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線維筋痛症になりました。

何の前触れもなく下腹部と腰部、子宮に激しい痛みが走った。まるで陣痛かのような痛みが容赦なく私を襲う。これが私VS線維筋痛症の始まりだった…。

線維筋痛症の症状が現れてから診断されるまで約2年。本記事では、2年間の状況や気持ちを時系列で書き記していきます。​

2020年1月|激痛の始まり

新たな年の始まり。会社員からフリーランスライターに転向し、心機一転して頑張ろうと意気込んでいた矢先の事だった。

冒頭で触れたとおり、何の前触れもなく下腹部と腰部、子宮に激痛が走った。日常生活では考えられないほどの痛み。時間や状況問わず、毎日激痛に襲われた。

さすがに異常だと思い婦人科を受診。子宮頸がんや子宮内膜症などの検査をしたものの、異常は認められず。もともと月経困難症やPMSを患っていたこともあったのでホルモン治療を試みたが、痛みがなくなることはなかった。

整体にも通ってみたが、痛みが軽くなるのは施術の翌日くらい。行かないよりはマシかもしれないが、劇的な改善はみられなかった。

激痛の始まりから1年以上。症状はどんどん悪化し、激しい痛みに加えて強い倦怠感や眠気、めまいなども起こるように。

仕事や家事はおろか、起き上がることもままならなくなっていった。

2021年8月│甲状腺疾患を疑う

ふと鏡を見た時に、首が太くなり甲状腺が腫れていることに気づいた。気になって調べたら「橋本病」の症状とほぼ一致。

実はこの頃、なぜか体重が1ヵ月で8kgも増えたのだ。食生活はこれまでと何ら変わりはない。橋本病の症状のひとつに体重増加がある。私はすぐに甲状腺疾患専門のクリニックを予約した。

「これで原因がわかって治療ができる」そんな期待を胸にいざ受診。

エコー検査では甲状腺の腫れがみられ、あとは甲状腺ホンモンが低下していれば橋本病だと説明された。

しかし、血液検査の結果は異常なし。医師いわく、ホンモン数値が正常でも甲状腺が腫れることがあるとのこと。特に治療の必要もなく、私の体調不良の原因ではないと伝えられた。

ただ甲状腺が腫れているだけ。その結果に私は愕然とした。

2021年9月│心身ともにボロボロ

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痛みが現れてから約8ヵ月。どの病院でも異常なしと言われるが、それでも症状は確実に悪化している。

家事は少しくらいサボっても何とかなるが、仕事はそうはいかない。「やらなくては」という思いを優先し、規定量以上の鎮痛剤を飲みながら毎日仕事をした。

当然、体にとっては何ひとつ良いことなんてない。痛みや倦怠感を無理やり我慢している上に、鎮痛剤の過剰摂取。この頃には心身ともに限界を迎えていた。

何科に行けばいいかもわからず、とりあえず地元の内科クリニックを受診。血液検査と尿検査をしたが異常はなく、疲労に効果のある漢方薬を処方してもらった。

しかし、効果はなし。クリニックではこれ以上の検査や投薬はできないと言われ、総合病院にある「総合内科」を紹介してもらった。

総合内科とは、身体の症状だけでなく患者のバックグラウンドなども考慮しながら診察する、どの診療科を受診すればいいかわからない場合の窓口になる、いわば「診断のプロ」とも言えるような診療科のこと。

正直言ってめちゃくちゃ期待した。総合内科ならこの意味不明な激痛の原因を突き止めてくれるだろうと。

しかし、結果は惨敗。

「検査結果に異状がないから」「日々の生活に疲れているだけでは?」「デスクワークだから体が痛くなるんだよ」

医師の口から出てくる言葉は、私にとってどれも不要かつ不快なものでしかなっかた。診察中に泣きだしてしまうほどに…。

2021年10月|線維筋痛症を疑う

この頃には、立つことも座ることも15分以上できなくなっていた。当然、仕事なんてまともにできない。すべてのクライアントに事情を説明し、仕事をセーブした。

もうただの不安や焦りではない。大げさだと捉えられるかもしれないが、真剣に「生きるか死ぬか」くらい切羽詰まっていた。

病院は当てにならない。だったら自分で調べるしかない。必死で調べた結果、たどり着いたのは「線維筋痛症」という病気だった。

たまたま名前だけは知っていた線維筋痛症。詳しい情報を得るため、ネットやSNSを使って調べれらるだけ調べた。

専門医師が少ない
明確な治療法がない
難病なのに指定難病にならない

こんな言葉があふれていた。

そして、線維筋痛症に罹患されている方のSNSでは

剣山で刺されたような痛み
体を握りつぶされているような痛み
五寸釘で刺されているような痛み

まさにそれ!と言ってしまったほど、私の得体の知れない痛みを見事に言語化してくれていたのだ。

私はすぐに線維筋痛症を診てくれる病院を探した。SNSのおかげでドクターハラスメントがあるという情報も得られていたので、ホームページや口コミなどを参考にしながら病院を探した。

2021年10月21日|線維筋痛症と診断

私が通院している病院は、整形外科・ペインクリニック・リウマチ科を標榜するクリニック。自宅から車で1時間以上もかかるため、通院するのは正直言って大変だ。

だけど、勇気を出して行ってよかった。初診で「線維筋痛症の可能性が強いが、念のためリウマチ検査もしましょう」と。

私は思わず「線維筋痛症の可能性があると思ってここまで来たんです!」と大声をあげてしまうほどに。

そして2021年10月21日、線維筋痛症と診断された。

病気になることは決して嬉しいことではない。ただ、約2年もの間苦しんできた得体の知れない激痛や倦怠感に「名前」がついた。それだけは心底ほっとしたことを今でも覚えている。

薬の副作用に悩まされたり、新たな症状が出てきたり、まだまだ薬の調整は必要だろう。

だけど「一歩だけ前に進んだ」。診断されてこう感じたのは、きっと私だけではないと思う。

最後に

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線維筋痛症は、全身疼痛や倦怠感などを主訴とする原因不明の難病です。明確な治療法もなく、罹患されている方は対処療法で毎日痛みと闘っています。

症状の現れ方や程度は人によって異なるものの、重症の場合は寝たきり生活や車いす生活を送らなければいけないほど辛く苦しい病気です。

中には、何十年も診断されずに苦しんだ方も…。それだけ専門医師が少なく、今この瞬間にも線維筋痛症と診断されずに悩んでいる方がたくさんいるでしょう。

私自身もドクターショッピングはしたものの、それでも約2年で診断がおりたのは早かったと思っています。

それは、すでに線維筋痛症に罹患されている方たちが、積極的に情報を発信してくれていたからです。本当に感謝しています。

今後は私も線維筋痛症についてnoteを中心に発信していきますので、少しでも多くの方のお役に立てれば幸いです。

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