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イーシュワラのサンカルパは常に成就する
神の意志は誰にも変えることはできません。それを悟ったとき、人は様々な感情が交錯します。嬉しいですか?悲しいですか?次のシヴァ神とパールバティ女神との間で起こった意見の相違は誰にでも起こり得ます。真実は、世界中で自分の中で起きていることは、受け入れるしかないのです。そんな心構えをスワミはわかりやすく教えてくださいます。
『いかなるものもイーシュワラ(シヴァ神)の意志(サンカルパ)と、それが成就するのを阻止することはできないという物語をお話します。シヴァ神は毎日、夕刻にカイラーサ山で、賢者や聖人や神々たちに向って講話を行っていました。ある日、妻のパールヴァティー女神は、聴衆全員を収容することができる会堂の建設を提案しました。そうすれば、ひっきりなしに続く濃霧やモヤ、冷たい風などに影響されることなく、全員がシヴァ神の講話を聞くことができるからです。
けれどもシヴァ神には、会堂を建設するサンカルパはありませんでした。にもかかわらず、パールヴァティー女神は自分の提案を実行に移すべきだと言い張りました。会堂の礎を掘る前にアドバイスを求められた占星術師は、「星まわりは、その会堂が火事で焼き尽くされると予言しております。というのは、そもそも土星(サニ)が吉兆ではないからです。」と述べました。それでもなお建設は進み、やがて会堂は完成しました。
さて、この件でシヴァ夫妻の間に問題が起こりました。シヴァ神はサニが怒ることは避けられないのだから、サニは絶対承諾しないだろうと思いました。それでも会堂を怒りから救うためにサニに嘆願することを提案したのです。パールヴァティー女神は深く傷つき、小さな暴君であるサニには、パールヴァティー女神が建てた会堂を破壊するという手柄を与えまいと決意しました。サニがこの会堂に火をつけたと傲慢に宣言する機会を与えるくらいなら、むしろ自分の手で会堂に火を放とうと、パールヴァティー女神は誓ったのです。しかしシヴァ神はパールヴァティー女神に、まずは依頼の結果を待ちなさいと告げました。シヴァ神自身がサニの本拠地に乗り込むことにしたからです。シヴァ神はパールヴァティー女神に言いました。「もしサニが会堂を救うことに同意すれば、私はここに戻ってきて、そなたに良い報せを伝えよう。しかしもしサニが聞く耳を持たなければ、私は手を上げて、このダッカ(両面太鼓)を振り回そう。合図の音が聞こえたら、そなたは自分で会堂に火を放ち、サニが火をつけるという手柄を奪ってやるがよい。」パールヴァティー女神は合図を待ちながら、燃え盛る松明を手に持ち、準備万端を整えていました。邪悪な星が、報復するために非道な計画を実行する隙を一瞬たりとも与えないように。
ところがサニはシヴァ神の依頼に同意したのです。サニは、カイラーサの会堂を焼き尽くすことはしないと話し、シヴァ神はその答えに満足しました。それゆえ、自分の小さな恩恵を授けてほしいとサニが祈った時、シヴァ神はそれを承諾し、どんな恩恵がほしいか尋ねました。サニは、星の神々すべてが褒めそやすシヴァ神のあの有名な舞踏(ターンダヴァ)を1度も見たことがなかったらしく、ほんの少しでもいいから見せてほしいと願いました。シヴァ神はその願いをすぐに聞き入れ、手を上げるとダッカを打ち鳴らしながら、ターンダヴァの舞を踊り始めました。その音を聴いたパールヴァティーは会堂に松明を放ち、シヴァ神のサンカルパ(意思)によって会堂は灰と化してしまいました。神のサンカルパは成就されなければなりません。土星(サニ)はただ、神の計画の道具に過ぎなかったのです。- サイババ- 』
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