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知らなかった世界
【療養日記2024 1月19日(金)☀】
今日は妻の会社の取引先の繋がりで歌舞伎座のツアーに参加した。詳細は書かないが取引先の会社の旅行部門が顧客サービスで行っているものが当選したらしい。
朝の8時45分に港南台駅に集合なので結構早めに家を出なければならなかったが、集合してバスに乗り込むとあとは歌舞伎座まで連れて行ってくれる。汐留の手前あたりから首都高が渋滞していたが時間通り衣に到着した。
昼の部は11時にスタート、それまでの間は各階にあるお土産コーナーや歌舞伎座館内を自由に見物できる。
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今日の演目は簡単に書けば以下の通り
1:當辰歳歌舞伎賑
辰年の蒔く開きを舞踏二題で賑やかに舞うもの。
2:荒川十太夫
忠臣蔵の後日譚。切腹を命じられた堀部安兵衛の介添えをした伊予松山藩松平家の徒士侍、荒川十太夫の苦悩の日々とそれを告白する白州を通し義に生きる十太夫の心意気を描いた作品。これが去年初公演とは思えないくらいの重厚感。
3:江戸みやげ 狸狐狸狐ばなし
江戸は吉原田圃で手拭い染屋を営む元上方の女方役者だった伊之助とその女房、そして使用人の又市の三人。かつては女郎だったおきわは生臭坊主の重善と深い仲になる。伊之助はそれを知ってか知らずかおきわへの思いを募らせていく。
ある日おきわは重善と一緒になりたい一心で伊之助を毒殺するも翌朝その伊之助が現れたために大騒動となる。
初演昭和36年、森繁久弥なども演じたといわれている(らしい)ドタバタ喜劇だが騙し騙されのやりとりは最後の最後までわからない。
歌舞伎のことはわからなくても観ればどれも本当に面白い。個人的には2題目が心にしみた。
歌舞伎ってのはこんなに面白い物だったのか。敷居が高すぎてわからなかった。とにかくここには自分の知らない世界があり、自分の全く知らない常識と通説で世界が動いている。こんな世界があったとはと思うのも大袈裟かもしれないがそれだけショッキングだった。
中にはテレビにも出てくる役者もいて、2題目には堀部安兵衛に市川中車(香川照之)、3題目には松本幸四郎、市川染五郎、尾上右近なども登場した。夜の部(残念ながら観られなかった)には坂東彌十郎、中村扇雀、松本白鸚も登場する。
昼の部は3時過ぎくらいに終了したが本当に夢みたいな時間が過ぎていった。演劇というにもちょっと違う、やっぱり歌舞伎は歌舞伎。こんなに素晴らしいとは思ってもいなかった。妻もかなりの衝撃を受けたようで二人して同じような事しか言えなかった。
昼の部が終了して出発が3時45分だったのであまり時間がなかったがお土産を少し買って歌舞伎座を後にした。またいつかここに歌舞伎を見に来たい。僕も妻も同じ思いだった。
母は毎月歌舞伎座に行くくらいに歌舞伎が大好きでよくまあ飽きないものだと思っていたがその気持ちは今日になって初めてわかった気分。こんなところに全く知り預からぬ世界があったんだということがショックだった。
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ヅカ(宝塚)と歌舞伎ははまったら最後なんて話しはよく聞くがなるほど確かにそうだなと思った次第。
帰りも楽々専用の観光バスで港南台まで戻り現地解散。大船まで戻りそれからお茶を飲んで夕飯も久々に家系を食べ帰ってきた。
またいつか必ず歌舞伎は観に行きたい。そう思わずにはいられなかった■