この世で一番カウンセリングがだいきらいだよ
大きくなったら。自分を傷つけたい気持ちも、誰かに愛されたいと喚く心も、落ち着くと聞いた。本当は、そんなわけないのに。いつかきっとなんてないって、十分すぎるほど知っていたのに。
中学生になれば、高校生になれば、大学生になれば。いつかやりたいことやなりたいものが見つかると思っていた。好きなものができると期待していた。でも、そんなもの終ぞできなかった。
時間は、何かを解決しない。ただ漠然と曖昧にしてゆくだけで、何かをもたらしたりしない。そう知っていたのに、どうしてまた、歳を取れば落ち着くだなんて妄言を信じてしまったのだろう。
歳を取れば取るほど、愛されない無価値な自分が露わになって、社会の正しさに乗れない自分のしょうもなさばかりが浮き彫りになっていく。いつだって消えてなくなってほしい自分しかいなくて、安心も安全もどこにもない。
誰かが自分の心を整えてくれたことなんてなくて、だから今日も心を後ろに追いやって、自分を後ろから見つめる。そうしてなんとか、やり過ごしてゆく他ない。自分の機嫌は自分で取るしかないし、他の誰かになったりなんてできない。
どうせどこにいったって、憧れて焦がれた特別には手が届かなくて、ただただ自分が終わる日だけを夢見て息をするだけだ。
ずっとずっと安心したかった。ずっとずっと居場所が欲しかった。自分が自分であることが許されたかった。でも、そんな贅沢は許されないし、死ぬまで「何かに脅かされるかもしれない恐怖」や「見捨てられる不安」と仲良くしてゆくしかない。
誰も救わないし、誰も救えない。