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プラーナヤーマ(ヨーガ呼吸法)

「シヴァナンダヨガでは、どうしていつも呼吸法をやるのですか?」という質問をよく頂きますので解説します。

ヨーガ呼吸法(プラーナヤーマ)には、「吸う」・「息をとめる」・「吐く」の3つプロセスから成り立ちます。ヨガにおいては「吸う」ことよりも、「吐く」ことを長くし意識してします。吸う息で充満するプラーナ(生命エネルギー)を身体の組織を送りこみ細胞を刺激します。息をとめること(クンバカ)で熱をおこしエネルギーを全身に行き渡らせます。息を吐くことで汚れた空気と毒素を排出します。この3つのプロセスの間で実は、体内の器官や内臓、精神や意識、微細な部分にまで大きな変化が起こっています。

普段私たちは肺の一部を使ってしか呼吸していません。日常の仕事や雑事に追われ、胸郭を広げずに浅く呼吸しがちです。それに加えて、姿勢が悪かったり、あるいはストレスを抱えたままでいるため、酸素を含んだ豊富な空気を、身体全体に取り込むことはできなくなります。体内には、酸素や二酸化炭素や血液以外にも、プラーナという微細な生命エネルギーが流れています。このプラーナという言葉は、日本語で表現すると、気が適切かと思います。体内の酸素や血液やプラーナの流れが滞ると、精神的・肉体的不調が徐々にあらわれてきます。

ヨーガの呼吸法は、普段使っていない肺や呼吸器系全体を意識的に使っていきます。体内に酸素を豊富に取り込ませ、汚れた二酸化炭素を意識的に吐き出すことにより、呼吸器系全体を掃除し浄化していきます。

呼吸をコントロールできるようになると、身体の不調を改善できるようになり、プラーナという生命エネルギーもコントロールできるようになります。プラーナをコントロールできると、マインド(感覚や感情)をもコントロールできるようになります。

プラーナヤーマ(呼吸法)の効果はひとことでは表現できません。しかしながら肉体・精神・魂のいずれの領域においても、不調は補いつつ、大きな恩恵が得られることは間違いありません。

シヴァナンダヨガのクラスで行うプラーナヤーマは基本的なものですが、バンダなど上級者向けのプラーナヤーマの場合は、先生の指導のもとで正しく行う必要があります。あと妊婦さんには、やってはいけない呼吸法がありますので、注意が必要です。

一部ではありますが、プラーナヤーマの効果を以下に記しておきます。参考にして頂けたらと思います。

① アーサナ(ポーズ)やエクササイズで負荷がかかった筋肉に乳酸などの疲労物質を残さないようにする。アーサナの効果が最大限に身体に浸透する。

② 熱を起こすことで血行不良を防ぎ、ホルモンバランスを安定させ、自律神経系統を調整し、未病や病気を改善する。

③ 酸素を豊富に含んだ純粋な血液の循環を維持し、腹筋や背筋や横隔膜を使うことで内臓をマッサージし機能向上させ、神経や脳や脊髄や心臓の筋肉の働きそのものを整える。

④ 消化を助け、活力や生命力が増し、感覚や記憶力や集中力を向上させることで、知性は聡明になる。

⑤ 充満するプラーナ(生命エネルギー)を体内の隅々にまで行き渡らせることで、身体的・精神的な不調を改善する。

⑥ 安定した強い心や忍耐力や意志や識別力を養う。

⑦ エゴや欲望を抑え、感情を鎮め、心がきれいになり幸福が得られる。細胞が活性化され老化防止になる。

⑧ サーダカ(修行者・求道者)の思考と言葉と行動を規制し一致させ、心身の安定と強大な意志力と行動力により、神の恩寵が得られる。

⑨ 瞑想への準備段階となる。サーダカの目的である神我顕現の実践、不二一元論の認識(すべてはひとつであるということを悟る)の助けとなる。

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ラリータムビカ / 後閑千鶴子 (Lalitambika Chizuko,Sivananda Yoga Teacher)
愛と優しさをいっぱいありがとうございます!