村田沙耶香・著 -------------------- 『コンビニ人間』とはどのような人間なのか、 書店でタイトルに目が留まり、すぐに手に取った。 ◆書評 主人公である古倉恵子は、幼少期から他人とズレた子供だった。 自分の意志で判断した言動は間違いだと指摘され、 人のためにと思った行動は相手を困惑させる。 どうしたらそれが”治る”のか見当もつかないまま、成長してしまった。 そんな時、コンビニのオープニングスタッフ募集の張り紙が目に入り… そこは、恵子を”普通
桜庭一樹・著 -------------------- 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』は、一生大切にし続ける本の1つだ。 この本と出会えたことが嬉しい。 ◆書評 物語冒頭で描かれる、少女のバラバラ遺体。 その残酷な事件に向かって、一筋に物語は進んでいく。 主要登場人物は2人。 2人の主人公は、貧困、虐待と、この世界を生きるには到底厳しい境遇をもつ。 しかし彼らは、そんな不幸な現実と戦う。 現実に打ち勝つために。 生き残るために、“実弾”を手に入れようと
三浦しをん・著 -------------------- 『舟を編む』は、中学か高校の頃に親に手渡され読んだ思い出がある。 そしてその先の現代まで、ずっと心に残っている本の一つだ。 「読んでよかった」 そう思わせてくれる作品だ。 ◆書評 「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」 膨大な量の言葉の数々を大海原と例え、 言葉を選び取る為の“道しるべ”を舟で例える。 人は、思いを誰かに届けるために 無数の言葉の中から、適切な言葉を選び取る。 もっとも正確に、心の内の思