生活論の基礎概念 第一章 ゲーム 4 精神の形成
生活主体は、複数の精神を持ち、自己を維持しつつも、その時々に相手や状況に合わせて、いずれかの精神で物事を解釈したり対処したりしている。精神は、一組の規範の束として生活図式である。その最も基底的なもの、すなわち、根底精神は、人間という〈身分〉そのものに関するもの、そして、人間の人生という〈ゲーム〉に関するものであり、したがって、それは人間観ないし人生観そのものである。それゆえ、そのように根底精神は、人間としての、そして、人生としての〈ポイント〉を、つまり、「良き人生」としての