そうだ。ミステリーでも勉強しよう
出張で常に世界中を飛び回っているわたしだけど、
この度、12月まで人里離れた土地にポツンと立つ民宿に飛ばされることになった。
公共交通機関はない。車もない。
近くに何らかのお店もない。
もちろんインターネットなんて存在しない。
トイレ風呂は共同。
仕切りはふすま。扉はない。上司が半径5mに常にいる。
そもそもこの建物に鍵は取り付けられていない。
プライバシーもセキュリティーも存在しない。
ただの雨風がしのげる小屋という完全に俗世から隔離された空間。
強いパソコンと強いネット回線が必要なバーチャルYouTuberの活動など到底できるはずもない。
早々にわたしはインターネット上での配信活動は諦めた。
その代わりに空いてしまった余暇を何で埋めようか考えていた。
この場所では出来ることは読書ぐらいしかない。
ならば読書をすればいい。
何を読めばいい?
今まで読もう読もうと思いながら読めてないものを読めばいい。
そうだ。エラリー・クイーンを読めば良いんじゃないか????
(※エラリー・クイーンとは20世紀に活躍したアメリカのミステリー作家。
『読者への挑戦状』という文化を広め、日本の多くのミステリ作家にも多大な影響を与えた作家であり、
ミステリー小説――とりわけ本格ミステリというジャンルを語るうえで外せない作家である。もちろんわたしは未読。
まったく読んだことがないのに10年以上偉そうにミステリー小説を語り本格の鬼を自称してきた。)
※ここからはオタク語りが加速します。
ミステリー好きにしか通じない固有名詞バンバン出るので注意。
2024年の今年、『境界の扉』の新訳が角川文庫から出版され、デビュー作である『ローマ帽子の秘密』から『境界の扉』まで越前敏弥訳で読めるようになった。
これは連続して読むチャンスなのではないだろうか。
ついでだからエラリークイーンが別名義で並行して書いていた『ドルリー・レーン』4部作も読んでしまえば、よりクイーンという作家に対する理解が深まるのではないか。
というわけで角川から出てる15冊+ハヤカワから出てる4冊も旅行カバンに入れている時にふと気付いた。
ドルリー・レーンの2作目『Yの悲劇』は、S・S・ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』の影響が強いらしい。
実際は知らんけど、実質ネタバレみたいなもんなので、『Yの悲劇』より前に『グリーン家殺人事件』を読んだ方が良い……。
そうだ。ヴァン・ダインも読めば良いんじゃないか????
2024年の今年は『グリーン家』の新訳版も発売されている。
これで日暮雅通訳で『ベンスン』『カナリア』『グリーン家』『僧正』のヴァンダインの代表作4作が読めることになった。
あれ? 2024年ってクイーンやヴァンダインを読むのに最高に適した環境なのでは!?!?!?!?
この時、どうせならもっと歴史を遡って、ミステリーを1から学ぼうという気持ちになり、
気付いたらこの何もない小屋に
エドガー・アラン・ポー
「モルグ街の殺人」
「黄金虫」「犯人はお前だ」「盗まれた手紙」
アーサー・コナン・ドイル
『緋色の研究』『四つの署名』『バスカヴィル家の犬』『恐怖の谷』
『シャーロック・ホームズの冒険』『思い出』『帰還』『最後の挨拶』『事件簿』
G・K・チェスタトン
『木曜日の男』『マンアライブ』『奇商クラブ』『裏切りの塔』『知りすぎた男』『詩人と狂人たち』『ポンド氏の逆説』
『ブラウン神父の童心』『知恵』『不信』『秘密』『醜聞』
アントニー・バークリー
『レイトン・コートの謎』『最上階の殺人』『ジャンピング・ジェニィ』『ピカデリーの殺人』『殺意』
S・S・ヴァン・ダイン
『ベンスン殺人事件』『カナリア殺人事件』『グリーン家殺人事件』『僧正殺人事件』
エラリー・クイーン
『ローマ帽子の秘密』『フランス白粉の秘密』『オランダ靴の秘密』『ギリシャ棺の秘密』『エジプト十字架の秘密』『アメリカ銃の秘密』『シャム双子の秘密』『チャイナ蜜柑の秘密』『スペイン岬の秘密』『中途の家』『境界の扉』
『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』『レーン最後の事件』
『靴に住む老婆』『九尾の猫』『十日間の不思議』『ダブルダブル』
50冊も持ち込んでしまった。
流石にこれを読み切ることはないだろうけど、
気長に読んで感想を綴っていこうかなと考えている。
ちなみに評価基準はこちら