暑い。日に焼けるではなく、焦げる。少し日焼けしてしまったがALLIE を購入してすぐに塗った。”今年の夏”は日焼け止めが欠かせない。 毎年のことながら「広瀬町店の夏対策」が年がら年中問題視されているのだが一向に解決に近づくことがない。現状どんな対策をしたところで、この店内に快適という二文字は訪れ

          「チンチロリン」運試しの思い込み。

          古道具の新しい風、「剥離家具」

          状態がいい古いものは、それだけで価値があるものだ。衣食住すべてにおいて通じている。状態がいいとはつまり、修理することなく(もしくは修理された)そのままの状態で使うことができるものを指す。ただ、大体の古いもの=古道具(ジャパンヴィンテージ)は長年使い続けられた木材や加工の劣化、金具の不備等が多くみられる。 それは仕方のないことだ。何十年もの、下手したら何百年ものだって考えられる古道具。状態を維持する方が至難の業である。そんな古道具たち、たまに人の手によって不器用に修理されてい

          古道具の新しい風、「剥離家具」

          古道具店で「BAR」を開いてみた。

          今年の4月半ば頃だったか、 BARの一席で決まった。 「古道具店で『BAR』をやろう」 僕はほろ酔い状態だった。 遡ること数ヶ月前、「今度、表町の方でBARを開こうと思ってまして…」と、 30代タッパのある男性が広瀬店に来店した。開業に伴う店内什器や雑貨、食器まで色々と探している様子だった。この店舗はヴィンテージ家具が中心なので、アンティーク感とか大正ロマンとか”オーセンティック”とか、独特なエッセンスで他ジャンルの家具を組み合わせ、インテリアを提案することができる。

          古道具店で「BAR」を開いてみた。

          古道具が好きであること / 倉敷芸文館懐かしマーケット

          2024年6月30日(日) 早朝4時起床。 いつもの出勤時間は10時半だが、この日は5時半までに出勤。眠い目を擦りながらスマホを手に取り、こんな日でも毎朝のルーティンとなったDuolingo英会話を欠かさない。アプリを起動させ、1ステージだけクリアした(現在ログは78日目)。なんだかんだ語学に触れることが好きで色々試してきた結果このアプリがしっくりきている。 毎朝5分弱の学習だが、ログが更新され続けるたびに自身の頑張りが記録されていくから、少しニヤけてしまう(僕は本当に単純

          古道具が好きであること / 倉敷芸文館懐かしマーケット

          古道具は全て誰かの「居心地」を提案しているのだと思う。

          先週の何気ない平日。 涼しげな風が吹く気持ちのいい日で、平日だというのに祝日と同様の来店があった。来店が多かったことは特別珍しいことではなく、旅行で岡山に来ていた人もいれば仕事が休みだった人、たまたまいろんな人たちの日程が重なり、たまたまキミドリへ行こうと思ってくれた日だったのかもしれない。「今日はこういう日か」とワクワクした。 レジ回りでお皿を洗って値付けの用意をしていたところ、入口前に人影が見えた。スラっとした佇まいで珍しそうな顔で古道具をじっと見ていた。 どうやら日

          古道具は全て誰かの「居心地」を提案しているのだと思う。